トップガン
Top Gun
出演:トム・クルーズ
監督:トニー・スコット
1986年 米国
大ヒットした航空映画。 あの「素晴らしきヒコーキ野郎」から76年後の、Magnificent Men の物語である。
はねっかえりで怖いもの知らずの若い戦闘機パイロットが、米海軍の空中戦訓練学校(トップガン)で猛訓練を受ける中、女教官との恋や、僚友との事故を経験し、パイロットとして、そして人間として成長を遂げると言う、まあ、よくありそうなストーリー。
見ものは、なんと言っても戦闘機同士の空中戦シーンで、こればっかりは、繰り返し何度見てもワクワクしますな。
それにしても、当時のトム・クルーズの若いこと。 製作年度を見てみて、二十年ほど前の作品であったことに気づき、ビックリしてしまった。
主人公(トム君)が駆る戦闘機はF14トムキャット。 複座だし、双発だし、可変翼だしで、なんだかやたらとデカく見えるヒコーキである。 それが、ジェットの圧倒的なパワーを駆使して自在に飛び交い、また、くるくると軽快に舞って見せる。
このF14、1970年代にデビューして、映画の撮影当時も米海軍の主力艦上戦闘機だったけれど、昨年遂に退役したとのことである。
トム君ら教習生を飛行訓練で鍛え上げるベテラン教官が操るのはA4スカイホーク艦上攻撃機。 こちらはF14よりも更に古くて、1950年代半ばから飛んでいる。 単発、単座。 とにかく小さくてすばしっこい。 私には、やたら図体のデカイF14よりも、このA4の方が余程カッコ好く見えるけれど。
敵国の戦闘機に扮するのは、実は米国製のF5タイガー。 スリムで優美なボディライン(なんだかコカコーラのビンを連想してしまう)を持つこの機も、F14よりずっとスマートに見えるなあ。
映画は、早暁のインド洋上を航行する航空母艦からの、艦載機離着艦シーンから始まる。 映像美と、ジェットの圧倒的なパワーを見せつけて、掴みはバッチリ、なのである。
そしてなによりの見せ場はトップガンでの、教官対生徒の空中戦訓練シーン。 すべて実写。 ホンモノのジェット戦闘機同士の追っ駆けっこは、大空を自由に飛んでみたいという人類有史以来の夢を、現実のものとして見る者に叩きつけてくれる。 こんな映画は、CG全盛の今となっては、もう再現不可能なのではないか。
その一方で、人間ドラマ的にはイマイチの感がある。 主人公(トム君)の俺様ぶりからは、それほどの魅力を感じないし、ヒロイン(ケリー・マクギリス )も、ちっとも綺麗と想わない。(それよりも、僚友の奥さん役のメグ・ライアンが好い) でも、これはそもそも空中戦シーンばかりが見たい映画なので、然程気にもならないのである。
音楽は至って軽めのロック。 飛行シーンに流れるチャカポコしたサウンドも、聴き慣れてくると、ヤバイくらいに心地好く感じる。 とはいえ、時々ベタベタに感傷的で甘ったるい曲が流れるのにはマイッタな。 このお陰で、映画の格を相当落としている気がする。
映画の構成上、クライマックスは敵国戦闘機との空中戦で、敵機を見事撃墜してみせなきゃならんのであろう。 けれども、映画のラスト、トップガンの卒業式から敵機とのドッグファイトまでの、なんだか安直な演出からは、「本当はヒコーキが飛び回る映画が造りたいだけで、戦争映画なんて興味ないんだよね」とでも言いたげな、製作者側のバツの悪さを・・・・私の妄想でしょうか・・・・感じてしまう。 だからしてこの作品、戦争映画というよりは、あくまで航空映画と呼ぶべきと思うのである。
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