歓喜の歌
歓喜の歌
Kanki no Uta
原作:立川志の輔
「歓喜の歌」 (新作落語)
監督:松岡錠司
出演:小林薫
:安田成美
:由紀さおり
:加藤俊輔
2008年 日本
条件反射って、ありますねぇ。
特定のきっかけを与えられたら思わず反応しちゃう、「パブロフの犬」とかのアレ。
私の場合はベートーヴェンの交響曲第九番がそのキッカケでして、ニ短調の旋律が聴こえてくると、心はいきなり年の瀬へとトリップ! 今年も一年いろいろありましたなあやれやれってな歳末気分に浸ってしまいます。
何事かなし終えたような満ち足りた気分。 ハレの日の厳粛さ。 なにやら感傷的なキモチ。
脳内で、その年のトピックまでプレイバックされそうな勢いですよ。
それが、春夏秋冬季節に関わらずオールシーズン発生するんですから、やっぱ条件反射ですよね。
ハイ、我ながら至って乗せられやすいタイプなんです。
▽▲▽▲▽▲
※.原作は立川志の輔師匠の新作落語「歓喜の歌」。 生憎と、私は未聴です。
とある地方都市に建つ瀟洒な公民館。 小林薫さん扮する公民館の主任が、二つの女声合唱団のコンサートをウッカリ同日同時刻(大晦日の夜)で請けてしまった。 いわゆるダブルブッキングしちまったことから巻き起こる騒動の数々・・・・大晦日の夜、歓喜の歌は鳴り響くのでしょうか?!
小林薫さん扮する主任さん、その絵に描いたような小役人ぶりがステキです!
万事ことなかれ主義で規則を振りかざすばかりの無責任男。 セコくて小ズルくて。 筋金入りのダメ亭主でもある。 けれど、飄々としてどこか憎めないところもあって。 失礼ながら、こんなに芸力のある役者さんとは想わなかったです。
そんな主任さんが、果たしてヤル気オトコ(?)へと目覚めるかが見所!
この人で持っている映画と想います。
小林薫さんに哀れダブルブッキングされてしまう二つの女声合唱団は、片や働く庶民のオバサンたち、もう一方はセレブな奥さまたちと、メンバー構成をハッキリ描き別けていて判りやすいのです。
庶民派合唱団の美人リーダーは安田成美さん。
実は私、その(ある意味)笑顔の貼り付いたようなマスクがあんまり得意ではないのですよ。 とはいえ、この人が主任と絡んでしでかすワルダクミの顛末では、そのキャラが見事に生かされていて、この映画きっての見せ場と感じました。
ダブルブッキングされた二つの合唱団が、見事コンサートを成功させるまでを描いた映画ですけれど、生憎合唱のシーンはさほど印象に残りません。 撮影上、あんまり手間を掛けずに済ませちゃったって感じです。
中でもコンサートのシーンは余程物足らなくて、その直前の、ステージ改造のエピソードなど設ける替わりに、演奏シーンをもっともっと工夫すれば好かったのにと、合唱好きの私としては残念に想います。 折角の、合唱を素材にした映画なんだからサ。
大晦日の夜(!)のコンサートの大詰めに、二つの女声合唱団により演奏されるのが、ベートーヴェンの交響曲第九番、その終楽章「歓喜の歌」。
でも、そのシーンの音声を吹き替えで済ましたのはまだ許せるとしても、女声合唱+ピアノ伴奏の画像に、混声合唱+オーケストラの音声をかぶせていたのはあんまりだなァ・・・・肝心のクライマックスというのに、付いて行くことが出来ませんでした。
これは、あるいは女声合唱+ピアノ伴奏では(知らない方には)第九の第四楽章と判って貰えないと懸念してのことかもしれませんね。 因みにこの「歓喜の歌」の演奏シーン中、私の条件反射は一切発動しませんでした。 ハイ。
この映画の劇中奏でられる合唱については、合唱愛/合唱へのリスペクトがまずは足りない気がします。
まあ、私が「らんちゅう」って一体何処がイイの?って想ってしまうのと同じ程度に、合唱って一体何処が・・・・ってのが、製作者の合唱感なのかもしれません。
それからストーリーの性格上、クレームを付けたり付けられたりのシーンが幾つもあるんですけれど、中にはけっこう殺伐と感じる場面もあって、そんなのは見ていて決して気分の好いものではなかったですねえ。 険ばかり感じてしまって、見てて嫌ンなる。
オレってどこまでもキレイごとが好きなのか・・・・


Recent Comments