February 21, 2021

映画:風が強く吹いている

  
 
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風が強く吹いている
Feel the Wind
 
 
監督、脚本:大森寿美男
原作:三浦しをん 「風が強く吹いている」(2006年)
音楽:千住明
出演:小出恵介(10区 ハイジ)
   林遣都 ( 9区 カケル)
   森廉  ( 6区 ユキ)
   中村優一( 1区 王子)
   内野謙太( 8区 キング)
   ダンテ・カーヴァー
       ( 2区 ムサ)
   橋本淳 ( 5区 神童)
   川村陽介( 7区 ニコチャン)
   斉藤慶太( 3区 ジョータ)
   斉藤祥太( 4区 ジョージ)



            2009年   松竹


 
今年、2021年の箱根駅伝ではマサカの大逆転劇が演じられましたね。
一月二日の往路は、有望視されていた青山学院大学がマサカの失速を来たす一方で、創価大学が大健闘。
三日の復路では、その創価を追い上げる駒澤大学が10区に至って劇的な逆転。 そして優勝。

私は、二日の往路こそお終いまで観ていましたけれど、三日の復路は(忙しくって)完全に見逃しました。(地域のお仕事あれこれに追われて、すっかり忘れていたんです orz)
一番イイところ、それも滅多に無いような(それこそ十年に一度レベルの)名場面を見逃してしまったわけですね。 ホント、馬鹿な見方したよなぁ。^_^;
        ▽▲▽▲▽▲

※ 寛政大学の新一年生、カケルは(ワケあって)重度の金欠。
独りで(内気で不器用な性格もあいまって)困り果てているところを、四年生のハイジに声を掛けられ、オンボロ学生下宿「竹青荘」に連れて来られます。

あちこち老朽化が酷いものの、居心地好く、学生がなにをやっても怒られない(床を踏み抜いても w、煙突みたいに煙草吸っても (>_<)、床が抜けそうになる程漫画を持ち込んでも ^_^;)、しかも栄養満点の賄い付きという好条件のアオタケ(竹青荘のことを、住人たちはこう呼びます)に住まいも定まり、これでカケルも一安心です。(^ァ^)
しかし、世の中タダより高いものは無いワケで・・・・(笑)

        ▽▲▽▲▽▲

そのアオタケの住人らは、いずれもクセのある、そして健康この上ない九人の男子学生。
皆、部/サークル活動などとは縁もなく、それぞれに学生生活をエンジョイしていました。

先住の八人の学生らに、新入りのハイジを引き合わせて、これで十人になったと(何故か ^_^;)妙に嬉しそうなハイジ。

アオタケってのは(学生下宿と言うのは世を欺く仮の姿で)実は寛政大学陸上部の合宿所だったのです。(爆)

カケルは高校時代(とある事件で挫折するまでは)陸上部で長距離に取り組み、将来を嘱望されたランナーでした。
ハイジがカケルをアオタケへと誘ったのは、その人並外れた、驚異的な脚力を見込んでのことです。

それにしても、若い奴らが10人集まっての下宿暮らしなんて、そりゃもう愉しいに決まってますよ。(笑)
その夜、アオタケの一室で催されたカケルの歓迎会の席上で、ハイジは立ち上がり、そしてこう宣言しました。


  「オレたち十人で箱根を目指す!」


        ▽▲▽▲▽▲

それにしても、三浦しをん の原作「風が強く吹いている」(2006年)。
あの、箱根駅伝がテーマのスポ根・・・・と言うより、いっそファンタジーと言って好いくらいの、大胆な展開をみせたお話しを、よくぞここまで忠実にドラマ化してくれたもんです。

なにしろ登場人物が大勢(寛政大学の陸上部員だけでも十名)に渡りますし、主要キャストのひとりひとりに異なる個性を発揮させ、またそれぞれの見せ場もありまして、これは実写映画として構成する上で、さぞかし難しかったのでは? なんて、いろいろと想っちゃいます。(^ァ^)

        ▽▲▽▲▽▲

箱根駅伝に出ようだなんて、はじめは冗談としか取れなかったアオタケの面々ですが。
しかしハイジは本気でした。 そして、それを実現させる為の精緻な計画も立案済みです。
でも、カケルにだけは判っていました。 それが、実際はどんなに険しく困難な道かってことが。

        ▽▲▽▲▽▲

箱根駅伝をテーマとする映画だけあって、ランニングのシーンは見事(いささかも手を抜かず)に撮られています。
中でもカケル役・林遣都の走る姿のキレイな事といったら!
これだけでも、この映画を見る価値があると想う。
小出恵介演じるチームのリーダー・ハイジも好かったし。

それまで走ることにはまるで関心の無かった(カケル、ハイジを除いた)面々が、やがて、ハイジの巧みなリード/指導を得てどんどん(そこは、皆若いですし (^ァ^))変わってゆきます。
ランナーとして、短期間の内に飛躍的な成長を遂げる彼らでした。

そして予選会に勝ち抜き、遂に箱根駅伝への出場権を獲得する寛政大学陸上部!

        ▽▲▽▲▽▲

そして映画の後半は、まるまる箱根駅伝のシーンで占められます。 こりゃ、大変なモンですよ。(笑)

それにしても、よくぞ我が国でこれだけの規模の映画を撮ったよナァ?! なんて、ワタシャひたすら感心しました。w

中でも、駅伝のコースを俯瞰してゆくシーンなど、沿道で応援する観客として大勢のモブを投入。 よくこれだけ集められたモンです。 流石は駅伝の国、日本。(笑)

        ▽▲▽▲▽▲

長距離走の経験など皆無のシロウト集団(カケル・ハイジを除いて)が、箱根駅伝に出場するってぇ?! (@_@)

これって無論、スポ根漫画でしかありえないようなトンデモ展開、ファンタジーです。
これがアニメならば、まだしも上手くゆくカナって気もしますけれど、でもこれは実写映画。 そこにはそれ相応の、確かな説得力が要求されます。

ではこの、現実ではありえないお話しに、如何にして説得力を持たせるか?
この映画は、”走りのシーンに拘ること” でその難題を実現させました。

若い十人の役者たちは、とにかく走ります。 走って走って走りまくって、ランナーに成り切ります。

        ▽▲▽▲▽▲

そして、駅伝シーンは特にリアルに徹しました。

なにしろ、映画を見る我々(の多く)は、毎年正月にテレビで箱根駅伝を観戦しており、こと駅伝に関しては眼が肥えていますからね。(笑)
ちょっとしたアラでもあろうもんなら、たちまち見付けてしまいます。

寛政大学の十人はもとより、他大学の陸上部員、大会の関係者、更には取材の車両、そして、なんといってもコース沿いを埋め尽くす観衆まで、実際の箱根と同様です。

こうして、お正月の(テレビで見る)駅伝中継と寸分違わぬものにすることで、映画の説得力が際立ちます。
 
 

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伝統の箱根駅伝。
新参 & 弱小・寛政大学陸上部の奮戦振りを通じて(テレビ中継などでは観られない)その舞台裏の様子も垣間見え来て、なかなか興味深かったです。

なにしろ部員が十名しかいない寛政大学です。
ランナーのサポートをするメンバーが絶対的に足りません。

なので、往路を走り終えた選手は、即座に移動して今度は自分がサポートに回らねばなりませんでした。
正月二日の箱根に向かう初詣客に混じって、電車移動する陸上部員たち。(笑)
経験・人材・ノウハウ・お金・時間。 なにもかもが圧倒的に不足しており、ギリギリのところで戦わねばならない寛政大学。
学生たちの行動の細かな描写が、そのまま緊迫感につながります。

        ▽▲▽▲▽▲

体力不足からチームのブレーキとなりがちの王子。
彼を描くパートが意外と(!)良かったですね。

趣味の漫画ならば、一日中でも読んでいたい彼です。
でも、走るのは好きじゃなかった。(>_<)
それでも、キツイ練習に耐えてここまでやって来た王子。

彼って(我々のような)一般人の代表ですね。
学生の頃やらされ、苦しかった長距離を思い起こさせる(作品中での)役割だったんだってことに、今頃になって気が付きました。(こんなこと、原作を読んだ際には想いもしませんでしたけれど ^_^;)

        ▽▲▽▲▽▲

でも、バカな双子(ジョータ、ジョージ)のブレーキ描写 w。 アレはまったく不要だと想うんだよね。(笑)

        ▽▲▽▲▽▲
  
カケル(林遣都)。
この映画は(陸上部の他のランナーもそうだけれど)とりわけカケルの疾駆する姿が素晴らしく綺麗で、ひたすら見とれてました。

なんたって、その走るフォームの美しいこと!
彼が天才長距離ランナーって設定も、なるほど、これならばピッタリ来ます。
筋肉は嘘をつかないですね。(^ァ^)
 
        ▽▲▽▲▽▲
  
そしてハイジ(小出恵介)。
高校時代は陸上部のエースだったが、ワケあって引退した男。
そして今、不可能を実現させた男。

終始一貫して熱く、しかし怒らず・威張らず・嫌味なく。
シロウト集団を巧みに指導して、ついに箱根へ連れてゆくという、極めて頼もしいキャラです。
絶妙な按配で態度がデカイ(笑)ってのも好いね。

但し、レース終盤での大ブレーキ(寛政大、なにかとブレーキの多いチームです ^_^;)はちょっとね。(>_<)
ゴール目前で(観ているコッチまで)気が急いている場面だけに、ジレッタクなって共感する余裕も無くなっちゃった。orz

(ここに限らず)ブレーキ場面(?)に関しては、あるいは原作を無視しても好かったのでは? ^_^; なんて想いました。
 
  
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人気の無い土手道を、独り黙々と走る青年の姿。

そんな、走ることの原点から、緊迫した駅伝シーンまで。
華やかな場面ばかりと限らず、地道に努力する姿までをしっかりと描いていたのが好かったです。

箱根駅伝を真正面から描いたこの映画。
(まぁ、拙いところもあったけれど ^_^;)総じてとっても好かったです。
これから箱根駅伝の中継を見るたび、彼らのことをも思い出す事でしょう。(^ァ^)
 
 

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February 14, 2021

映画:ゴジラ対メカゴジラ

 
 
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ゴジラ対メカゴジラ
Godzilla vs the Cosmic Monster
哥吉拉對機械哥吉拉
 
 
監督:福田純 (本編)
   中野昭慶(特撮)
音楽:佐藤勝
主題歌:「ミヤラビの祈り」
      ベルベラ・リーン(鄭秀英)
出演:大門正明
   田島令子
   岸田森
   平田昭彦
   小泉博
   睦五郎
   草野大悟
 
 
 
    1974年  東宝
 
 
 
昭和と共に歩んで来たこのシリーズも第十四作目。
そしてまた、この映画はゴジラ誕生二十周年を記念する一本でもあります。

戦後、沖縄が日本に返還されたのが1972年(昭和四十七年)。
沖縄海洋博(沖縄国際海洋博覧会)の開催が1975年(昭和五十年)のこと。
沖縄県が一際注目を浴びた時代でした。

そして海洋博の前年、1974年(昭和四十九年)に公開されたのが、この「ゴジラ対メカゴジラ」です。

        ▽▲▽▲▽▲

※ 映画は海洋博を間近に控えた沖縄本島が舞台。
その会場建設現場近くの玉泉洞(実在する鍾乳洞)から見付かった奇妙な(地球のものではない)金属片から、お話しは始まります。


が、これがどうにも無理/無駄の多いストーリーでしてねぇ。(^^ゞ
ワタクシ、もうちょっと脚本を整理してから撮影に入った方がヨカッタんじゃないの? なんて想っちゃいました。(笑)

登場人物もしかりで、元々が極少ないキャストで廻している映画だけれど、それでも、まだまだ無理/無駄が散見されます。
こちらも、もう少々刈り込んだ方が・・・・^_^;

        ▽▲▽▲▽▲

そんなキャスト陣ですけれど、主人公役には(ここ何作かのゴジラ映画と同様に)若手を積極起用。
その一方で、脇役に平田昭彦・小泉博・佐原健など、東宝特撮映画に欠かせぬ(毎度お馴染みの (^ァ^))ベテラン陣を復活させています。

彼らが帰って来た。 それだけで、なんかウレシイ俺です。(^ァ^)
そこに岸田森も加わって、こりゃ中々の座組みじゃないですか!

今回、ヒロインを務めますは田島令子。
説得力ある語り口/声音が印象的でした。
声優としても活躍されていたのだそうで、ナルホドの美声です。

そして(宇宙から来た)悪の首魁役に睦五郎。
数々のドラマで悪役を演じて来た他、この方も声優として洋画の吹き替え(デビッド・ジャンセンなどの)をされていたそうで。
それも納得の、渋く魅力的なボイスでした。

この他、草野大悟も昭和の邦画でよく見掛ける顔です。
この映画のキャスティング、ホント愉しいなぁ。(^ァ^)

音楽は佐藤勝。
明るくエネルギッシュな(如何にも昭和って調子の)テーマと、それとは対照的に悠然とした沖縄風の音楽もあって。 とにかく気が利いてます。w

        ▽▲▽▲▽▲

映画の中で東京~那覇間を往復するジェット旅客機の他、本土と沖縄を結ぶフェリー航路も紹介され、さながら沖縄観光案内の感があります。(笑)

旅客機やフェリー船内、本土と沖縄での、アクション/スパイ映画を髣髴とさせるスリリングな展開。w
いや、生憎とこれが雰囲気だけ、髣髴とさせるのみに留まってるんですけれど。(^^ゞ

        ▽▲▽▲▽▲

さて、この映画がデビューとなります、ご存知メカゴジラ!

そもそもゴジラと言えば、もう最強の怪獣。 天下無敵なワケです。
そこで、どの怪獣でも倒せないんだったら、いっそゴジラとそっくり同じ力を持つロボットを作って、これと戦わせれば良いじゃないかって発想が現れました。
お~! なんて素ン晴らしいプロットでしょう。(笑)

この映画の公開後も、同じプロットの下(敵に味方にと、立場を替えつつ)次々とメカゴジラものが造られたのもナットクです。

その一方、ゴジラの側からみれば(図らずも)もう一人の自分と対峙し、決闘することになるわけです。
これって、ドラマとして極めて魅力的なカタチと想うわけなんですけれど。^_^;

でも、そんな場面で当然(!)描いておかねばならない要素。
自分と生き写し(まぁ、相手は機械なんですけど(爆))のナニモノかと相対してしまった折りの逡巡。
(自身と)同じ姿を持つ者と対峙させられ、決闘しなければならない運命への戸惑いなどが、この映画では決して描かれません。
私としてはココが不満。^_^;

だって、自分自身と瓜二つ(って言い切るには、いささか無理がありますけれど (^^ゞ)のメカを相手に闘うんですよ?!
それに、如何に怪獣って言っても、これまでの映画で数々の頭脳プレー/したたかな戦術を我々に見せてきたゴジラ。 決しておバカさんじゃないんです。w

この期に及んで特段(怪獣的に w)動じるでもなく、迷わずメカゴジラ相手の怪獣プロレスに興じるってのはどうなのよ?(>_<)
なんて、ちと残念に想いました。

ともあれ、このテーマ(孤高の怪獣と、そのコピーとの対峙)は、これ以降のメカゴジラ作品へと持ち越されます。

        ▽▲▽▲▽▲

そんなメカゴジラ。
アタマから身体から、そして両手両足まで、もう全身に飛び道具を仕込んでいるという剣呑極まりないヤツでした。

「ゴジラ対ガイガン」の時のガイガンは、恐ろしげな(やたらと派手な)刃物を身につけていましたけれど、こちらメカゴジラは光線やミサイルなんかの飛び道具が主体です。

こういった、特撮映画における光線/ミサイルの乱れ撃ち w。
この後、映画における光学/特撮技術の進化とともに(回を重ねる毎に)どんどん派手に、そして豪華絢爛に w なってゆきます。

その極彩色がスクリーンに映えて、これはこれで見事! とっても綺麗なんだけれど、でも、私としては肉弾戦、格闘の方が好きだなぁ。

        ▽▲▽▲▽▲

古代琉球王朝、アズミ王族に伝わる守り神キングシーサー。
沖縄の伝統的家屋の屋根や門扉に飾られている、あのシーサー像を怪獣化したものなのだそうで。
本作ではこれの登場がひとつのクライマックスになります。
本土復帰直後の沖縄が舞台ってことで、実にイイところを突いてきたモンと想います。

また、この守り神に託して、ウチナンチューの本土に対する複雑な感情にもチラッと触れています。


古老:「・・・・本土にゴジラが現れたぞ!
    ゴジラを倒せるものはキングシーサーだけじゃ。
    が、その謎は誰にも解けるものか!
    ゴジラよ!
    アズミ王族を滅ぼそうとしたヤマトンチユーを、
    儂に代わってやっつけろ!
    ゴジラよ!」


ちなみに本作、沖縄で大怪獣がどんなに暴れまくろうと、自衛隊はおろか米軍も一向に迎撃に現れないんですけれど、これも沖縄返還直後って事情をいろいろと配慮した結果らしいですね。

        ▽▲▽▲▽▲

伝説の怪獣キングシーサーを現代に蘇らせようとする主人公らと、そうはさせじと暗躍する宇宙人との攻防が、映画序盤~中盤のテーマになります。

そして遂に、やっとのこと(主人公ら、頑張りました w )で覚醒するキングシーサー!
地元沖縄の守り神として矢鱈と(必要以上に w)もったいぶって現れます。(笑)
そして(ゴジラと共闘して)メカゴジラ相手に死闘を繰り広げるんですけれど。 でも、イザ登場してみたら、それほどは(期待したほどは)強くなかったですね。^_^;
対メカゴジラ戦の決定打とまでは至らなかった。orz

この、実はそれほど強くもありませんでした w って展開。
キングシーサーはあくまで沖縄の守り神。 すなわち、専守防衛に徹した怪獣(笑)って考えたら、沖縄のフクザツな立ち位置を象徴しているかのよう思えて来ました。
ワタクシ、今やこの(決して強くはない ^_^;)怪獣を応援してやりたい気持ちになっています。w

例えば、キングシーサー = 沖縄として、ゴジラ = 日本、そしてメカゴジラ = 米軍なんて具合に考えたら・・・・(@_@)

        ▽▲▽▲▽▲

この映画の宇宙人って、猿みたいな格好をして現れます。 宇宙猿人。 
って言うか、これはもう、どう見てもおサルさんでしょう。w

当時、米SF映画の名作「猿の惑星」が、1968年の公開ながら未だ人気を保っており、その後(70年・71年・72年・73年と)次々に続編が公開された時期でした。(翌75年にはテレビドラマ版も放送されています)

日本でも丁度テレビで「猿の軍団」(1974年)ってSF特撮ドラマをやっていたし、特撮ヒーローもので「宇宙猿人ゴリ」(1971年)ってのがありました。

時代の空気を敏感に感じ取って、流行を巧みに取り入れてゆくゴジラ映画です。

        ▽▲▽▲▽▲

なにしろ内容が盛り沢山過ぎ(!)て、イマイチまとまらないとはいえ、この後連綿と続くことになるメカゴジラ映画(?!)の、これが嚆矢となる本作。

明るくエネルギッシュな昭和テイストに、沖縄風味もたっぷりで、なかなか愉しい一本でした。
 
 

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January 15, 2021

映画:わんわん物語

  
 
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わんわん物語
Lady and the Tramp
 
 
監督:ウィルフレッド・ジャクソン
   ハミルトン・ラスク
   クライド・ジェロニミ
音楽:オリヴァー・ウォーレス
主題歌:「ベラ・ノッテ」  Bella Notte
    「ララルー」  La La Lu
 
 
 
        1955年   米国・ディズニー
 
 
 
米国・第45代大統領ドナルド・トランプの任期が、間もなく終わろうとしています。
だからってワケでもないんですれど(笑)、ディズニー往年の名作漫画映画「わんわん物語」(Lady and the Tramp)です。

実は私、この世にも有名なディズニー作品を、子供の頃とうとう一度も見ていなくてですね。
雑誌とか絵本や何かで、幾つかカット画を目にしたことがあるくらい。

なのでこの作品、ワタクシの中では長らく ”犬が二匹仲良くスパゲッティを食べる (^ε^) ” ディズニーの漫画映画として認識していました。(笑)

        ▽▲▽▲▽▲

深窓の令嬢が風来坊と出会い、恋と冒険が始まる。
ありがちなお話しを、ワンコの世界に置き換えた本作。
とっても判りやすい設定がグーですね。(^ァ^)

可愛いいキャラクター(なんたってディズニーです!)と、もう素ン晴らしく綺麗な背景。(@_@)
なにより、緻密に造り込まれた動画、その自然な動きに圧倒されます!
今風に言えば、”ぬるぬる動く” ってやつ。(笑)
手間隙を惜しまず描かれた、手書きアニメの贅沢さを満喫しました。

それから音楽。 この映画は何より音楽が素敵なんですよね!
隅々まで生き生きとしていて、本当にお見事。
なにより、画面とオーケストラの奏でる音楽とが絶妙にシンクロしているのに驚かされます。

しかも、歌はどれもこれも名曲揃い! 本当に愉しかったです。
甘く切ない「ベラ・ノッテ」や、優し~~~い「ララルー」とか、もう聴いていて蕩けそうになるよ。 (映画を見たことが無かった私も、昔から、これら主題歌だけは聞き知っていましたし)

ホント、見事な出来映えの漫画映画です。
50年代黄金期のディズニー映画って、やっぱ凄ぇや。(^ァ^)

        ▽▲▽▲▽▲

レディは血統書付きのコッカー・スパニエル。
お屋敷で何不自由なく育てられたお嬢様です。

一方、雑種のトランプは天涯孤独の野良犬でした。
決まったねぐらを持たず、餌にありつけるかどうかは己の才覚次第。^_^;
でも、その日暮らしの生き方に何ひとつ不満はありませんし、野良犬としての処世術にもたけています。
保健所の捕獲員を煙に巻くなんてお手の物だし、犬同士のケンカ(ドッグファイト!)は無敵。
愛嬌のふり撒きぶりも抜け目無く(笑)街の食堂の店主らは、残らずイイお友達です。
  

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世間知らずのお嬢さま、レディ。

ある日、お屋敷で散々な目に遭ってしまい、外に出て独り途方に暮れているところをトランプに助けられます。

それから、二匹はデート。(^ァ^)
この漫画映画で、最も美しい時間です。
ホントこのシーン、いつまでも見ていたくなるよ。

野良犬トランプの説く、人間に飼われない生き方。
自由の素晴らしさ、そして冒険の日々・・・・
街の夜景に(ウットリと (^^))見入りながら、その話しに聴き入るレディ。

なんなら、ここから二匹が旅に出る。
それこそ恋と冒険のストーリーが始まっても、少しもおかしくは無いところですけれど。(笑)

ですがトランプ君、あっさりとレディさんの(やっぱりお屋敷が良いんだって ^_^;)主張に同調しちゃうんですよね。orz

君と一緒なら、人間どもに飼われてやるのも良いかナってかぁ? (@_@)

このシーン、見ているこちら(大人になっちまったオレ σ^_^;)が、ちょっと気拙くなる瞬間ではありました。(^^ゞ

        ▽▲▽▲▽▲

さてさて、世慣れないレディが野犬捕獲員に捕まってしまい、保健所の捕獲犬用ケージに放り込まれる辺りから、お話しは一転してシビアな方向に。(^^ゞ

そこには、レディと同様、捕獲員に捕らわれてしまった野良犬たちが居ました。
犬たちは皆、気の好い愉快な連中ばかり。
それぞれを紹介する下りは、とっても愉しいんですけれど・・・・
やがて、このケージの中の犬はいずれ処分される運命にあることが示唆されます。(-_-;)

でも、レディの首輪には、かつて飼い主のくれた鑑札(犬界のステータスです! (^ァ^) )がぶら下がっていました。

登場する犬たち一匹一匹が個性的で、お話しにグッと奥行きが出たとも言えますけれど。
それにしても、過酷に過ぎる犬たちの運命。(>_<)
とはいえ、このテーマをあんまり膨らましちゃったら、小さなお友達にとって、難し過ぎる映画になってしまいそうですね。(^^ゞ

        ▽▲▽▲▽▲

冒険の末、晴れて結ばれるレディとトランプ。
トランプも、レディと共にお屋敷に飼われることになって大団円です。
好かった、好かった。(^ァ^)

いやいや、ちょっと待ってよ!(-_-メ)
メンドクサイ大人になっちまった視聴者(オレ σ^_^; のことです)からすると、このラスト。
つまり、お屋敷の飼い犬に納まっちまって(しかも室内飼い w)満足気なトランプの姿って、流石に気まずいものがあるんですが。^_^;

まァ細かいところまで突っ込むなってところでしょうか。 漫画映画だしネ。(^^ゞ

それにつけてもこの映画の音楽、何度聴いても本当に素晴らしいです。(^ァ^)
  
    

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January 11, 2021

映画:ハートブレイク・リッジ

 
 
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ハートブレイク・リッジ  勝利の戦場
Heartbreak Ridge
 
 
監督、主演:クリント・イーストウッド
 
 
     1986年   アメリカ
 
 
俳優 = 自分以外の誰かを演じる専門家 と言えども、加齢に伴い、その役柄は変化してゆくものです。
アクションスターが、そのキャリアの果てに必ず対峙しなければならない難題!
初老の男の抱く「もうオレも若くないのか」的な感懐を、1930年生まれのイーストウッドが(役作りで誤魔化したりせず w)真正面から表現して見せた一本です。

 

   <<<< 以下は若干のネタバレを含みます (^ァ^) >>>>

 

米海兵隊のハイウェイ軍曹(クリント・イーストウッド)。
朝鮮戦争からの歴戦の勇士、泣く子も黙る鬼軍曹です!

だがしかし、平時にあってはまるで役に立たない男でした。
ソリの合わない上官に対しては平然と反抗!
飲んで・暴れて・逮捕されるまでがワンセットという厄介者でもあります。
奥さんは? とうに逃げられてますって。w

が、そうは言っても、朝鮮戦争での抜群の功績で名誉勲章(米軍で最も尊敬される勲章)まで受けた英雄です。
あれこれと、やらかしまくりの彼ですが、米海兵隊も無碍には扱えません。w

        ▽▲▽▲▽▲

そんな彼が古巣へと転属。
若い頃所属していた部隊に戻ったところから、この映画は始まります。(さしもの海兵隊も、問題爺イーストウッドの扱いには、ほとほと困り果てたと見えます w)

ここで彼は(朝鮮戦争以来の)旧い戦友や、馴染みの酒場の老女将らと再会。
歴戦のつわものには、胸襟を開いて、本音を語り合うことの出来る旧友が居るものなのです。

生涯を米海兵隊に捧げてきた者達。
中でも、イーストウッドらの世代は朝鮮戦争で引き分け、ベトナム戦争では敗北したという負い目を抱えています。
心身に負った、若い日の傷跡は(そういえばイーストウッドの額にも、やけに目立つ裂傷が (>_<))決して癒えることがありません。
そして、映画の当時は東西の冷戦中・・・・

        ▽▲▽▲▽▲

イーストウッドは偵察小隊の軍曹です。
平時にあっては、ぶったるんだ w 若い兵卒らを、日々鍛え上げるのが役目。

古参下士官が今時の、気風・価値観のまるで異なる若い兵を指導する。
そこは若者のことですから、当たり前に反発するワケですけれど、古参兵の方だって、それぞれに問題や、悲しい過去を抱えて生きているものです。

それにしてもイーストウッドって、こういう鬼軍曹役が似合いますね。(少しばかり、声量には欠けるけれども (^^ゞ)

イーストウッド流の激しい(やり過ぎ、とも言えます w)訓練は、次第に若者たちを鍛え上げてゆきます。
当初はそのハードな内容に拒否反応を示した若い兵らも、やがて(硬軟を織り交ぜた w)彼のやり方を理解し、モチベーションを得て訓練に励むのでした。

イーストウッド直属の上官にあたる若い士官など、当初は後方に居て事務の仕事に専念していたのが、この古参軍曹に影響され、やがて現場大好きに。w

ここいらの見せ方の巧みさ、クールさ、そして時折り挟まれるコメディ。
初老に達した下士官の孤独感/悲哀まで含めて、流石はクリント・イーストウッド。
実に面白かったです。(^ァ^)

        ▽▲▽▲▽▲

あれほどダラシナかったイーストウッドの部隊が、猛訓練を経てどうにか(兵として)仕上がって来た頃。

好事魔多し。
カリブ海に浮かぶ小さな島国、グレナダ でクーデターが勃発します!

米国はこれに介入。(1983年のグレナダ侵攻)
イーストウッドらの部隊には、グレナダ 在住の米国人を保護すべく出動命令が下りました。

        ▽▲▽▲▽▲

ノースカロライナ州のキャンプ地で訓練に明け暮れていた彼らにとって、まさかの実戦投入です。

敵地に潜入して皆を率いるイーストウッドは、部隊中で唯一の戦場経験者です。
最初の銃撃戦で敵を征したのも彼でした。
初めて眼にする敵の死体にドン引きする一同。(なにしろ彼以外、誰ひとり人を撃ったことがありません)
それでも、自分の教育した部隊を信じる彼は、迷わず奥へ奥へと進みます。

そして、更に幾つかの戦闘/撃ち合いを経て、やがて頃合も良しと見て取ったイーストウッド。
(前に出て直接)戦うことは若い士官や兵卒らに任せ、自らは後方から眺めているだけに。

若い頃に出演したアクション映画ならば、自ら先頭に立って活躍するような場面で、今は一歩引いたところから、若い奴らの働きを見守る彼でした。 それも、満足げな表情で。w
この流れが実にヨカッタ。

ありがちな展開でしょうけれど、それを初老に達したイーストウッドがやるとなると、これが実に絵になるんですね。(^ァ^)
そして、見ていて感無量となる名場面でした。

        ▽▲▽▲▽▲

お終いも、あっさりとして秀逸。
なんと言うか、潔さを感じさせられるラストでした。

戦争に勝ち、基地に帰って来ても、単純な アメリカ万歳! にはしようとしないイーストウッド映画。
軍楽隊の奏でる「星条旗よ永遠なれ」からさえ、なにやらアイロニーめいたものを感じました。
 
 

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January 04, 2021

映画:ロッキー

 
  
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ロッキー
Rocky
 
 
監督:ジョン・G・アヴィルドセン
脚本:シルヴェスター・スタローン
音楽:ビル・コンティ
出演:シルヴェスター・スタローン(ロッキー)
   タリア・シャイア     (エイドリアン)
   バート・ヤング      (ポーリー)
   バージェス・メレディス  (ミッキー)
   カール・ウェザース    (アポロ)
 
 
      1976年    アメリカ
 
 
映画「ロッキー」が日本で公開されたのは昭和五十二年( 1977年)のこと。
オレ? もちろん観にいきましたよ~。 静岡の映画館でした。

当時、高2。 また随分と多感な時期に鑑賞したモンです。(^ァ^)
思えばあの時初めて、映画館で大きな感動を味わうってことを体験したんですよね。

今回は、あの時以来の再見。
四十数年ぶりですよ。(オッソロシイことに w)

        ▽▲▽▲▽▲

もう土蔵かってくらいに薄暗い、しかし熱狂と怒号の飛び交う場末のボクシング場から、この物語りは始まります。
リング上でボコボコの殴り合いを演じているのがロッキー(シルヴェスター・スタローン)。
そこそこ強いが、目立つ戦績も無い三流のボクサーです。

そのファイトマネーはおっそろしく安く、とてもじゃないけれど、ボクシングだけでは喰っていけません。
で、試合の無い時は借金の取立て屋などやってしのいでいる毎日。
地元ギャングのボスに(コワイものなしのこの男が)膝を屈して(貧乏人が貧乏人から、金を取り立てる (>_<))仕事を貰っています。

そんな男ですけれど、細かいことは気に掛けない(まぁ、表立ってはネ (^^ゞ)ざっかけない性格で、この界隈の(社会の底辺に棲む)住人やアウトローなんかの間では、妙な人気があります。

彼が目下気になっているのがエイドリアン(タリア・シャイア)の存在です。
悪友ポーリー(バート・ヤング)の妹で(兄とは対照的に)おっそろしく無口でうつむき加減の女。(今風に言えばコミュ障ですね (^^ゞ)

妹の行く末を心配するポーリーの口添えもあって、なんとか(この二人らしく不器用に w)お付き合いが始まります。 ヤッタね、ロッキー。(^ァ^)

でも、仕事の方は相変わらず不安定な無名ボクサー兼取立て屋だし、飽きっぽいポーリーは今の仕事(精肉業)を止めて、地元ギャングの子分に転職したがるしで、ホントに困ったもんです。(>_<)

そんなある日、ロッキーの元に思い掛けないオファーが!
底辺ボクサーの彼から見れば雲の上の人。 チャンピオンのアポロ・クリード(カール・ウェザース)から、世界ヘビー級タイトルマッチに挑戦しないかと誘われるのですが・・・・

        ▽▲▽▲▽▲

久々に見返してみて、やっぱり良い映画でした。(当たり前の感想ですけれど w)

無名の三流ボクサーが、突然チャンピオンと戦うことになり(大健闘して)一躍時の人に!
っていうシンデレラ・ストーリーは、実際の俳優シルヴェスター・スタローンの境遇(無名の俳優から、これ一本でスターに)と重なって、公開当時にそのことが大きな話題になりましたよね。(だんだんと、思い出してきました w)
  
 
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でも今回、この歳になって見直してみて、初めて気がついたことも幾つかあります。

このお話し、ロッキーひとりのみならず、その廻りの人々も含んだ群像激になっていました。
つまり、ロッキー周辺の(貧しく無名な)人々と、アポロの周囲に群がるセレブ達を、ハッキリ対比して描いているんですね。

エイドリアンは、このままでは適齢期を逃そうかというコミュ症の女。

そのエイドリアンの兄にしてロッキーの悪友ポーリーは、もう徹底したダメ男。(^^ゞ でも、ロッキーはそんなポーリーを見捨はしない。

元チャンプの老トレーナー、ミッキーは自らの過去の栄光とルサンチマンに囚われ、一旦はロッキーをも見放した男。

意外なところで男気を発揮して見せる、地元ギャングのボス。

街の住民。

そして街角にたむろする不良少年/少女たち、などなど。

中でも、ロッキーが不良(に墜ちかけた)少女の世話を焼くシーンは、今回改めて見直して、あれって少女を諭している態で、実はダメな自分自身に向けて語って(叱咤激励して)いるのだと判りました。(今頃かよ (^^ゞ) まぁ、歳取って気付くことだってあります。(笑)

エイドリアン(タリア・シャイア)が、全然アメリカ映画のヒロインらしくないんですね。
(だからこそ、ラストシーンで見る者を深く感動させるんですが)
よくぞ、あういうネガティブなキャラを造ったモンです。 って、そこにも驚いた。(今頃になって w)

その他、生卵とか最後の「エイドリア~ン!」とか、どれも記憶に残っていたまんまでした。
なんか、ウレシイ。(笑)

        ▽▲▽▲▽▲

あの頃、ロッキーの特訓シーンに感化されて(そこは男子高校生のことで w)自分でも(見よう見真似の)トレーニングを始めた友人が居ましたっけ。(笑)

何十年かを経て見直してもなお、あのラストは感動しますね。
けだし、名作中の名作です。
 
 

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January 03, 2021

映画:ゴジラ対メガロ

 
 
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ゴジラ対メガロ
Godzilla vs. Megalon
 
 
監督:福田純 (本編)
   中野昭慶(特撮)
出演:佐々木勝彦
   林ゆたか
   川瀬裕之(子役)
 
 
     1973年   東宝
 
 
お正月らしく怪獣映画でも。(^ァ^)
ある意味、問題作(!)とでも言うべきシリーズ第十三作目です。

主役のゴジラは、この時代の作品らしくお目々パッチリ型のマスクで、ワタクシ、今作に関して言えば結構カワイイって感じてます。(笑)

        ▽▲▽▲▽▲

一方、対戦相手 w のメガロは昆虫をモチーフにしたと思しき怪獣です。

虫なら虫で、悪かぁないんだけれど、でも(カブトとかクワガタとか)もっと子供たちに人気の出そうな昆虫だってあるでしょうが?w

メガロって、なんかこう、地味ぃ~で、クラ~くて、そして、どこか湿っぽい「ムシ」に仕上がってるんですよね~。(>_<)
藪とか溝の中でも這ってそうな。(^^ゞ

        ▽▲▽▲▽▲

さて、今作で重要な役どころを務めますジェットジャガー。(^ァ^)

佐々木勝彦 が造った正義のロボットなんだそうですけれど。
これ、どう見てもテレビの特撮ヒーローものの真似ですよ。w
と言うか、完全に東宝版ウルトラマンでしょ。
当時のトレンドに乗っかってやろうという目論見が見え見えだって。^_^;

時に、七十年代前半。
当時は(テレビを中心に)特撮ヒーローブームの真っ只中でした。
(ウルトラマン・シリーズで言うと「ウルトラマンタロウ」の放送された年になります)

そこで、ゴジラ映画にもウルトラマンのような人型のヒーローを出して、人気のてこ入れを図りますかって(止せば良いのに (>_<))なっちゃったようですね。

他に、前作でデビューしたばかりのガイガンが再登場。
当然、ヒール側での参戦です。w

この、四つどもえの死闘。
そのアクションは(容赦無しに)擬人化されまくって(そもそもジェットジャガーなんて人型ですし w)いまして、もはやプロレス中継と何の代わりもありません。(笑)

        ▽▲▽▲▽▲

さて、本編の方はというと(当時の)無名・若手俳優を積極投入。

でも、主演の 佐々木勝彦 と 後輩役・林ゆたか が、キャラ的にかぶっていて(どちらも若いイケメン (^ァ^))あまり凹凸が無いんですよね。(一応、ロボットを造る科学者と、もう片方は腕利きドライバーという違いはあるんですけれど)

この映画、そもそも登場人物そのものが少ないし、本編のシーンも極々限られています。
人間ドラマと言う点で、ほぼゼロ(爆)なんで、俳優さんに求められるモノもあまり無いんでしょうけれど。w

アクションがまた中途半端でねぇ。(^^ゞ
トホホな格闘シーンでガックリ来ましたし。orz

但し、途中のカーチェイスだけは、妙~に頑張ってました!w
そもそも、出て来るクルマの車種からして(当時の国産車ばかりではなく)結構凝っていたようです。(クルマに疎い私には、特定出来なかったですケド ^_^;)
乗用車で強引な階段降りとか始めて、これって香港映画かよ? って想いました。(笑)

        ▽▲▽▲▽▲

特撮シーンにおける、過去作のフィルムの使いまわしの上手さは(なんか皮肉な表現ですけれど ^_^;)もはや芸術レベルに達しています。w

要するに、もの凄い低予算で撮られたんでしょ? ってのがアリアリと判ってしまう仕掛け。(笑)

但し、特撮シーンのスタジオの広さは、テレビの特撮ものとはまるで違いますね。
滅っ茶広~い。(^ァ^)

でも、その広さが故に、かえって演出面が安直になってしまっているってのはあると想う。
メガロが移動する際にピョンピョンと飛び跳ねさせたり、ゴジラに(あまりに強引過ぎる w)ドロップキックをさせたりして。orz
つまり、映画用の(広大無辺な)セットを使ったことが、決して良い結果を生んではいないんですねぇ。(>_<)

        ▽▲▽▲▽▲

もう、志の低さが見え見えで、ゴジラ映画もここまで墜ちたかと。orz

この作品を愛せるか否かで、その人のゴジラ愛が試されるとしたら・・・・
オレは、かなりヤバイ崖っぷちに立ってるって事になります。(滝汗)

公開の当時、この作品でゴジラ・シリーズを見限ったって方も少なからず居たんじゃないでしょうか?

この映画、誉めるところが中々見つからないで困るんだよねぇ。orz
シリーズ中でも特に中身の薄い一本と言えそうです。
 
 

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December 30, 2020

映画:ダイナマイトどんどん

 
  
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ダイナマイトどんどん
Dynamite Don-Don
 
 
監督:岡本喜八
出演:菅原文太
   北大路欣也
   宮下順子
   小島秀哉
   フランキー堺
   嵐寛寿郎
   金子信雄
   中谷一郎
   岸田森
   田中邦衛
   藤岡琢也
 
 
      1978年   大映
 
 
 
昔々、私が未だ親元で暮らしていた当時のことです。
ある年の大晦日、父が新聞のテレビ欄を見ながら「今年はもう紅白歌合戦はエエから、こっち観ようやないか」なんて言い出しました。
それが、この日紅白の裏番組として民放(のどこか)が放送する映画「ダイナマイトどんどん」だったんです。 今にして想えば、あれが(我が家にとっての)紅白離れの第一歩だったんですね。w

当時の民放のテレビ。
大晦日には、手間の掛かるスペシャル企画とかではなしに、こういった映画を放映して(悪く言えばお茶を濁して (^^ゞ)いたんですね。
こんなの、今となってはちょっと考え難いですよ。
紅白の視聴率(そして権威!)が、まだまだ磐石であった当時ならではのことかと想います。

なにぶん大昔のことで、映画の内容とか、もはやほとんど覚えていないんですけれど。(^^ゞ
それでも、菅原文太と小島秀哉が殴りこみに向かう折りの情景と台詞、ラストであたふた逃げ回る岸田森の姿、そしてフランキー堺の演技なんかが今も記憶にありますから、それなりに愉しんだんでしょう。(^ァ^)

映画を観終わった父は「ほら、面白かったやろ (^ァ^)」って上機嫌でした。(笑)

        ▽▲▽▲▽▲

※ 昭和二十五年。 未だ進駐軍の管理下にあった小倉では、地元ヤクザ組織間の抗争が激化の一途を辿っており、中でも 嵐寛寿郎 率いる 岡源組 と 金子信雄 の 橋伝組 は一触即発!の状態でした。
そこで、警察署長(藤岡琢也)の肝いりで、ここは武力によらず、平和に話しをつけようじゃないかということに。w
そうだ、野球で勝負しよう!
かくして、ヤクザたちの野球大会が(あくまで平和裏に w)開かれることになるのですが・・・・

        ▽▲▽▲▽▲

戦後の混乱期に、ヤクザ組織の仇敵同士が(アメリカ由来のスポーツ)野球の試合でケリをつけるって。(笑)
なんてオモシロいプロットを持つ映画でしょう。(^ァ^)
任侠もの、スポーツもののフォーマットの中で展開する(ドタバタも交えた)コメディ、人情喜劇、そして反骨とアイロニー。
任侠野球喜劇とでも呼びたくなる作品です。

        ▽▲▽▲▽▲

藤岡琢也から、野球でカタをつけろと厳命された(嵐寛寿郎の)岡源組、(金子信雄の)橋伝組 とも、早速チームを編成します。
更に、野球経験のある(しかもヤクザ稼業の w)人材の獲りあいが始まるわけですけれど。
事こういう話しになると 橋伝組 の 親分・金子信雄 と同幹部・岸田森 は抜け目がありません。
あれこれ手を打って (^^ゞ 着々とメンバーを集めてゆきます。
危うし、岡源ダイナマイツ!

ともかく、この映画の金子信雄はサイコーでした。
完全に山守親分キャラで通してくれてます。(笑)
そして普段冷徹なイメージの岸田森が、ピンク(!)のスーツなんて着込んじゃって w、ケレン味たっぷりの怪演!


それにしても、キャストの(このお二人に限らず)思いっきり豪華な映画ですね~。(@_@)

菅原文太・北大路欣也の間で揺れる宮下順子の女心。(って言うかズブズブの三角関係 w)

小島秀哉は菅原文太の女房役を好演。 主として松竹新喜劇で活躍した方らしいですね。

監督となってヤクザたちを熱血指導する、元プロ野球選手にして傷痍軍人・フランキー堺の野球魂。

岡源の幹部として組を支える中谷一郎の渋さ、安定感。

初戦の敵チームのエース役、田中邦衛。 想いの外芸達者で、キビキビ動けるのに驚きました。

イイカゲンに見えて、意外や反骨精神の持ち主だった警察署長、藤岡琢也。

などなど、枚挙に暇がありません。


そして台詞の魅力。
皆さんの語る小倉の方言がイイ!
男が語れば猛々しく、時にユーモラスに。
女が喋れば古風な、あるいは鉄火女の口調となります。
(但し、金子信雄の台詞からは、どうしても「仁義なき戦い」を想い出しちゃうんですけれど(笑))

この他、演出好く、テンポも好し。 緩急を心得た編集もまた素晴らしいです。(^ァ^)

        ▽▲▽▲▽▲

なにしろヤクザたちの臨時編成チームです。
もともと野球になんて感心がないし、ついつい殴る蹴るのケンカ殺法に走っちゃうんですが。(^^ゞ
岡源ダイナマイツ。 それでもなんとかシブトク、そして泥臭~く勝ち抜いてゆきます。

やがて、選手の引き抜きを巡っての抗争も勃発!
死に装束に改め、単独で殴り込みへと向かう菅原文太。
仇敵・橋伝組へと夜道を独り往く、その途上で待っていたのは小島秀哉でした。
無論、ここで「昭和残侠伝」の健さん・池辺良のパロディを演じているワケです。(笑)
(初めて見た折りは、そこのところが判りませんでした)
  
 
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但し野球の場面に関しては、リアリティのなさが気になっちゃいますね。

まぁ、そこがこの映画の眼目じゃ無いよってことナンでしょうけれど。
そうは言っても。^_^;
もうちょっと試合や練習シーンを(「野球」に拘って)丁寧に、キッチリと撮れば良いのに、なんて想いました。
それをするとなると、うんとお金が掛かるんでしょうけれど。(^^ゞ

そして、北大路欣也演じる剛速球投手(菅原文太にとって恋敵 (>_<) でもある)については、彼の真意まで充分に描き切れていない憾みがあります。
もともと無口なキャラではありますけれど、ともあれ彼の下した <ある選択> の裏に、なにやら深い考え/計略でもあるのか、それとも単なるクズだったのか。w どうにも判り難かった。
そこのところが、ちょいと不満です。

        ▽▲▽▲▽▲

それにしてもクライマックスの、岡源ダイナマイツ 対 橋伝カンニバルス 戦のシーン。
これが、オレ的にはイマイチだったなぁ。

ラフな試合のお終いに、とうとう乱闘が始まって、そのままドタバタ喜劇に持っていっちゃったのが、ねぇ。(^^ゞ
しかも、ここばっかり矢鱈と長尺でかつ豪華(大勢のモブを使った)でやんの。orz
これも、映画館で観ていたら腹を抱えて大笑いするのかもしれませんけれど。

        ▽▲▽▲▽▲

ワタクシは間違いましたね。(^^ゞ
これは(いわゆるフツーの)野球映画とはかなり違ってます。(笑)

野球に臨むにしても喧嘩上等で、なんたって反骨を貫いてみせます。
ヤクザと戦争をからかい、戦後日本を揶揄し。
ついでに野球や、更には戦勝国アメリカまでおちょくってる。(笑)

「ダイナマイトどんどん」ってのは、マジメ(?!)な態度でスポーツ、野球を描いた作品を観ようと臨んだら、これは相当に腹の立つ映画でしょうね。
俺は大いに愉しんだけれど。(笑)

お終いは、いかにも岡本喜八らしい展開に。 粋なラストシーンでした。
 
 
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今回、昭和五十三年公開の名作を、じっくりと愉しみました。(でも、やっぱドタバタは好きじゃないなぁ (^^ゞ)

全編に横溢する男気。
粋で、ユーモラスで、人情の機微を巧みに描いて、やっぱり岡本喜八作品はサイコーです。

それにしても、菅原文太ってホントに良い役者ですねぇ。
男っぷりが好くって、カッコ良く。 凛々しくもおバカで、茶目っ気があって。

菅原文太の魅力の炸裂する一本でした。
 
 

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December 29, 2020

映画:スモーク

 
 
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スモーク
Smoke
 
 
監督:ウェイン・ワン(王穎)
脚本:ポール・オースター
原作:「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」 ポール・オースター
    Auggie Wren's Christmas Story      by Paul Auster
出演:ハーヴェイ・カイテル
   ウィリアム・ハート
 
 
       1995年    米国
 
 
原作は米国の小説家ポール・オースターの著作。
なんでも、ニューヨーク・タイムズのクリスマス特別号に掲載するため書き下ろした短編なのだそうで。
つまり、この季節に読むのには丁度おあつらえ向きの、読めばほっこり暖かくなる、ちょっとイイ話というわけですね。(^ァ^)

        ▽▲▽▲▽▲

米国ニューヨークはブルックリン。
昔からの建物が林立するダウンタウンです。
ハーヴェイ・カイテルは、とある街角に店を構える煙草屋(今時?!)さんの主人。
ざっかけない常連客がたむろする、居心地好さそうな店内。

そこは、下町的な倫理観の通用する人情の世界でした。 治安は良くないけれどね。(^^ゞ
何年か前に、近くの銀行が強盗に襲撃されて、その折りウィリアム・ハートの奥さんが(気の毒にも流れ弾に当たって)亡くなっていますし。

そのウィリアム・ハート。
小説家(インテリジェンスを漂わす風体の)で、煙草屋の常連客の一人であり、ハーヴェイ・カイテルにとっては気心の知れ合った親友でもあります。

ハーヴェイ・カイテルも、若い頃にいろいろとやんちゃをしでかした(^^ゞものの、現在はこの場所で地道に煙草屋を営んでいる様子。
そして、もう十年以上もの間、毎日同じ時刻・同じ場所から街の写真を(通りを行き交う人々やクルマの姿と共に)撮影し続けています。
定点観測ですね。(^ァ^)
キヤノンの一眼レフAE-1(往年のベストセラー。 私も愛用してました σ(^ァ^))にモノクロのフィルムを入れて、三脚に乗っけ、レリーズ付けて。
一日一枚ずつ、毎日毎日愚直にシャッターを切り続け、そうして仕上がった写真は、もう4000枚にも上るそうな。

ある日、ハーヴェイ・カイテルは自分が撮りためたコレクション(きちんとアルバムに整理されていました (^ァ^))をウィリアム・ハートに披露します。
この、長回しで撮られた二人きりのシーン。
ハーヴェイ・カイテルの長台詞がホントに素晴らしいんです。


ハーヴェイ:ゆっくりと見ていかなきゃダメだ
ウィリアム:どうして?
ハーヴェイ:あんたが頁を次々にめくるからさ
      ちゃんと写真を見てなかったろ?
ウィリアム:でも、どれも皆同じ(位置から撮った)写真だよ
ハーヴェイ:同じようで、一枚一枚みんな違うよ
      よく晴れた朝 曇った朝
      夏の日差し 秋の日差し
      ウィークデー ウィークエンド
      コートを着込む季節
      Tシャツに短パンで過ごす季節
      知った顔 違った顔
      新しい顔が、やがて常連になって、古い顔が消えてゆく
      地球は太陽を廻って
      太陽の光は、日々違った角度で差し込む
ウィリアム:ゆっくりと、見ていくべき?
ハーヴェイ:俺は、そう薦めるね
      「明日、また明日、また明日と、
       時は小きざみな足取りで一日一日を歩み・・・・」
ウィリアム:おお!(不意に一葉の写真に眼を止め)ジーザス・・・・

 

ハーヴェイ・カイテルが日々撮り溜めた4000枚の中から、ウィリアム・ハートが見出したものは?

        ▽▲▽▲▽▲

幾つかの短いエピソードからなるこの映画。
どれも過度に引っ張ろうとはせず、程好いあたりでスパッと終えるところが粋です。(^ァ^)


・ウィリアム・ハートの独り住まいに転がり込む少年のお話し。
(小説家の理知的な風貌、カッコイイなぁ (^ァ^))

・その少年が、見も知らぬ父親を訪ねるお話し。
(ハーヴェイとウィリアムが連鎖反応的にコケるところ。 声を出して笑っちゃいました (^ァ^))

・とうの昔に別れた女から「あなたの娘がいるの」と知らされたハーヴェイは・・・・
(しかしまた、好く出来たお話しです (^ァ^))

などなど、その他盛り沢山。(笑)


そして、お終いに用意されたエピソードは、ハーヴェイ・カイテルが愛用のキヤノンAE-1を手に入れた由来。
それは、とある年のクリスマスのこと。
その折り経験した、一風変わったエピソードへとつながるんです。

ここでも、ウィリアム・ハートを相手に、ハーヴェイ・カイテルの長台詞・長回しで魅せてくれます。
知らず引き込まれてしまった素晴らしい芝居。

珠玉篇と呼ぶに相応しい一本でした。
 
 

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December 28, 2020

映画:荒野の七人


 
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荒野の七人
The Magnificent Seven
 
 
監督:ジョン・スタージェス
原作:黒澤明監督作品「七人の侍」
音楽:エルマー・バーンスタイン
出演:ユル・ブリンナー
   スティーブ・マックイーン
   ホルスト・ブッフホルツ
   ジェームズ・コバーン
   チャールズ・ブロンソン
   ロバート・ヴォーン
   ブラッド・デクスター
 
 
      1960年   米国
 
 
映画の中で、西部劇ってのもまた、今では絶滅の危惧されるジャンルのひとつに数えられますでしょうか?^_^;
そのポジションは、あるいは我が国の時代劇みたいな?
「時代劇は死なず」や「なぜ時代劇は滅びるのか」(どちらも春日太一著)じゃあないですけど。w
古いスタイルの活劇が、今日ではさっぱり顧みられなくなっているのって、洋の東西を問わずってことなのかもしれません。orz

ともあれ今回は往年の名作「荒野の七人」を視聴しました。
懐かしい~。(^^♪
ちなみに私がこの映画を初めて見たのって、遥か昔の高校時代。 地元の本当にホントに小さな名画座でのことでした。

        ▽▲▽▲▽▲

※ 舞台はメキシコ(今頃になって気付いたんだけど、これってアメリカのお話しじゃあなかったんだねぇ (@_@))
とある寒村が、山賊の度重なる襲来に困り果てていました。
ようやく収穫した作物を、銃で武装した無法者たちが(有無を言わさず)奪い去ってゆくんです。
抵抗する者は・・・・orz

こういう時はあの人に訊け! ってワケで、村の長老んとこへ相談に行ったら、そんな奴らに従うことないって! オマエら銃を取って戦えばええんじゃって!! 村の誰も持ってないんなら買って来なさいって!!!
長老、賢者っぽいなりの割に、スッゲー判かりやすい主戦論者でした。(笑)

かくして村の代表が銃器を買い付けに町へと出掛けるんですけれど、そこで偶々出会ったのがさすらいのガンマン、ユル・ブリンナーでした。
その人並みはずれた腕前と立派な人柄に惚れ込んだ村の代表。
彼に、どうか村を守って貰えないかと頼み込みます。

凶悪な山賊を撃退して貰うにあたって村人が提示した礼金は、ガンマンらの相場からすれば、もうお話しにならないショボイ額でした。(笑)
しかしながら(村人たち全員の)あり金の全てを報酬に差し出すという真摯な姿勢に感じ入ったユル・ブリンナー。
「腕の立つガンマンが七人も揃えば、なんとか・・・・」って具合に(渋々ながら)請け負ってくれます。

かくして、破格の低賃金でも働いてくれる酔狂な w、しかし腕利きの、なにより命知らずのガンマン探し(残り六人)が始まりました。

        ▽▲▽▲▽▲

一人ひとりのリクルート・シーンが滅法面白いのは原作の「七人の侍」と同様。
冒頭のユル・ブリンナーとスティーブ・マックイーンの出会いからして、もうサイコーでした。
粋でハードな西部の男たちの世界です!(^ァ^)

こうして集結した七人のガンマンたち。

 冷静沈着なリーダー、ユル・ブリンナー。
 その女房役、スティーブ・マックイーン。
 ストイックなファイター、ジェームズ・コバーン。
 人情派ガンマン、チャールズ・ブロンソン。
 戦いの日々に疲れ果てた男、ロバート・ヴォーン。
 一発当てようとする山師、ブラッド・デクスター。
 血気にはやる若者、ホルスト・ブッフホルツ。


やがて、山賊の襲来する村を目指して馬を進める七人。
その姿の素敵なこと、絵になることったら!
もう、すっかり見とれちゃいましたよ。(笑)
やっぱ西部劇だね。

そして、何より素晴らしいのがエルマー・バーンスタインの名調子♪
「荒野の七人」と言ったら、なんと言ってもあのテーマですよ!(^ァ^)
        
 
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この「荒野の七人」では、山賊の首領の人となりまでを描いたのが、原作「七人の侍」とは大きく異なるところです。

イーライ・ウォラック が好演するこの首領。
無論、悪漢なわけですけれど、でも(意外にも)血も凍る大極悪人ってわけではなさそうです。
首領としての、その統率ぶりに手緩いところが(ちらほら)見え隠れして。w
まぁ、その詰めの甘さ故に、ラストでは七人のガンマンらにしてやられちゃうわけです。

なんなら、ユル・ブリンナーの方が余程、冷徹でオッカナそうですなんですけど。(笑)
ともあれ、この(ちょっと抜けたところのある)首領のお陰で、ドラマに奥行きの生まれているのは間違いのないところ。

        ▽▲▽▲▽▲

七人のガンマンたち。
シューティングスタイルはもとより性格も来歴も、それぞれが異なるように、戦う目的にだって違いがあります。
ガンマンとして名を上げようと焦る若者。
金の匂いを嗅ぎ付けて(結局ハズレだったけれど w)付いて来た山師。
戦いの日々の果てに、今は復讐者の影に怯える者。
などなど・・・ 決して皆が皆、高潔な正義の味方ってわけではありません。

でも結局は、村のために命を張って頑張っちゃうんですけれどね。w

        ▽▲▽▲▽▲

土と共に生きる村の人々。
そこには地道であると同時に、また したたか な農民の暮らしがありました。

村に七人のガンマンを迎え、一度は山賊を(見事に!)撃退してみせたものの、奴らはまたやって来るに決まっています。
しかも、この次は全力をあげて襲って来るに違いありません。

長老の唱える「戦って平和を勝ち取る」と言う考えへの反論として、(ここらでガンマンたちにはお帰り願って)山賊の要求を受け入れてはどうか、なんて妥協案を叫ぶ声も出て来ます。

もしも、山賊の言うがままに作物を差し出せば・・・・そうすれば誰も撃ち殺さることはありませんからね。(とはいえ、その結果として村民が餓死しないという保障はどこにもないワケで ^_^;)
そもそも、相手は根っからの悪党たち。 協調路線の通じる相手とも思えないんですが。

やがて、村の存続に苦慮する農民たちの採った選択は・・・・

ガンマンらが、その器量と意地とを試されるようなこの展開。 スゴク好いね。(^ァ^)

        ▽▲▽▲▽▲

クライマックスで、シーンの繋ぎがずいぶんと強引/乱暴じゃないの? なんて想った(次々と味方が倒れてゆく展開とか)んですけれど・・・・この辺りの感想って高校時代、初見の折りと(大体において)同様でした。

それにしてエルマー・バーンスタインのテーマ曲。 滅法威勢が好くって、何度聴いてもサイコーだねぇ ♪(^ァ^)
 
 

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December 20, 2020

映画:大忠臣蔵 (1957)

  
 
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大忠臣蔵
A Matter of Valor
 
 
監督:大曾根辰夫
原作:「仮名手本忠臣蔵」
出演:二代目 市川猿之助(大石内蔵助)
   高田浩吉     (早野勘平)
   高千穂ひづる   (おかる)
   近衛十四郎    (寺坂平右衛門)
   有馬稲子     (あぐり)
 
 
 
      1957年   松竹京都撮影所
 
 
赤穂浪士の討ち入りは元禄十五年十二月十四日(旧暦)のこと。(新暦に直すと 1703年1月30日)
はい、年末と言えば忠臣蔵なワケです。(^ァ^)

ここに上げます1957年(昭和三十二年)公開の松竹作品は、その名もズバリ!「大忠臣蔵」。
映画会社の、この作品に寄せる気合を感じさせる堂々とした題名ですね。(笑)

忠臣蔵を題材とした劇映画の古今数多ある中で、本作の特徴は歌舞伎の「仮名手本忠臣蔵」に準拠したストーリー、そして(場面によっては)歌舞伎ベースの演出/美術になっているということです。
こんな忠臣蔵映画は他に無いそうで、これはありそうで無かった、そして是非造っておいて欲しかった、意義ある一本と想います。

さて、私の場合忠臣蔵と言えば、かつて鑑賞した「赤穂浪士 天の巻 地の巻」(1956年・東映)の印象があまりにも強烈です。
そして、原作たる歌舞伎の「仮名手本忠臣蔵」。 こちらの方はというと、ほとんど(というか、ほぼ全く)知識がありません。orz

そもそも(映像を通してさえ)通しで見たことが無く、むしろ落語なんかの傍系/カウンターカルチャー等から得た知識が大半という体たらくだったりします。(^^ゞ

        ▽▲▽▲▽▲

そんな、これっぽっちも歌舞伎を知らない私が鑑賞した「大忠臣蔵」ですけれど、これが中々巧みに造られており、全編を愉しむことが出来ました。

歌舞伎由来のシーンが随所にあるわけですけれど、中でも京のお茶屋「一力」の場面が、原作が歌舞伎であることを強く意識させる演出で素敵でした。

大石内蔵助をはじめ、演者に歌舞伎系の人が多かったからでしょうけれど、どの役者も所作や演出のもの凄~く綺麗なのは流石。(^ァ^)

ストーリーとしてはお軽勘平のエピソードを大きく扱っているのが特徴でしょうか。
昔から演じられてきた演目だけに、練りに練られた演出で、観ていてホレボレとしちゃいました。(笑)

但しこの映画、東映の「赤穂浪士 天の巻 地の巻」(1956年)と比べてしまうと、やっぱり幾分地味ですかねぇ。^_^;
 
 

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