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February 14, 2021

映画:ゴジラ対メカゴジラ

 
 
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ゴジラ対メカゴジラ
Godzilla vs the Cosmic Monster
哥吉拉對機械哥吉拉
 
 
監督:福田純 (本編)
   中野昭慶(特撮)
音楽:佐藤勝
主題歌:「ミヤラビの祈り」
      ベルベラ・リーン(鄭秀英)
出演:大門正明
   田島令子
   岸田森
   平田昭彦
   小泉博
   睦五郎
   草野大悟
 
 
 
    1974年  東宝
 
 
 
昭和と共に歩んで来たこのシリーズも第十四作目。
そしてまた、この映画はゴジラ誕生二十周年を記念する一本でもあります。

戦後、沖縄が日本に返還されたのが1972年(昭和四十七年)。
沖縄海洋博(沖縄国際海洋博覧会)の開催が1975年(昭和五十年)のこと。
沖縄県が一際注目を浴びた時代でした。

そして海洋博の前年、1974年(昭和四十九年)に公開されたのが、この「ゴジラ対メカゴジラ」です。

        ▽▲▽▲▽▲

※ 映画は海洋博を間近に控えた沖縄本島が舞台。
その会場建設現場近くの玉泉洞(実在する鍾乳洞)から見付かった奇妙な(地球のものではない)金属片から、お話しは始まります。


が、これがどうにも無理/無駄の多いストーリーでしてねぇ。(^^ゞ
ワタクシ、もうちょっと脚本を整理してから撮影に入った方がヨカッタんじゃないの? なんて想っちゃいました。(笑)

登場人物もしかりで、元々が極少ないキャストで廻している映画だけれど、それでも、まだまだ無理/無駄が散見されます。
こちらも、もう少々刈り込んだ方が・・・・^_^;

        ▽▲▽▲▽▲

そんなキャスト陣ですけれど、主人公役には(ここ何作かのゴジラ映画と同様に)若手を積極起用。
その一方で、脇役に平田昭彦・小泉博・佐原健など、東宝特撮映画に欠かせぬ(毎度お馴染みの (^ァ^))ベテラン陣を復活させています。

彼らが帰って来た。 それだけで、なんかウレシイ俺です。(^ァ^)
そこに岸田森も加わって、こりゃ中々の座組みじゃないですか!

今回、ヒロインを務めますは田島令子。
説得力ある語り口/声音が印象的でした。
声優としても活躍されていたのだそうで、ナルホドの美声です。

そして(宇宙から来た)悪の首魁役に睦五郎。
数々のドラマで悪役を演じて来た他、この方も声優として洋画の吹き替え(デビッド・ジャンセンなどの)をされていたそうで。
それも納得の、渋く魅力的なボイスでした。

この他、草野大悟も昭和の邦画でよく見掛ける顔です。
この映画のキャスティング、ホント愉しいなぁ。(^ァ^)

音楽は佐藤勝。
明るくエネルギッシュな(如何にも昭和って調子の)テーマと、それとは対照的に悠然とした沖縄風の音楽もあって。 とにかく気が利いてます。w

        ▽▲▽▲▽▲

映画の中で東京~那覇間を往復するジェット旅客機の他、本土と沖縄を結ぶフェリー航路も紹介され、さながら沖縄観光案内の感があります。(笑)

旅客機やフェリー船内、本土と沖縄での、アクション/スパイ映画を髣髴とさせるスリリングな展開。w
いや、生憎とこれが雰囲気だけ、髣髴とさせるのみに留まってるんですけれど。(^^ゞ

        ▽▲▽▲▽▲

さて、この映画がデビューとなります、ご存知メカゴジラ!

そもそもゴジラと言えば、もう最強の怪獣。 天下無敵なワケです。
そこで、どの怪獣でも倒せないんだったら、いっそゴジラとそっくり同じ力を持つロボットを作って、これと戦わせれば良いじゃないかって発想が現れました。
お~! なんて素ン晴らしいプロットでしょう。(笑)

この映画の公開後も、同じプロットの下(敵に味方にと、立場を替えつつ)次々とメカゴジラものが造られたのもナットクです。

その一方、ゴジラの側からみれば(図らずも)もう一人の自分と対峙し、決闘することになるわけです。
これって、ドラマとして極めて魅力的なカタチと想うわけなんですけれど。^_^;

でも、そんな場面で当然(!)描いておかねばならない要素。
自分と生き写し(まぁ、相手は機械なんですけど(爆))のナニモノかと相対してしまった折りの逡巡。
(自身と)同じ姿を持つ者と対峙させられ、決闘しなければならない運命への戸惑いなどが、この映画では決して描かれません。
私としてはココが不満。^_^;

だって、自分自身と瓜二つ(って言い切るには、いささか無理がありますけれど (^^ゞ)のメカを相手に闘うんですよ?!
それに、如何に怪獣って言っても、これまでの映画で数々の頭脳プレー/したたかな戦術を我々に見せてきたゴジラ。 決しておバカさんじゃないんです。w

この期に及んで特段(怪獣的に w)動じるでもなく、迷わずメカゴジラ相手の怪獣プロレスに興じるってのはどうなのよ?(>_<)
なんて、ちと残念に想いました。

ともあれ、このテーマ(孤高の怪獣と、そのコピーとの対峙)は、これ以降のメカゴジラ作品へと持ち越されます。

        ▽▲▽▲▽▲

そんなメカゴジラ。
アタマから身体から、そして両手両足まで、もう全身に飛び道具を仕込んでいるという剣呑極まりないヤツでした。

「ゴジラ対ガイガン」の時のガイガンは、恐ろしげな(やたらと派手な)刃物を身につけていましたけれど、こちらメカゴジラは光線やミサイルなんかの飛び道具が主体です。

こういった、特撮映画における光線/ミサイルの乱れ撃ち w。
この後、映画における光学/特撮技術の進化とともに(回を重ねる毎に)どんどん派手に、そして豪華絢爛に w なってゆきます。

その極彩色がスクリーンに映えて、これはこれで見事! とっても綺麗なんだけれど、でも、私としては肉弾戦、格闘の方が好きだなぁ。

        ▽▲▽▲▽▲

古代琉球王朝、アズミ王族に伝わる守り神キングシーサー。
沖縄の伝統的家屋の屋根や門扉に飾られている、あのシーサー像を怪獣化したものなのだそうで。
本作ではこれの登場がひとつのクライマックスになります。
本土復帰直後の沖縄が舞台ってことで、実にイイところを突いてきたモンと想います。

また、この守り神に託して、ウチナンチューの本土に対する複雑な感情にもチラッと触れています。


古老:「・・・・本土にゴジラが現れたぞ!
    ゴジラを倒せるものはキングシーサーだけじゃ。
    が、その謎は誰にも解けるものか!
    ゴジラよ!
    アズミ王族を滅ぼそうとしたヤマトンチユーを、
    儂に代わってやっつけろ!
    ゴジラよ!」


ちなみに本作、沖縄で大怪獣がどんなに暴れまくろうと、自衛隊はおろか米軍も一向に迎撃に現れないんですけれど、これも沖縄返還直後って事情をいろいろと配慮した結果らしいですね。

        ▽▲▽▲▽▲

伝説の怪獣キングシーサーを現代に蘇らせようとする主人公らと、そうはさせじと暗躍する宇宙人との攻防が、映画序盤~中盤のテーマになります。

そして遂に、やっとのこと(主人公ら、頑張りました w )で覚醒するキングシーサー!
地元沖縄の守り神として矢鱈と(必要以上に w)もったいぶって現れます。(笑)
そして(ゴジラと共闘して)メカゴジラ相手に死闘を繰り広げるんですけれど。 でも、イザ登場してみたら、それほどは(期待したほどは)強くなかったですね。^_^;
対メカゴジラ戦の決定打とまでは至らなかった。orz

この、実はそれほど強くもありませんでした w って展開。
キングシーサーはあくまで沖縄の守り神。 すなわち、専守防衛に徹した怪獣(笑)って考えたら、沖縄のフクザツな立ち位置を象徴しているかのよう思えて来ました。
ワタクシ、今やこの(決して強くはない ^_^;)怪獣を応援してやりたい気持ちになっています。w

例えば、キングシーサー = 沖縄として、ゴジラ = 日本、そしてメカゴジラ = 米軍なんて具合に考えたら・・・・(@_@)

        ▽▲▽▲▽▲

この映画の宇宙人って、猿みたいな格好をして現れます。 宇宙猿人。 
って言うか、これはもう、どう見てもおサルさんでしょう。w

当時、米SF映画の名作「猿の惑星」が、1968年の公開ながら未だ人気を保っており、その後(70年・71年・72年・73年と)次々に続編が公開された時期でした。(翌75年にはテレビドラマ版も放送されています)

日本でも丁度テレビで「猿の軍団」(1974年)ってSF特撮ドラマをやっていたし、特撮ヒーローもので「宇宙猿人ゴリ」(1971年)ってのがありました。

時代の空気を敏感に感じ取って、流行を巧みに取り入れてゆくゴジラ映画です。

        ▽▲▽▲▽▲

なにしろ内容が盛り沢山過ぎ(!)て、イマイチまとまらないとはいえ、この後連綿と続くことになるメカゴジラ映画(?!)の、これが嚆矢となる本作。

明るくエネルギッシュな昭和テイストに、沖縄風味もたっぷりで、なかなか愉しい一本でした。
 
 

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Comments

相変わらずの手を抜かない名解説!👏
作品を楽しまれた様子がよくわかります。
話は全く変わりますが、私思い出したことが。。。
佐原健二という俳優名を見つけ思い出しました。またまた60数年前の、私が高校生時代新聞部であった頃の話。「かんべんして~」とおっしゃいましたか?「爆」
東宝のスター久保昭、青山京子と共に石原忠という新米の俳優がわが田舎町にやってきて、高校生新聞部の二人、「一人がワタシ^^」この3名の青春スターにインタビューしました。何を聞いたか忘れましたが、すでに大スターだった久保昭のご機嫌の悪かったことに反し、新人の石原忠の愛想がよかったこと。まぁそんなもんですよね。
その石原忠という俳優が佐原健二と改名したのですよね。。。というまたまたくだらない自慢話?でした。

Posted by: おキヨ | February 17, 2021 02:25 PM

>おキヨさん

ありがとうございます。(^ァ^)

芸能人との距離が、今よりも遥かに大きかった当時のおキヨ記者の取材。
本当にスゴイ体験をされましたね。

佐原健二は(スクリーン越しに見てさえ)如何にも実直そうで、ナルホドって感じです。(笑)
テレビの「ウルトラQ」に主演してブレイクするのは改名の後だったでしょうか。

今ではサブカルチャーとして国際的な人気を(公開の当時はまったく考えられなかったでしょうけれど w)得ている特撮映画。
佐原健二、久保昭ら特撮映画で活躍した役者も、若い頃に出演したゴジラ映画の中で、今や国際的に認知されているワケで、人生なにがあるか判らないってことですね。(^ァ^)

Posted by: もとよし | February 17, 2021 09:57 PM

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