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December 30, 2020

映画:ダイナマイトどんどん

 
  
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ダイナマイトどんどん
Dynamite Don-Don
 
 
監督:岡本喜八
出演:菅原文太
   北大路欣也
   宮下順子
   小島秀哉
   フランキー堺
   嵐寛寿郎
   金子信雄
   中谷一郎
   岸田森
   田中邦衛
   藤岡琢也
 
 
      1978年   大映
 
 
 
昔々、私が未だ親元で暮らしていた当時のことです。
ある年の大晦日、父が新聞のテレビ欄を見ながら「今年はもう紅白歌合戦はエエから、こっち観ようやないか」なんて言い出しました。
それが、この日紅白の裏番組として民放(のどこか)が放送する映画「ダイナマイトどんどん」だったんです。 今にして想えば、あれが(我が家にとっての)紅白離れの第一歩だったんですね。w

当時の民放のテレビ。
大晦日には、手間の掛かるスペシャル企画とかではなしに、こういった映画を放映して(悪く言えばお茶を濁して (^^ゞ)いたんですね。
こんなの、今となってはちょっと考え難いですよ。
紅白の視聴率(そして権威!)が、まだまだ磐石であった当時ならではのことかと想います。

なにぶん大昔のことで、映画の内容とか、もはやほとんど覚えていないんですけれど。(^^ゞ
それでも、菅原文太と小島秀哉が殴りこみに向かう折りの情景と台詞、ラストであたふた逃げ回る岸田森の姿、そしてフランキー堺の演技なんかが今も記憶にありますから、それなりに愉しんだんでしょう。(^ァ^)

映画を観終わった父は「ほら、面白かったやろ (^ァ^)」って上機嫌でした。(笑)

        ▽▲▽▲▽▲

※ 昭和二十五年。 未だ進駐軍の管理下にあった小倉では、地元ヤクザ組織間の抗争が激化の一途を辿っており、中でも 嵐寛寿郎 率いる 岡源組 と 金子信雄 の 橋伝組 は一触即発!の状態でした。
そこで、警察署長(藤岡琢也)の肝いりで、ここは武力によらず、平和に話しをつけようじゃないかということに。w
そうだ、野球で勝負しよう!
かくして、ヤクザたちの野球大会が(あくまで平和裏に w)開かれることになるのですが・・・・

        ▽▲▽▲▽▲

戦後の混乱期に、ヤクザ組織の仇敵同士が(アメリカ由来のスポーツ)野球の試合でケリをつけるって。(笑)
なんてオモシロいプロットを持つ映画でしょう。(^ァ^)
任侠もの、スポーツもののフォーマットの中で展開する(ドタバタも交えた)コメディ、人情喜劇、そして反骨とアイロニー。
任侠野球喜劇とでも呼びたくなる作品です。

        ▽▲▽▲▽▲

藤岡琢也から、野球でカタをつけろと厳命された(嵐寛寿郎の)岡源組、(金子信雄の)橋伝組 とも、早速チームを編成します。
更に、野球経験のある(しかもヤクザ稼業の w)人材の獲りあいが始まるわけですけれど。
事こういう話しになると 橋伝組 の 親分・金子信雄 と同幹部・岸田森 は抜け目がありません。
あれこれ手を打って (^^ゞ 着々とメンバーを集めてゆきます。
危うし、岡源ダイナマイツ!

ともかく、この映画の金子信雄はサイコーでした。
完全に山守親分キャラで通してくれてます。(笑)
そして普段冷徹なイメージの岸田森が、ピンク(!)のスーツなんて着込んじゃって w、ケレン味たっぷりの怪演!


それにしても、キャストの(このお二人に限らず)思いっきり豪華な映画ですね~。(@_@)

菅原文太・北大路欣也の間で揺れる宮下順子の女心。(って言うかズブズブの三角関係 w)

小島秀哉は菅原文太の女房役を好演。 主として松竹新喜劇で活躍した方らしいですね。

監督となってヤクザたちを熱血指導する、元プロ野球選手にして傷痍軍人・フランキー堺の野球魂。

岡源の幹部として組を支える中谷一郎の渋さ、安定感。

初戦の敵チームのエース役、田中邦衛。 想いの外芸達者で、キビキビ動けるのに驚きました。

イイカゲンに見えて、意外や反骨精神の持ち主だった警察署長、藤岡琢也。

などなど、枚挙に暇がありません。


そして台詞の魅力。
皆さんの語る小倉の方言がイイ!
男が語れば猛々しく、時にユーモラスに。
女が喋れば古風な、あるいは鉄火女の口調となります。
(但し、金子信雄の台詞からは、どうしても「仁義なき戦い」を想い出しちゃうんですけれど(笑))

この他、演出好く、テンポも好し。 緩急を心得た編集もまた素晴らしいです。(^ァ^)

        ▽▲▽▲▽▲

なにしろヤクザたちの臨時編成チームです。
もともと野球になんて感心がないし、ついつい殴る蹴るのケンカ殺法に走っちゃうんですが。(^^ゞ
岡源ダイナマイツ。 それでもなんとかシブトク、そして泥臭~く勝ち抜いてゆきます。

やがて、選手の引き抜きを巡っての抗争も勃発!
死に装束に改め、単独で殴り込みへと向かう菅原文太。
仇敵・橋伝組へと夜道を独り往く、その途上で待っていたのは小島秀哉でした。
無論、ここで「昭和残侠伝」の健さん・池辺良のパロディを演じているワケです。(笑)
(初めて見た折りは、そこのところが判りませんでした)
  
 
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但し野球の場面に関しては、リアリティのなさが気になっちゃいますね。

まぁ、そこがこの映画の眼目じゃ無いよってことナンでしょうけれど。
そうは言っても。^_^;
もうちょっと試合や練習シーンを(「野球」に拘って)丁寧に、キッチリと撮れば良いのに、なんて想いました。
それをするとなると、うんとお金が掛かるんでしょうけれど。(^^ゞ

そして、北大路欣也演じる剛速球投手(菅原文太にとって恋敵 (>_<) でもある)については、彼の真意まで充分に描き切れていない憾みがあります。
もともと無口なキャラではありますけれど、ともあれ彼の下した <ある選択> の裏に、なにやら深い考え/計略でもあるのか、それとも単なるクズだったのか。w どうにも判り難かった。
そこのところが、ちょいと不満です。

        ▽▲▽▲▽▲

それにしてもクライマックスの、岡源ダイナマイツ 対 橋伝カンニバルス 戦のシーン。
これが、オレ的にはイマイチだったなぁ。

ラフな試合のお終いに、とうとう乱闘が始まって、そのままドタバタ喜劇に持っていっちゃったのが、ねぇ。(^^ゞ
しかも、ここばっかり矢鱈と長尺でかつ豪華(大勢のモブを使った)でやんの。orz
これも、映画館で観ていたら腹を抱えて大笑いするのかもしれませんけれど。

        ▽▲▽▲▽▲

ワタクシは間違いましたね。(^^ゞ
これは(いわゆるフツーの)野球映画とはかなり違ってます。(笑)

野球に臨むにしても喧嘩上等で、なんたって反骨を貫いてみせます。
ヤクザと戦争をからかい、戦後日本を揶揄し。
ついでに野球や、更には戦勝国アメリカまでおちょくってる。(笑)

「ダイナマイトどんどん」ってのは、マジメ(?!)な態度でスポーツ、野球を描いた作品を観ようと臨んだら、これは相当に腹の立つ映画でしょうね。
俺は大いに愉しんだけれど。(笑)

お終いは、いかにも岡本喜八らしい展開に。 粋なラストシーンでした。
 
 
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今回、昭和五十三年公開の名作を、じっくりと愉しみました。(でも、やっぱドタバタは好きじゃないなぁ (^^ゞ)

全編に横溢する男気。
粋で、ユーモラスで、人情の機微を巧みに描いて、やっぱり岡本喜八作品はサイコーです。

それにしても、菅原文太ってホントに良い役者ですねぇ。
男っぷりが好くって、カッコ良く。 凛々しくもおバカで、茶目っ気があって。

菅原文太の魅力の炸裂する一本でした。
 
 

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