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November 16, 2019

映画:仁義なき戦い 広島死闘篇


 
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仁義なき戦い 広島死闘篇
Battles Without Honor and Humanity : Deadly Fight in Hiroshima
 
 
監督:深作欣二
脚本:笠原和夫
原作:飯干晃一
音楽:津島利章
撮影:吉田貞次
編集:宮本信太郎
出演:北大路欣也
   梶芽衣子
   千葉真一
   菅原文太
   名和宏
   金子信雄
 
 
     1973年   日本・東映
 
 
「仁義なき戦い」のシリーズ二作目、「仁義なき戦い 広島死闘篇」です。
これ、なんでも前作と同じ年の内に撮られたのだそうな。 勢いですねぇ。(^ァ^)

※ 戦時下に軍国主義教育を受け(純粋培養され)て育った北大路欣也。
ゼロ戦に憧れ、いずれは自分も戦争で死ぬものと想い定めていたところ、軍人となる前に敗戦を迎えます。(前作の主人公、戦地から還って来た菅原文太たちよりも、やや若い世代です)
戦後の広島。 朝鮮特需に沸く世の中を、しかし、成す術も無く彷徨う主人公。
そんな姿から、映画は始まります。

        ▽▲▽▲▽▲

その北大路欣也。
猛った狂犬のように、辺り構わず噛み付く男です。
極端な直情径行で、考えの足りない、一途さの過ぎた若者とも言えます。

地元ヤクザが開帳する賭場で傷害事件を(さしたる理由もなしに!)起こして収監。
仮出所後、組長の姪・梶芽衣子との運命の出会いを経て、組長・名和宏に拾われました。
以来、抗争の中で手にした拳銃を「俺のゼロ戦」と呼び、それに命を託して突っ走ります。

これと定めたターゲットは容赦なく射殺(!)する一方、ヒロインとその娘に対して比類ない愛情を注ぐ、そんな側面も併せ持つ男です。

        ▽▲▽▲▽▲

そして梶芽衣子。
本作のヒロインです。

前作では(全く、と言い切ってしまっても差し支えのない程)女性というものを描いてこなかったところに、他に類を見ない程の破壊力を持つ、このヒロインの登場。 その存在感は圧倒的です。

綺麗、可愛いらしいと言うのみならず、折々垣間見せる、その鉄火肌!(^ァ^)
見目好く端正で、それでいて火のような烈しさを併せ持った、なんたってトビキリの女性でありますよ。(^ァ^)

        ▽▲▽▲▽▲

なんたって、本作で一番の問題児(!)が千葉真一でしょう。
インパクトの面で、主人公・北大路欣也を完全に上回ってました。(^^ゞ

そして、主人公とはまたタイプの違う、超絶ガラの悪いヤクザ像で、観る者に強烈な印象を残します。
子分たちをゾロゾロ引き連れて、絶え間なしにキレ/叫び、あちこち叩きまくるなど、まったくもって騒々しい。 何よりクチが悪い。(笑)
他に類を見ない程の、おっそろしく凶悪なキャラ設定です。

しかしまた、なんて思い切った役作りをやってのけたモンでしょう。(^^ゞ
なんたって、あの千葉真一ですよ。
テレビ番組「キイハンター」(1968~1973)で、好漢/正義の味方を演じて大人気の頃。
テレビの視聴者に植えつけた、カッコイイお兄さんのイメージを、ものの見事にひっくり返してくれました。

        ▽▲▽▲▽▲

組長・名和宏
(主人公にとって、運命の人はこちらなのかも)

映画の序盤、一文無し/孤立無援でいた北大路欣也から「極道にしてつかぁさい」と懇願される組長・名和宏。
願いを聞き入れると共に、その場で、身に着けていた舶来の腕時計を彼に与えます。
太っ腹な振る舞い感激する主人公。(^^ゞ

しかし、これこそが、北大路欣也が任侠の世界/組長・名和宏に呪われた(!)まさにその瞬間でした。

この腕時計を、彼は終世(その短い人生を駆け抜ける間)身に付けて離しませんでした。

そして後に(長年引き離されていた)恋しい梶芽衣子と引き合わせられ、またまた大感激の北大路欣也。
名和宏組長。 なかなか粋な演出をするじゃないの!

って、想わせておいてですね。(^^ゞ
名和組長一流の配慮かと思いきや、その実、これって名和宏の掌の上で転がされてただけだよなぁ。 って、後になって判る仕組みです。orz

なにしろ北大路欣也、恋しいはずの梶芽衣子を前にして、ひしと抱き締めるわけでもなく、彼女を脇に置いて(!)まずは名和組長に平伏しますから。(>_<)

終盤に至っても、梶芽衣子とマサカの再開を果たし(これが今生の別れだってのに)ここでも再び、先に名和組長に平伏してるし。
北大路欣也にとって、命を預けた組長との関係が何より大切なんじゃないかって思えて来ます。(-_-;)

それにしても、この映画、徹底して恋愛要素を排除しに掛かかろうとているかのようです。

そして、それほど大切にした名和宏組長に、結局のところ使い捨てにされるという皮肉。(>_<)

        ▽▲▽▲▽▲

菅原文太。
前作の主人公は健在です。(^ァ^)

今回は、脇に廻って狂犬・北大路欣也を鎮める役割。
前作での暴れん坊ぶりに比べ、落ち着き払った好漢ぶり。 渋さ全開です。
呉に一家を(ささやかながら)構えて、暮らしはキツそうですが。
この映画の中では、比較的(!)まともな役どころ。(笑)

        ▽▲▽▲▽▲

シリーズ二作目「仁義なき戦い 広島死闘篇」。
前作と比べて、ストーリーが随分と単純になりましたね。

一作目「仁義なき戦い」では、ストーリーや人物の相関関係が複雑を極めましたから、こういうのは大歓迎です。
それでも、オレにとっては未だ未だ簡単ではなくて、初見で把握し切れなかったです。(^^ゞ

終盤、逃げ廻る主人公の姿を追った(フィルムの粒子を粗くした感じの)ラフな画質。
その演出にはシビレました。
なんでも、高感度フィルムを使って、それを更に増感して撮ったのだそうな。
(高感度フィルムや増感現像など、その昔、カメラに凝った頃に、自分でも経験済みのワタシでした (^ァ^) )

短い人生を猛ダッシュで駆け抜けた主人公の姿そのままに、コンパクトに凝縮されたシリーズ二作目。 その分、味わいの濃いい映画でした。

 

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Comments

貴方様の解説がまた判り易くておもしろい・・・(^◇^)

Posted by: おキヨ | November 20, 2019 02:40 PM

>おキヨさん
 
ありがとうございます。(^ァ^)
設定は前作のをそのまんま引き継いでいますし(前作と比べて)ストーリーもサッパリしてるしで、気になるキャラ毎に記してみました。(^^ゞ
 
この映画、千葉真一の成し遂げた凄まじい役作り! そこから受けるインパクトが圧倒的でしたね。
アレ(!)を見た当時の千葉ファンは一体どう受け取ったのか? 果たしてどうやって、心の整理をつけたのか?(笑) 気になります。

Posted by: もとよし | November 20, 2019 07:33 PM

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