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October 12, 2019

映画:滝を見にいく

 
 
 

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滝を見にいく
Ecotherapy Getaway Holiday
 
 
監督・脚本:沖田修一
撮影:芦澤明子
出演:根岸遙子
    ・根岸純子
    ・愛称:ジュンジュン
    ・穏やかな笑顔の絶えない温厚な人柄
    ・アウトドアスキルあり
    ・蛇に触れる(笑)
   安澤千草
    ・谷由美子
    ・愛称:ユーミン
    ・ハッキリ語らないけれど水商売
    ・最近男と別れたらしい
    ・愛煙家(これが諍いの元に・・・・)
   荻野百合子
    ・関本百合子
    ・愛称:セッキー
    ・飄々とした人柄
    ・趣味は太極拳
    ・バードウォッチャーでもある
    ・昨年、夫と死別
   桐原三枝
    ・桑田三枝
    ・愛称:クワマン
    ・歯に衣着せぬ文句言い
    ・腰に爆弾を抱える
   川田久美子
    ・田丸久美子
    ・愛称:クミ
    ・声楽畑の人
    ・クワマンと親しい
   徳納敬子
    ・花沢敬子
    ・愛称:師匠
    ・元教師で最年長
    ・カメラが趣味
    ・持ち前の人徳で、自ずとリーダー的存在に
   渡辺道子
    ・三角道子
    ・愛称:スミス
    ・師匠と同じくカメラが趣味
    ・その師匠に対して憧憬を抱く
    ・どこか子供っぽさを残した女性
 
 
         2014年   日本
 
 
今年も山々が紅葉に彩られる季節となりました。 豊穣の秋です。

今回の映画は沖田修一監督(「南極料理人」)の「滝を見にいく」(2014年)。
その内容はと言えば、秋の山で七人の女性が道に迷ってしまうというもの。 ホントに只それだけです。(笑)

これ、実にもうこじんまりとした小品であります。
なにしろ出演した主要キャストの七人は、全員が演技経験不問のオーディションで選ばれたという(ずぶの素人を交えた)中高年女性なんです。
ごく少数のキャストで臨んで、しかも映画スター不在。
(それでも、劇中での諍いや喧嘩、感情が昂ぶって激昂したりするような難しいシーンは、演劇経験者に任せたようですね)

こういったチームで活躍するドラマでは、往々にして中心人物だけにスポットがあたって、他のメンバーはテキトー(その他大勢扱い)に置いておかれたりしますけれど。
その点、この映画では、ひとりひとり、ちゃんとドラマ/見せ場が用意されています。
なにせスター不在ですから。(笑)

        ▽▲▽▲▽▲

なにしろこの映画、美男美女のロマンス、手に汗握るアクションや、涙腺を緩ませるなんてな要素がま~ったくありません。(笑)
ドラマは、あたかも落ち葉の舞い散るように淡々と、緩やかに、穏やかに進められます。
劇的な要素の、これっぽっちも無い作品。

でもね、これが素敵なんです。
紅葉をバックに、細やかな演出、機知に富んだ台詞、繊細な撮影なおなどを通して(人生の秋を迎えた)七人の女性たちの想い、不安、冒険(!)、心情の吐露と変化、そして連帯感の発生と高まりが描かれます。

        ▽▲▽▲▽▲

※ 秋たけなわ。 山々が色づく中を、一台のバスがのんびりと走ります。
この日、山奥に在る「幻の滝」を観光しようと(その後、温泉 (^ァ^) 付き)いう小さなツアーに参加したのは、総勢七人からなる中高年女性たち。

七人は、それぞれが単独の旅だったり、友人同士二人連れであったり。
そこは、おばちゃんたちです。(^ァ^)
バスの中はもちろん(ガイドさんそっちのけで (^^ゞ )山道を歩いていても、お喋りが止まりません。
ともあれこの時点では、まったくまとまりの無い七人でした。

途中からガイドの男性(イマイチ頼りなさげな)に率いられて、山道(ハイキングコース)へと分け入った七人。
山道を歩く間もお喋り(主に世間話し)しっぱなし。(ほら、ちゃんと景色見ないと(笑))

やがて、ルートを見失った様子のガイドさん。(やっぱり orz)
ちょっと道を確認して来ますと言い残し、ひとりで先行するんですけれど、行ったっきり(いつまで待っても)戻って来ません。(>_<)

        ▽▲▽▲▽▲

この映画、劇中で流される音楽は、全てモーツアルト他の名曲を張り合わせた形です。
つまりクラリネット五重奏曲やピアノソナタ18番などが断片的に使われているんですけれど、これが、素晴らしい効果をあげています。

豊穣の秋。 見渡す限り紅葉をまとった山々をバックにした、清澄/平穏な世界。 心に染み入ります。

まぁ、道に迷ってるシーンなんですけど。(笑)

        ▽▲▽▲▽▲

ガイドさんに置いていかれた女性たち。
携帯のアンテナも立っていませんから、手も足も出ない状態です。
このままでは、どうにもならないと、ついに歩き始める七人。
 
 
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が、なにしろ慣れぬ山道です。
手元には簡単な地図(というよりは、イラストと呼ぶのが相応しい)しかありませんし。
歩くうち、いつしか道に迷ってしまいます。
女性たちの不安とイライラは募るばかり。

やがて、ふとしたことから諍いが起こって・・・・おばちゃん同士のケンカ、そして激昂。(>_<)
この辺りの演出、持ってゆき方は巧みです。

        ▽▲▽▲▽▲

そうこうする内、陽が傾いて参りました。
「夜になっちゃう」
秋の日は釣る瓶落とし。

え、ここで一夜を明かすしかないの?
この時点で既にリーダー格となっていた師匠。 さすが果断の人でした。

野宿するんなら、大急ぎで(まだ明るいうちに)準備に取り掛からなければ。
(それにしても野宿って、未経験の人、まして女性ともなれば、かなり思い切った行為でしょうね)
ともあれ、山の中で一夜のサバイバルを余儀なくされた七人。
たちまちチームワークを発揮して、焚き火を熾し、野草/山菜など食料集めに奔走します。
(ここで想わぬメンバーがアウトドアスキルを発揮)

で、食材が揃えば、そこは皆さん、人生のキャリアを積んで来た女性たちのこと。
「このキノコで炊き込みご飯とか作りたくない?」、「あと、お強とかね」(いや、こんな山の中じゃ無理です(笑))
段々と余裕が出て参りました。

決して悲愴になることなく、あくまで明るく乗り切ろうするおばちゃんたち。
自然と高まる連帯意識。(^ァ^)

そしてとうとう、山の夜を迎えました。
焚き火を囲んで(今や周囲は完全なる闇です)明るい内に収穫しておいた食料を味わいながら、他所では出来ないような身の上話/(過ぎし日の)恋バナで大盛り上がりの一堂。 これ、お酒入ってませんよね?(笑)

        ▽▲▽▲▽▲

一夜明け、再び(足取りも力強く)歩きはじめた女性たち。
おや、この景色には見覚えが・・・・
ようやく昨日のスタート地点に戻って来たようです。
一体どこをどう歩いて、ぐるっと一回りしたのやら?(笑)

その時、ジュンジュンが・・・・

        ▽▲▽▲▽▲

およそ派手な要素の無い映画なんですけれど、想いのほか、見終えての満足度は高かったです。
人生の秋を迎えた女性たちの豊かさ、明るさ、可愛らしさ。
この時季に観るに相応しい、良質の小品/佳品と想いました。

 
 

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