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February 17, 2019

映画:怪獣大戦争

 
 
怪獣大戦争
Invasion of Astro-Monster
 
 
監督:本多猪四郎 (本編)
   円谷英二   (特撮)
出演:宝田明
   ニック・アダムス
    (声:納谷悟朗)
   久保明
   水野久美
   土屋嘉男
音楽:伊福部昭
 
 
     1965年   東宝・日本
 
  
 Photo
 
 
「怪獣大戦争」。 これは東宝六作目のゴジラ映画です。

地球の二大大怪獣、ゴジラ・ラドンがタッグを組んで、宇宙からの侵略者・キングギドラを迎え撃つ。 この構図はシリーズ五作目「三大怪獣 地球最大の決戦」とそっくり。 というか、前作からモスラが抜けたカタチですね。
怪獣の座組だけ見れば、パワーダウンの感がありますし、なにしろ怪獣プロレスの展開が前作と似通ってしまいそうです。

でもこの映画、それだけではなかった。
無論、怪獣映画なんですから、怪獣が暴れてナンボなはずですけれど、それよりも、ここでは地球VS侵略宇宙人の攻防が、何よりの見ものになっています。

        ▽▲▽▲▽▲

映画の公開された60年代半ばと言えば、米国が次々と打ち上げた宇宙船(ジェミニなどの)が地球を周回・ランデブー・ドッキングから宇宙遊泳までしてのけた時代。
当時の人々、とりわけゴジラ映画に駆けつける観客層(子供たち)にとって、米NASAから届けられる映像がどれほど刺激的であったことか。
東宝さん、実に良いところを突いて来たナ、と想うわけです。

そして、今回のゴジラ映画に登場する宇宙旅行が(今日の目で見ると)すごく愉しいんです。
謎の衛星の探査に向かう宇宙船P-1号や、宇宙飛行士の出で立ちの(古風な、この時代でしか在り得ない)レトロ・フューチャーなデザインがなんともイイ感じですし、P-1号が宇宙を翔る姿、惑星間を往く疾走感や、大宇宙のスケール感がとっても素敵です。

        ▽▲▽▲▽▲

怪獣ものというより、クラシックなSF映画として見所の多い本作。
 
主演は宝田明、そして米国・ハリウッドから招いたニック・アダムスがあい務めます。
宝田明は1954年の「ゴジラ」、1964年の「モスラ対ゴジラ」に続いての登場。(ゴジラとの関わりは長く、今日までに都合七本(カットシーンへの出演も含めて)ものゴジラ映画に登場しています)
とは言えここまでの宝田明、そのキャラは一作毎に大きく異なるんですね。

・「ゴジラ」(1954年)での、戦後世代の価値観を体現するかのような若者
・「モスラ対ゴジラ」(1964年)での、ゴジラ対策をモスラに委ねようとする姿勢に懐疑的な新聞記者。

などに対して、ここでは未知の衛星を探検する宇宙飛行士、粋な好漢を演じて見せます。
見ているこちらは、ハリウッド俳優と完全に対等に振舞う、その演技に頼もしさを感じさせられますね。

そして、その宝田明とバディを組むニック・アダムスがとっても好い感じなんです。 チームにすっかり溶け込んでいて。

なにしろ60年代の半ばです。
この時代に、戦勝国からスターを招いて、邦人俳優と競演して貰おうというわけです。
では、誰と組ませるか?
そこで宝田明ですよ。

この役者、こうしてアメリカ人俳優と組ませても、引け目ってものを(この時代にあって)これっぽっちも感じさせません。
若干のキザ、バタ臭さを感じさせながら、しかし、ここでの宝田明はホントに素晴らしい。
ニック・アダムスと息の合った(文字通りの)バディを演じていて、ホントにお見事。
過去二作のゴジラものへの出演と比べても(宝田明らしさという意味で)圧倒的にイイですね。

        ▽▲▽▲▽▲

さて、謎の衛星を探検する途中(マサカの!)宇宙人との邂逅を果たした宝田明とニック・アダムス。 その反応は(宇宙飛行士らしく)極めて冷静でした。

宇宙人側の代表者・執政官(土屋嘉男)いわく。
なんでもキングギドラが出没して困っているから、地球の大怪獣ゴジラとラドンを貸して欲しいんですって。

立場が異なれば、その見え方だって違ってくるもの。
宇宙人からしたら、ゴジラ・ラドンも人類に危害を加える厄介者どころか、地球を守る超兵器くらいに見えたのかもしれません。
(本心では、怪獣たちさえ地球から除いてしまえば、人類など恐れるに足らず。 くらいに目論んでいたのカモ (^ァ^) )

ともあれ前作以来、ゴジラのスタンスが 悪 → 善(敵 → 味方)へと大転換をし始めているのは確かです。
ところでこの宇宙人、二頭の大怪獣をリースする際の代償として、ガンの特効薬の製法を教えてくれるって言うんですけどマジですか?

        ▽▲▽▲▽▲

ともあれ宝田明たち、そこは沈着な宇宙飛行士です。
いくら破格の好条件(ゴジラ・ラドンを引き取ってくれて、その上ガンの特効薬までゲット)だからって、その場でホイホイと請合ったりはしません。
というかこの執政官(土屋嘉男)、どこからど~見てもアヤシ過ぎるでしょ。(笑)

        ▽▲▽▲▽▲

執政官の持ち掛けてきた、なんだかウマ過ぎる話・・・・
宝田明とニック・アダムス、この場は

「ひとまず地球に持ち帰りまして、前向きに検討させて頂きます」

的な回答をしておき、案件を携えて帰還します。

一方地球では、いよいよ(人類史上初の)異星人との交流が始まる! とか、持て余していたゴジラ・ラドンを向こうが引き受けてくれる! 更に、ガンの特効薬が得られる! などなど、宝田明たちが願っても無い(都合のイイ)話しを持ち帰って来たんで、皆さん無邪気に浮かれちゃうワケです。(^^ゞ

しかし、二人の宇宙飛行士(宝田明とニック・アダムス)は、執政官(土屋嘉男)への疑いを解いてはいませんでした。
つまり、こんなウマ過ぎる話しに簡単に飛びつくってのは、あまりにもアブナイのではないかと。
まぁ、土屋嘉男扮する執政官の、見るからにアヤシイ様子からして無理もないですね。(笑)
(ストーリーはトンでもな割に)至極現実的な判断力を持つ主人公たち。

一方ニック・アダムスは、水野久美の仕掛けたハニートラップに他愛も無く引っ掛かるのでした。(笑)

さて、ゴジラ・ラドンを(まんまと)宇宙人に奪われてしまった、地球の運命は如何に・・・・

        ▽▲▽▲▽▲

執政官役・土屋嘉男の他、水野久美も古典的な宇宙人スタイルで登場し、この映画のイメージを決定付けています。 この衣装がまたレトロ・フューチャーなシロモノで、一度目にしたら忘れられない、とっても素敵なもの。 当時の人々の、宇宙開発に対する期待が伝わって来ます。

この映画、ラストには(お約束の)三大怪獣のバトルがあるものの、やっぱり、地球人対宇宙人の攻防が面白く描けていて、そこがとっても愉しいんです。
 
 

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Comments

こんばんは~

 お久しぶりかな^^。

面白そうな作品ですね。
こういうのは、いつの時代にもワクワクしながら見られますね。
地球人対宇宙人の攻防ですか^^。
SF映画は好きですよ。

Posted by: みい | February 23, 2019 08:10 PM

>みいさん

ご無沙汰してしまいました。(^^ゞ
ず~っと昔、高度成長期の映画です。
宇宙船とか宇宙人とか、この時代でしかなし得ない古風なデザインで現れまして、今の眼で見ると、むしろオシャレな感じ。(笑)

怪獣映画とは言っても、本多伊四郎監督作品は人間ドラマに重きが置かれ、観ていて飽きません。

Posted by: もとよし | February 24, 2019 07:28 AM

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