« October 2018 | Main | December 2018 »

November 27, 2018

映画:X-メン

 
  
X-メン
X-Men
 
 
監督:ブライアン・シンガー
出演:ヒュー・ジャックマン   (ウルヴァリン)
   パトリック・スチュワート (プロフェッサーX)
   アンナ・パキン      (ローグ)
   イアン・マッケラン    (マグニートー)
 
 
     2000年    米国
  
   
Xmen_1
 
 
みんな大好きX-Men! (^ァ^)
これはその、2000年になって造られた実写映画版です。

原作の方の「X-Men」。 1963年から出版され続けているアメコミについては私、子供の頃から、その存在だけは知っていました。

当時、熱心なSFファン(未だ少数派と言える時代の事です)であった父が定期購読していた「SFマガジン」誌上で、度々アメコミヒーロー特集みたいな企画がありまして、その中でこのX-Menも紹介されていたんです。

大の大人がアメリカの漫画(!)を収集して、原文(英語)のまま愛読/研究し、そしてそれが、日本のSF専門誌で紹介される。 そんな状況。

豊富な英語リテラシーと、アメリカのサブカルチャーを分析するインテリジェンスを兼ね備えた趣味人(今風に言えば、アメコミオタクってところですね (^^ゞ )の世界ってものの存在を意識させられて、子供心に、大いに興味を掻き立てられたモンです。

中でも、X-Menの一員サイクロップスの、目から光線を放つ図が鮮烈に印象に残っています。
水中眼鏡みたいに(^ァ^)ゴツいゴーグルから、凄ぇ破壊光線を放っているカット。 その圧倒的なパワー感/豪快さが、もうアメリカそのものって印象でね。(笑)

とはいえ、その後「X-Men」が日本のマンガ雑誌に転載されたり、ましてアニメ化されたりすることは遂に無く。 私とX-Menとの関わりはそれ切りでした。
 
 
Xmen
  
※ こちらはアメコミ版(映画ではなく)「X-Men」のカット。 センターの一番ヤバそうなのがウルヴァリンさん、目からビームがサイクロップス先輩
 
 
Cyclops

※ これも先輩(違)の勇姿 
 
        ▽▲▽▲▽▲

アメコミヒーローとして長年頑張って来たX-Men。
それが、2000年になって遂に実写映画化!
本作が造られた後も(現在に至るまで依然)アメコミ版・映画版共々シリーズは継続しているわけですから、実に息の長いヒーロー達と言うことになりますね。
素ン晴らしい。(^ァ^)

今回、遅れ馳せながら(今頃になって (^^ゞ )実写映画版の方の「X-Men」を鑑賞してみた私。
子供の頃に抱いたX-Menへの好奇心。 それがここへ来て漸く満たされることになったワケです。
これまた、とても気の長い話しと言う他ありません。(笑)

そんな実写の「X-Men」(相変わらずアメコミ原作の方は未読のままの私ですけれど)、とても面白かったです。(^ァ^)

        ▽▲▽▲▽▲

X-Men。 突然変異によって、常人には持ち得ない(ヤバイくらいの (^^ゞ )能力を得てしまったミュータント達の集団 。
歴代の構成メンバーはかなりの人数に上り、度々メンバーチェンジもなされているようですけれど、本作ではウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)を主人公に据えたところが実に好かった。
経歴不詳の一匹狼にして百戦錬磨のファイター。 人間社会はおろか、X-Menの中にあってさえ周囲と馴染む事の出来ない漂白のミュータントです。

序盤のクラ~い展開と雪景色が、この孤独なミュータントの心象風景を窺うかのようで印象的です。
あまりにも不本意な超能力を得てしまった薄倖のミュータント少女(アンナ・パキン)との絆も好い。

        ▽▲▽▲▽▲

さて、チビ助の頃の私がスゲ~気になっていたキャラ、サイクロップス。
この男、ウルヴァリンと同じチームに居ながら、彼とはことごとく反目し合う中だったんだね。
でも、今回の映画ではウルヴァリンが主人公と言う事もあり、ドラマ的にあまり見るべきトコロがなく、アクションシーンの他ではあんまり印象に残らなかったですねぇ。(^^ゞ

って言うか、この実写版サイクロップス。 グラサン(これは彼の設定上不可欠なもの)掛けて突っ立ってる姿が、なんかマヌケっぽいんですが。(^^ゞ

        ▽▲▽▲▽▲

この映画、あまりイイ関係には見えないX-Men達よりも、敵役であるマグニートー一味(ブラザーフッド・オブ・イビル・ミュータンツ と言うらしいですね)の方が魅力的に映ってるよなぁ(笑)。

とりわけ、リーダーであるマグニートーの悲惨な出自とか、ミュータント迫害を企てる政治家への仕打ちとかには、「盗人にも三分の理」的なものを感じてしまいます。

正義のX-Menと悪のマグニートー一味と、どちらも己の超能力に振り回されて生きるしかないミュータントであって、その本質はさほど変わらぬ、気の毒な運命を背負った者たちです。

この他、X-Menの指導者・プロフェッサーX(パトリック・スチュワート)と、悪の首魁・マグニートー(イアン・マッケラン)のジジイ同士の因縁、示唆させられる人生の陰影が特に素晴らしい。 冒頭からラストまで絡み合い、そしてその先まで引っ張ります。
 
        ▽▲▽▲▽▲

そうして遂に突入するクライマックス、「自由の女神」の胎内バトルは、ハリウッド超大作の割に今ひとつこじんまりとした印象・・・・イヤイヤこれぐらいが丁度好いかナって気がします。(笑)

因みにX-Menの皆さんって、戦闘用コスチュームが地味過ぎ & クラ過ぎ。 っていうか、どう見ても動き難そう & 着心地悪そうなんですが。(笑)

        ▽▲▽▲▽▲

アメコミ的らしく、派手なドンパチの始まる大味なドラマ(はい、我ながら偏見でしかありません orz)かと予想していたら、それどころかとても細やかな心理描写、演出と映像、そして小気味好いアクションで実写「X-Men」の一作目としてとても優れた映画。 たいへん結構な逸品でした。
 
 

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 25, 2018

読書:もっとヘンな論文

 
  
もっとヘンな論文
 
 
   サンキュータツオ 著
 
     2017年   角川学芸出版
 
 
サンキュータツオのヘンな論文集第二弾です。

まことに慶賀すべきことに、前作「ヘンな論文」は好評裏に迎えられているようで。
あちこちで紹介され/取り上げられて、実にイイ感じで受容されているみたいですね。
今回も、他の誰もが顧みることのなかった、世にもユニークな論文の数々が紹介されました。

前作「ヘンな論文」で、取り上げた論文を面白おかしく(そこは芸人と言う、本書執筆者のキャラクター上)紹介したことで、これは著者から嫌がられるカモ、といった懸念もあったみたいですね。
でも、こうして取り上げらることで、対象の専門分野に限らず、各界から注目されることもあるなど、論文執筆者側からも喜ばれているみたいです。
ウィンウィンの関係が出来上がっているようで。 好きかな、よきかな。(^ァ^)

今回も例によって各章毎の表題と、そのネタとなった論文の題名・著者名・掲載誌を併記した上でコメントさせて頂きマ~ス。(笑)

        ▽▲▽▲▽▲

<一本目> プロ野球選手と結婚する方法

 向井裕美子(2008)
  「プロ野球選手と結婚するための方法論に関する研究」

   明治学院大学 卒業論文


まずは女子大生の卒論からですよ。
女の子ならば当たり前に夢見る/時に想い悩む、結婚ということ。
その理想の相手としてプロ野球選手を想定して、その実現方法について考察するって、テーマがド直球過ぎでしょ。(笑)
でも、プロ野球選手と結婚する方法くらい私にさえ判る。 まずは女子アナになれってことですよねぇ。(違)

ともあれこの研究、古くは王・長島。 ちょっと以前ならばイチロー、松井といったスーパースターは別格として、ここでは一般的(?)な野球選手の暮らし/人生模様を分析。

プロ野球選手の皆さんがどんな相手とどうやって出会い、ゴールインするかについて究明してみせます。
 
        ▽▲▽▲▽▲
 
<二本目> 「追いかけてくるもの」研究

  三柴友太(2009)
  「「追いかけてくるもの」研究ー諸相と変容ー」

   『昔話伝説研究』第29号 昔話伝説研究会


独り夜道を歩いていると何者かが追い掛けて来る、的な伝説はあちこちにあるようですね。(なんか 水木しげる っぽい?)
各地に伝わる同様の伝説を収集(追い掛けて来るのが、車やバイクだったりするのが現代的!)、二十一世紀の伝説として分析してゆきます。


※ ここで、わたしの採取した事例をば。(笑)

ワタクシ、若い頃はバイクに夢中で、北海道へとツーリングに出掛けたりしたモンです。
その折に知り合ったライダーさんから聴いた話しで、「仮面ライダー」の噂を聴いた事があります。

なんでも、仮面ライダーがバイクで道道を走っているんだとか。(笑)
で、ツーリング中の他のライダーに「私は普段あまり走らないんだが。 (こうして出会うことの出来た)君は運が好いよ (^ァ^) 」的な意味のことを語って走り去って行くらしいです。
生憎と私は目撃出来なかったですけれど。 会ってみたかったねぇ。(笑)

        ▽▲▽▲▽▲

<三本目> 徹底調査! 縄文時代の栗サイズ

 吉川純子(2011)
  「縄文時代におけるクリ果実の大きさの変化」

   『植生史研究』第18号ー第2号


古代人が遺跡に残した食物の中に栗があったってのは、私も知識として知っていました。
でも、その<大きさの変化>に着目するとは!
筆者はここで「クリの大きさ指数」なる計算式を発案。
なんかヨク判んないんですけれど(笑)、ガチに理系の世界ですよ!
そして、一口に縄文時代と言っても長期(127世紀もの超長期間!)に渡るわけで、その間の気象の変化という事も関わって来る問題でしょうね。

        ▽▲▽▲▽▲

<四本目> かぐや姫のおじいさんは何歳か

 東崎雅樹(2012)
  「竹取の翁の年齢について」

   神戸学院大学人文学部 卒業論文
 
 
これも卒論です。
あの「竹取物語」に登場する竹取の翁。
翁とか言うから、私なんて漠然と、お年寄りとだけ想っていたんですけれど。 その具体的な年齢については、かねて学会でも論争のタネとなって来たらしいですね。 なんでも研究するモンだ。(笑)

卒業論文に取り掛かるに当って、著者はここで学生さん(初学者)らしい、常識に囚われないアプローチを取り入れました。
作品そのものを、改めて徹底的に読み込んだ結果、そこまでお年寄りじゃあなかったろうって結論に。
つまり千年前にこれを書いた作者って、話を結構大袈裟に「盛る」タイプだったんじゃあないかって勘ぐり始めます。(笑)
不詳となっている「竹取物語」作者の人間性までが浮かび上がって来ます。 お見事。

        ▽▲▽▲▽▲

<五本目> 大人が本気でカブトムシ観察

 佐々木正人(2011)
  「「起き上がるカブトムシ」の観察ー環境-行為系の創発」

   『質的心理学研究』第710号


子どもたち大好きカブトムシ。(^ァ^)
これ、オレも夏休みの自由研究でやってみたかったね。(笑)

たかがカブトムシですよ。
ひょいとひっくり返したヤツが、なんとか自力で起き上がるまでの工程を、大の大人がわざわざ研究しますか? したんだね。(笑)
捕まえて来たカブトムシを部屋に放して遊ぶ、みたいな行為から、研究論文をまとめるんですけれど、その文体が実にオモシロイ。

通常、我々がなんらかの文章を読解する場合(例えば横たわった体位から、立ち上がるまでの行為)その主体は(特別な例外を別として)両手両足を備えた者、という前提で読むわけですけれど、それがここでは、脚を6本(手は無い)持つ主体について、緻密な文章で描かれます。 これは、新しい文学/六本足文学の誕生だ。(笑)

それにしても、夏休みの自由研究みたいなこの論文から、唯一無二のオモシロさを見出したサンキュータツオの慧眼!

        ▽▲▽▲▽▲

<六本目> 競艇場のユルサについて

 安藤昌子(2007)
  「曖昧さが残る場所ー競艇場のエスノグラフィーー」

   『現代風俗学研究』第13号


ギャンブルの現場でなければ、見えないものがある。

我が家の近所には中山競馬場がありまして、開催日なんか、近所の路を競馬ファンが次々と通過してゆきます。
一方、近隣の船橋には船橋競馬場。 そして、その近くには(既に閉鎖されていますけれど)オートレース場もありました。
競艇なら、これまた近隣の新習志野(ボートピア習志野)ですね。
競輪場は無いですけれど、以前私が住んでいた多摩川沿いには京王閣競輪場ってのがありました。(^^ゞ
ともあれ、賭け事一通りが揃っている当地って、ひょっとしてギャンブル天国?(笑)

さて本稿の著者は、研究のフィールドとして選んだ競艇場に通う内、その魅力の虜となってしまい、ついには、そこの売店でバイトまでしたらしいです。(笑)
これは、熱心に研究を続ける内に、その対象に取り込まれてしまったパターンですね。(笑)

果たして、今の競艇場はお年寄りなど、他に行く所が無くなってしまった人々にとっての、オアシス的な存在となっているんだとか。 競艇場の懐深さ。
こういうのって競艇場に特有の現象で、他のギャンブルには見られないものなんだそうな。
研究対象に対する愛を感じさせられる論文。

        ▽▲▽▲▽▲

<七本目> 前世の記憶をもつ子ども

 大門正幸(2011)
  「「過去生の記憶」を持つ子供について ー日本人児童の事例ー」

  『人体科学』vol.20
 
 
あなた、生まれ変わりって信じますか?

え~、ここへ来てオカルトですかぁ?(違)
オレ的に、ちょっとばかり苦手なんですけれど。(^^ゞ

なんにせよ、事象を根拠もなしに否定することこそ、一番非科学的な行為。
反証する根拠無しに、「そんな馬鹿な」とか、「ありえない」とか、断定する姿勢それ自体、科学とは相反するってワケです。

そこで、筆者はこれを(ニガ手とか言わずに (^^ゞ )真っ向から研究するわけですね。
研究方法にも色々とあるけれど、これは研究対象となる相手、つまりサンプルがたった一人(=生まれ変わった少年)というパターン。
言わずもがなですけれど、とてもとても真面目で地道な研究です。

        ▽▲▽▲▽▲

<八本目> 鍼灸はマンガにどれだけ出てくるか

 有馬義貴ほか(2011)
  「マンガの社会学:鍼灸・柔道整復の社会認知」

  『健康プロデュース雑誌』第6巻 第1号


マンガを沢山集めまして、その中で鍼灸を扱っている作品がどれだけあるのかを調べるという研究です。
鍼灸というものを世に広めたい/盛り上げたいの一念から始まったのかもしれません。
けれどもこの論文、サンプルが極端に過ぎて、イマイチ納得出来なかったですねぇ。(^^ゞ
扱った数として充分かと言うと、マンガはまだまだ幾らでもあるわけで。
でも実は、サンプル中に幾つか読んでみたいタイトルもありまして。 (研究とはあまり関係ないんですけれど (^^ゞ )

ところで、こういうのって事前にデータベースとか構築されていれば、即座に検索出きるんじゃないでしょうか?(それが文字による検索なのか、画像なのかは、好く判らないけれど)
ことマンガに関して、データのインフラ化ってのがまだまだ未開拓だなって想いました。

因みに著者の勤務校、私と遠~い縁のあるトコロでした。(^ァ^)

        ▽▲▽▲▽▲

<九本目> 花札の図像学的考察

 池間里代子(2009)
  「花札の図像学的考察」

  『流通経済大学 社会学部論叢』第19巻 第2号


花札のデザインに関する研究です。
その遊び方とか、とんと判らない私ですけれど、図案の幾つかについては知っていました。 中々味わいのあるデザインですよね。

そんな花札の図像についての研究論文。
そもそも、花札のデザインってひとつと決まっているの? ってギモンがあります。
例えばこの論文の対象となるのって、任天堂とかから出ている花札一種類が対象のようですけれど、他にメジャーとなり損ねた図案とか、あるんじゃないでしょうか。

花札って、ホントはもっと多彩な種類があるのでは? なんて想うわけです。
そんな非主流派花札の由来とか、土地毎の特長とか、時代による変遷とかも、研究対象となるんでは? なんて、素人なりに考えちゃいました。

        ▽▲▽▲▽▲

<十本目> 「坊ちゃん」と瀬戸内航路

 山田迪生(2009)
  「「坊ちゃん」と瀬戸内航路」

   『海事史研究』第66号


今回の白眉はこの論文。

押しも押されもしない国民文学「坊ちゃん」。
その坊ちゃんが東京から松山へと向かった道程って、夏目漱石が松山に赴任した際に使ったコースと重なるんでしょうけれど、ならば具体的にどんな経路を辿ったのか?

通説では、広島経由の海上ルートで松山に渡ったとのことですけれど、船舶史の研究家である著者は、そこに(往時の客船事情に詳しい方ならではの)疑問を抱いて研究を開始。
漱石と言えば数多の研究者によって調べ尽くされている筈の文豪ですけれど、ここに未だ知られていない盲点があったワケです!

長年蓄えた専門知識を生かし、さらに研究者間のネットワークをも駆使して、従来の定説を見事にひっくり返して見せる著者。
文豪が東京から松山へと向かう旅、その(わずかな期間とはいえ)文学史上の空白を明らかにしてゆく過程のスリリングさ!

本当に見事で、ヘンな論文ハンターのサンキュータツオがすっかり惚れ込んでしまう程の、滅多に出会えない逸品と言える論文でした。
仕舞いには、人間・夏目漱石の存在感、その日常さえ浮かび上がって来る、素晴らしい研究。
と言うか、ホントに面白かった。
 
 

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 18, 2018

小説:桐島、部活やめるってよ

 
 
桐島、部活やめるってよ
 
 
     朝井リョウ
 
        2010年  集英社
 
 
   ・菊池宏樹
   ・小泉風助
   ・沢島亜矢
   ・前田涼也
   ・宮部実果
   ・菊池宏樹

      ▽▲

   ・東原かすみ ~ 14歳
 
 
暫く前に話題となった小説を、今頃になって初めて読んでみました。
(部活って言葉の響きが、なんか懐かしいです)

※ 高校で、バレー部のキャプテン(今時はそう呼ぶんだ? 「部長」とかじゃなくって)を務める桐島君が、どうやら部活を辞めたらしい。
校内を、そんな伝聞が次々と伝わってゆきます。
急に姿を消した桐島と、同じチームにいた者、特に近しかった者、意識して距離をとっていた者。 あるいは間接的に、彼を見知っていた者。
生徒たち、それぞれの立場から、その心象を緻密に、ときにクールに描いてゆきます。

        ▽▲▽▲▽▲

この小説、各章毎に語り手を変えるという、ちょっとユニークな趣向になっています。
(上記タイトルの下に記したのは、いづれも登場人物の紹介ではなくて、章立て=それぞれの章の語り手の姓名です)

著者は、語り手を務める少年少女一人ひとりの性質に合わせて、文体を微妙に変えて来ています。 その文章の調子/措辞の巧みさが見事!
そして、特筆すべきはテンポ感の好さ。 思春期のめくるめく感情をそのまま文字にしたようで、実に素晴らしいです。

        ▽▲▽▲▽▲

同じ学内に居る、あるいは同じクラス、または部活に所属していても、それぞれの位置から眺めるクラスメートの人物像/イメージは、互いに異なるものですね。
例えば、一人の人物について客観的に語るにしても、観察者が異なれば、その印象もまた様々に変化する。 時には正反対の表現さえ、なされるということ。

内気な文科系の子が、体育会系/スポーツ万能のクラスの人気者に根深いコンプレックスを抱く一方で、(一見リア充を謳歌しているように見える)体育会系の子だって、内心では文科系の子の、自分に無いクリエイティブな資質に、密かに一目置いていたりする。

語り手それぞれのポジションから、周囲の人々について語ることで、彼ら/彼女ら一人ひとりの姿が多角的に浮かび上がって来るわけです。
それも思春期の、極端に激しく揺れ動く感性が、ダイレクトに記された文体で。
そこからは、やはり(あまりにアタリマエの話ではありますけれど)鮮烈な印象を受けます。

        ▽▲▽▲▽▲

因みにワタクシ、自分をスクールカースト(オレの頃は、そんな上手い言葉は無かった)の下位に位置づける子には特にハゲシク共感(痛々しい感情も含めて)出来ました。(笑)

この小説、コンプレックスに悩む子/タチの悪いヤツ等々、色々と現れるけれど、恨み/妬みといった感情が意外なくらい出て来ないことで、ザラリとした/ドライな質感のこの小説に、一抹の爽やかさを与えています。
 
 

| | Comments (0) | TrackBack (1)

November 14, 2018

6Pと書いてロッピーと読む

 
 
6p
 
 
ご存知、雪印(正しくは雪印メグミルク(株))の6Pチーズ。
もう、ず~っと昔からありますよね。

なにしろワタシの最初期の記憶の中に、これが登場します。
父の晩酌のアテが、確かこれだったんです。

この大きさで丸いってだけでもユニークなのに、それがしっかりしたケースに入れられて、綺麗に六等分されているという、不思議なカタチ。
それを興味シンシンで眺めていたであろう、幼い日のボク。

おねだりして、父からひとつ、分けて貰ったりしたんだろうか。 なんて想うワケです。
幼児に6Pチーズなんて無理か?
でも、あの親父なら、面白がって与えたりしちゃったかもネ。 で、母に怒られたりして。(笑)

        ▽▲▽▲▽▲

そんな6P。
調べてみたら1954年からあるんだとか。(で、これ、ロッピーって読むらしいですね。 知らなかった (^^ゞ )
なるほど、押しも押されもしないロングセラー商品ってことですね。

それにしてもこの6P(あまりに今更ながら、ですけれど)見れば見るほど面白い形です。(笑)
丸いケースの中にチーズの塊が六つ、一分の隙も無しにキッチリ詰まっている。 ならば機能的かと言うと、そうでもないし。
外形が丸い分、角に当るスペースが無駄になってますよね。
頑固一徹。 もう50年以上、ず~っとムダを貫いてる奴。(笑)

        ▽▲▽▲▽▲

本来チーズを買う習慣って無かった私ですけれど、昨年来、食習慣が一変しましてしまい(糖質制限を開始)、そんな中で、いろんなチーズを食べ比べるようになりました。
で、この6Pも買い求めることに。

そしたらこれが、しっかりとした味と食感で、矢鱈と美味いでやんの。(笑)
比較的安価なプロセスチーズ群の中でも、特に出色の出来と言えそうです。
さすがはロングセラー、一味違うワケだ。

スーパーで安売りの折を狙い定めて(笑)買い求め、食している内に、独特の形状にも愛着が湧き始めました。(今頃!) やっぱこれでなくちゃね!(^ァ^)
 
 

| | Comments (2) | TrackBack (0)

November 12, 2018

船橋散歩:京成大久保駅から戻る

 
 
先日、津田沼の病院に通った日のこと。
診察を終えて、薬局で今月分のお薬を求めた後は(お天気だったし)のんびりお散歩。
京成大久保駅の付近まで脚を延ばしました。

帰りは京成本線を利用しました。
京成大久保駅から乗車しまして、京成西船駅まで。 ローカル鉄道の旅(^ァ^)を愉しみました。

 Photo

意外や乗降客の多い京成大久保駅。
ワタクシ、先頭車両の、それも一番前に乗り込みまして(子供みたい(笑))秋のローカル線を満喫しました。

この路線、やたらカーブが多くって、ゆっくりのんびり往く私鉄という印象です。
やっぱ京成線はイイワー。
テンション上がりっぱなしの私。

途中、通り過ぎた津田沼の界隈なんて、これまでに何度も歩き廻って、最早知り尽くしている筈の風景ですけれど、電車の車窓から眺めることで、新しい発見があります。

そして京成西船駅こそは(閑散としてますけれど(^^ゞ)今の私にとっての最寄り駅。
 
 
Photo_2
 
 

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 04, 2018

読書:生協の白石さん 学びと成長

  
 
生協の白石さん 学びと成長
 
 
    白石昌則 著
 
  
        2012年  ポプラ社
 
 
 
Q.アルバイトが長続きしないんですが、こんな人間が就職して大丈夫なんでしょうか?

A.アルバイトと就職は別ものです。ご安心ください。しかし、もしバイトが長続きしない理由が「疲れたから」「面倒くさいから」という何となくの理由であれば、ご注意ください。社会で就くどの仕事もこれまで以上に疲れるし、面倒なのです。それを上回るやる気を求められた時、力を発揮できるようなお仕事をご選択くださいませ。
 
 
 
生協の白石さんシリーズ(?)の一冊で、これは2012年の著作。
 
白石さん、本書執筆の時点では東京インターカレッジコープ渋谷店の店長さんをなさっているのだとか。
 
一言カードを通じた会員とのやりとり。 今作は特に、ボリューム的に豊富! 沢山のQ&Aが収録されていまして、お徳感で一杯!(^ァ^)
でも、各々のクオリティ(要はオモシロさ)に付いて見てみると、イマイチなのも少なくないですかねぇ。(^^ゞ

第一作「生協の白石さん」(2005年)で驚かされたような、第三者(生協職員でも学生でもない)であるコチラが思わず唸ってしまう程の、秀逸なレベルのものは、以前よりも少なかったたですね。 打率として、若干苦しくなって来たってトコかな?

如何にも学生さん向けの(当たり障りの無い)生協のPR的な内容のものは多かったんですけれど。 でもまぁ、一言カードって本来こうしたものなのかも。
 
当初は自由気ままに(そうは言っても、白石さん一流の律儀さで)回答する事の出来たものが、こうして書籍になることで世間に注目される、つまりは有名になることで、一言カードを書くにしたって、各方面に気を配りつつやらなきゃならなくなって来ているんじゃあないか? 白石さん、ストレス溜まんないかなぁ、なんて案じてしまうわけです。
そうは言っても、今回も十分愉しんじゃったんですけれど。(笑)
 
 
 
Q.ロックな生き方に憧れています。内田裕也みたいになるにはどういすればいいですか?
 
A.生協は学生の皆さまにロックな生き方を提唱する機関ではございません。しかし、内田裕也さんを目指す時点で、と申すより、既存の誰かを目指すこと自体、ロックというよりPOPSではないでしょうか。
 音楽に限らず、オリジナリティの追求こそがロックな生き様かと存じます。ところで楽器につきまして、ウクレレはお取り寄せ可能です。
 
 

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« October 2018 | Main | December 2018 »