映画:必殺! THE HISSATSU
必殺! THE HISSATSU
監督:貞永方久
脚本:野上龍雄、吉田剛
製作:山内久司、櫻井洋三、野村芳樹
出演:藤田まこと
三田村邦彦
鮎川いずみ
ひかる一平
中条きよし
山田五十鈴
片岡孝夫
芦屋雁之助
研ナオコ
中井貴恵
中田浩二
菅井きん
白木万理
1984年 日本・松竹
ご存知「必殺シリーズ」の映画版です。 尺も堂々の二時間超!
1972年にスタートした、この「必殺シリーズ」。
その製作は、京都映画撮影所でした。
低迷していた当時の日本映画界。
時代劇もおしなべて勢いを失い、京都太秦の映画人(東映・大映・そして松竹などの)たちも(それまで電気紙芝居と呼び軽んじていた)テレビの世界に、もはや活路を求めるしかなかったようです。
そんな状況の中から生まれた京都映画撮影所の「必殺シリーズ」は、しかし(ご存知の通り)目出度くヒット & 長寿シリーズに成長!
テレビの放送開始から十数年を越え、話数も六百回を数えて、遂に映画版の「必殺」が造られるまでになります。
この時の彼ら、テレビから映画へと返り咲いた製作陣(つまり元映画人)たちのキモチ、果たして如何ばかりだったでしょう?
▽▲▽▲▽▲
「必殺シリーズ」。 当時テレビで放送していたのは「必殺仕事人IV」でした。
子供の頃、テレビで時々眼にした「必殺」って、ちっとも好いと想わなかったんですけれどね。 でも今、こうして映画版を見てみると、もの凄くイイです。 ホント素晴らしい。
とりわけ映画の序盤~中盤、仕事人たちが依頼人の真意を試し、敵の存在を意識する辺りの演出。
光と影のコントラストの表現がこんなにもハイレベル/芸術性豊かであったとは。 子供の頃に見た時とか、ちっとも判らなかったなぁ。
ここで優れたアート感覚/職人芸を見せてくれる映画の製作スタッフ。 江戸の街々、時代劇の世界を造り上げる、時代劇のプロたち。
私はこれまで、映画を見る際など、監督の他には撮影担当者の名前くらいしか気に止めませんでしたけれど、今では照明とか美術とか、その他の各担当者にも関心を持つようになりました。 ホント、素晴らしい仕事をしてくれています。
それでいて、ストーリーの方は(お話しも後ろにゆくほど)トンデモ展開をみせます。 あーんなことや、こーんなことが起きて、やっぱ「必殺」ってこんなモンだったよなぁって激しくナットク(?!)させられます。(笑)
▽▲▽▲▽▲
スチャラカ同心で家ではダメ亭主、その裏では仕事人と、二つの顔を使い分ける円熟の 藤田まこと。
イケメン枠・三田村邦彦 は、折角の勝負服がイマイチなんですけど。(笑) 忍者なみの身体能力が、いくらなんでもチート過ぎ。(笑)
もうひとり、男の色気枠(?)の中条きよし もハマリ役ですね。
女優では 研ナオコ がお若い! と言うかカワイイ。
そして峰不二子枠(!?)の 中井貴恵 の存在が、お話しをオモシロくしていますね。
あと、大物ゲスト(!)の 片岡孝夫 が超カッコイイです。
菅井きん、白木万理 の嫁姑コンビに付いては言わずもがな。
▽▲▽▲▽▲
「必殺シリーズ」ってクライマックス前の、道行のシーンが粋でカッコ好いんですよね。
窮地に立たされ、いよいよ決戦に立ち上がるまでの、仕事人たちの葛藤。 ボヤくおじさん、藤田まこと。
皆、なんだかんだで情に篤いんだからぁ。(笑)
その後にクライマックス。 殺しのシーンが控えているワケですけれど、私にとっては、あんまり面白くなかったですねえ。
映画版ってことで、かなり頑張って造り込んでくれているんです(つまり長過ぎ & 凝り過ぎ (笑) )けれど、この辺はテレビ並みに、サラッと済ませてくれて好かったのに。
ともあれ人気コンテンツ「必殺シリーズ」十数年の精華を堪能しました。
« 風邪ひいた | Main | Q.B.B チーズ »
Comments