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September 22, 2018

映画:永遠の0

 
 
永遠の0
THE ETERNAL ZERO
 
 
 監督:山崎貴
 原作:百田尚樹
 出演:岡田准一
    井上真央
    新井浩文
    濱田岳
    染谷将太

    三浦春馬
    吹石一恵
    風吹ジュン
    夏八木勲

    平幹二朗
    橋爪功
    山本學
    田中泯
 
 
        2013年   日本・東宝
 
 
原作小説が売れたとなると、その映画化作品だって応分のヒットが見込めますよね。
そこで製作にあたっては、充分な予算を注ぎ込めるというもの。
潤沢なバジェットの下、映画造りに臨める。
それって映画の製作陣にとって、またファンから見ても、全くもって歓迎すべきことです。

この「永遠の0」もまた、そのパターンを辿っているのかなって想って、調べたら総制作費十八億円ですってスゲェ!
でも、これって邦画としてどれ程の額なのか・・・・私には好くワカリマセ~ン。(^^ゞ
そうは言ってもこの映画、造る側の意欲/創意に満ち満ちた、実に中身の濃い作品と感じました。

        ▽▲▽▲▽▲

ともかくこの映画、ストーリーとは別に(笑)太平洋戦争の時代を描いた再現映像として、もう素ン晴らしく出来が好いんです。

おそらくは、時代考証・軍事研究(ミリオタ)・往時の航空機好き(ヒコーキオタ)などなど。 こだわりスタッフが結集して、細部まで凝りに凝りまくった映画なんではないか、なんて私は勝手に妄想を逞しくしちゃってます。(笑)

CGを駆使して実現した映像の見事さは、とにかく圧巻でした。
なにせ戦争映画/ヒコーキ映画って、CGの発達をもっとも享受できる分野ですからね。
ホント、隅から隅まで精緻に造り込んである。
これが兵器と言うことはよく判っています。 が、見る者が強く引き付けられてしまう、タマラナイ魅力がそこにはあります。

        ▽▲▽▲▽▲

※ 戦後60年。 祖母の他界を切っ掛けに、祖父の戦死の顛末を調べようと、かつての戦友たちに祖父の戦いぶりを聴いて廻る姉弟。 やがて、意外な真実に突き当たるのですが・・・・

戦後パートの主人公姉弟が、かつて零戦に乗った元パイロットたちの下を、次々に訪問して廻ります。
平幹二朗、田中泯、山本學、そして橋爪功。
彼らの演技/面構えが、いずれも見事でした。
戦争中共に戦った彼らも、戦後六十年を経て、今では立場も違えば、身の処し方も大きく異なります。
しかし、そんな彼らが等しく抱いているのは、かつて零戦を駆って戦ったという誇り/気概でした。 戦争によって大きく揺り動かされた、それぞれの人生に想いを馳せさせられます。

中でも、病床の橋爪功が昔語りを始めるシーン。
病身をおして身を乗り出し、零戦について熱く語り始める。 そこから太平洋戦争開戦前夜のシーン(戦前~戦時パート)へと映像が切り替わる演出の巧みさ。

悠然と飛翔する零式艦上戦闘機。 大空にしなやかな曲線を描きつつ、空母着艦のアプローチに入ります。
次々と、飛行甲板に舞い降りるのは、いずれ劣らぬ海軍の精鋭たちなれど、未だどこかのんびりとした空気感が漂っていまして、これは平時の姿と言う事が判ります。

この空母「赤城」が画面に映ったところで、ワタクシのハートは完全にノックアウトされちまいました。(笑)

大日本帝国海軍、航空母艦「赤城」。
人間、どんなに見たくとも絶対に叶わぬはず(と想い込んでいた)のものが、突如として目の前に現れると、ホント言葉を失いますね。
CGによって造り込まれた画像ってのは重々承知の上で、しかしCG赤城があんまりリアルなものだから。 ワタクシきっと、あんぐり開けたまんまの口が、しばらくは閉じられなかった筈です。(笑)

そんな赤城はしかし(あり得ないくらい、真に迫って見えるのと同時に)なんかこう、儚くも感じられるんです。
この後、南海に沈む定めと知っているからでしょうか。
でも、当時の日本は、この赤城(をはじめとする艦艇)に(文字通り)国運を賭けていたんですね。
こんなにもあえかなフネに・・・・
 
 
2_2
 
 
そして後半、戦いの中で精神的に病んでしまった主人公が、いよいよ特攻に出ると決まって後、つかの間訪れた静謐な時間。
祖国の山々を仰ぎ、そして清流のせせらぎに耳を澄ます主人公。 こういう描写は本当に素晴らしい。

敗戦後、残された妻子の辿った労苦。 そして彼女らを救済すべく奔走する男(戦死した主人公が、かつて育てた元パイロット)。
終戦直後パートのメロドラマ部分も好かったです。
お芝居として、決して巧みとは言えないけれど、情景(終戦直後の大阪の混乱ぶり)の作り込みや演出が素晴らしく、素直に泣けました。

        ▽▲▽▲▽▲

これほど素晴らしい映画なんですけれど、でも終盤の演出に関しては、疑問符の捨て切れない私です。
ラストに至って、(戦後パートの)主人公の前に幻想の零戦が登場! そして、これまでの登場人物が入れ替わり立ち代り現れて、主人公に捧げるコメントを開陳するわけですけれど、この演出、私はまったく不要と想いました。

ここまで見せておいて、最後がこれかよって。orz
以前、ネット動画(バラエティ番組)で見掛けた原作者の、その饒舌ぶりとイメージが重なって来ます。

最後の、主人公の表情アップも要らないでしょう。
というか、特攻機の搭乗員の顔を覗き込むようなカメラワークには、不遜とさえ感じました。

(現代パートの)主人公一家が揃って、特攻で散った宮部久蔵に想いを馳せる。
書斎で子や孫に(これだけは話しておかなければならない)昔語りを済ませ、それぞれを家に返した後、縁側に独りたたずむ老人の姿・・・・そこで静かに終わる方が好かったんじゃあないかって、そう想います。

好い映画なんだけれど、ラストについては評価したくありません。
 
 

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Comments

映画「連合艦隊」のラストから、それに続く主題歌「群青」が流れるタイトルロール(もしかしてご覧になっていないかもしれないので、ネタバレは避けておきますが)、あんなカンジにしてあったら、と私も思っていました、この作品。

Posted by: weiss | September 24, 2018 at 10:20 AM

>weissさん

「連合艦隊」おそらく未見です。 お気遣いありがとうございます。(^ァ^)

「永遠の0」のエンディング主題歌は桑田佳祐。
雲間を往く主観映像は、音楽ともども素敵なんですが、私(DVDで)再見の時は、零戦が現代に現れるシーンの直前で、視聴を中断してしまいました。(^^ゞ

Posted by: もとよし | September 24, 2018 at 09:42 PM

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