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August 10, 2018

映画:赤目四十八瀧心中未遂

  
 
赤目四十八瀧心中未遂
Akame 48 Waterfalls
 
 
 監督:荒戸源次郎
 原作:車谷長吉
 出演:大西滝次郎 :生島
    寺島しのぶ :綾ちゃん
    大楠道代  :お勢
    内田裕也  :彫眉
    新井浩文  :犀ちゃん
 
 
      2003年   日本
 
 
Akame2
 
 
炎暑の一日、じんわりと汗にじませながら観入った映画「赤目四十八瀧心中未遂」。

難解、と言うか寡黙なイメージの作品でした。
OK、無口なのは嫌いじゃないし。
 
因みに原作も、ずっと以前にですけれど読んでいます。
とても、面白かった。

映画の方も、また結構な出来なのです。
159分と長尺の作品。
その間(原作と同様)ねっとりと濃厚な死のイメージを、観る者に突き付けて来ます。

でも、原作小説が漂わせていた、あの只事ならぬ雰囲気。
どこがどうと具体的に指摘することの難しい、或る種のオソロシサには届いていなかったかと想います。

        ▽▲▽▲▽▲

※ 世の全てに背を向け、何事も成さぬままいたずらに時を過ごして、各地を転々とした挙句、遂にアマ(と呼ばれる関西のある地域)へと辿り着いた主人公・生島(大西滝次郎)。

アマでは、お勢姐さんの世話になり、仕事とアパートの一室をあてがわれます。

日がな一日、独り部屋に閉じこもって(お勢姉さんの酒場で使う)臓物を串刺しにする事、只それだけに打ち込む、アマでの奇妙な日々の始まり。

アパートの住人達は、それぞれがどこか怪しいのですが・・・・

        ▽▲▽▲▽▲

此の世とあの世とを行き来するかのような、儚い蝶々の飛翔。
それを追い掛けて廻る少年。

映画冒頭、これは此の世ならぬ彼岸の世界のこと、と観る者に告げるかのような演出で、見る者をして「赤目四十八瀧~」の世界へと迎え入れます。

でもこれ、私はちょっと意外に感じました。
なにしろ、この作品にはもっと現実的/現世的なイメージを抱いていましたので。
でも、作中に現出するアマと呼ばれる土地は、なるほど彼岸にあるような印象ですね。

        ▽▲▽▲▽▲

そんなアマに棲む面々。 いずれも素晴らしい役者さんです。

とりわけお勢姐さん役・大楠道代の、如何にも数々の修羅場を潜った末に得たと察せられる存在感がお見事。

そして、こちらも役にピタリとハマっている綾ちゃん(寺島しのぶ)、彫眉(内田裕也)、犀ちゃん(新井浩文)ら、いずれも好演。
あと、綾ちゃんのお兄ちゃんがお茶目。(笑)
この面々が、妖しいアマの世界を創り上げています。

因みに途中、寛ぐ彫眉一家(?)みたいな描写があるけれど、このシーン、映画には要らないナと私は想いました。

        ▽▲▽▲▽▲

映画の後半、アマから逃げ出した二人が、ローカル線のシートに並んで腰を下ろす。 このシーンが私は好きです。

迷いごとから解き放たれた時、人はもっとも美しくなる。
ふっきれた表情で寛ぐ綾ちゃんの綺麗なこと・・・・が、やがてそれも想い詰めた顔つきへと変わってゆくのですけれど。

二人してあてどもなく歩き廻り、ひなびた大衆食堂に立ち寄ってカツ丼とビール。

これが最後のメシか・・・・

やがて、引き寄せられるように赤目四十八瀧へと入ってゆく二人。 その奥へ、奥へと。

        ▽▲▽▲▽▲

実際は彼の地では名の通った観光地らしい、赤目四十八滝という所。
関東モノの私は、そのことをまるで知らない分、その情景から切々とした「あの世感」を感じ取ることが出来ました。

この作品で大きな意味を持つ(とワタシは想い込んでいる)迦陵頻伽の彫りもの。
それが映画では十分に生かし切れてはいなかったと想います。 そこが残念。

そして、やっぱり、お終いの蝶々のシーン。 あれは、私は要らなかったと想うナ。
なんなら最初の方も。(笑)

好い映画だけれど、でも、ちょっと長尺に過ぎましたかねぇ。

さて、この映画版の主人公。 お終い迄、救いの無い運命、とはゆかず。
なんかこの先の未来・・・・どこかずっと後になって、ベストセラーでもものしそうではあります。(笑)
 
 

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