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October 22, 2017

映画:まぼろしの邪馬台国

 
 
まぼろしの邪馬台国
Where the Legend Lives
 
 
監督:堤幸彦
原案:宮崎康平
脚本:大石静
音楽:大島ミチル
出演:吉永小百合
   竹中直人
 
 
   2008年   日本、東映
 
 
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「まぼろしの邪馬台国」。
戦後の九州・島原地方で地元鉄道会社の経営に取り組み、更に在野の古代史研究家として名を馳せ、全国に邪馬台国論争/ブームを巻き起こした宮崎康平と、その妻・和子の半生を描いた映画です。

歴史書「三国正史」の内、「魏書」に記された倭国。 中でも魏の使節が訪れたという邪馬台国。 その場所については未だ謎となっています。
一体、日本の何処に在ったのか? そして卑弥呼とは?・・・・永遠に解き明かされることのない古代史のロマンですね。

1967年に出版されたベストセラー。 古代史研究家・宮﨑康平を天下に知らしめた著書(映画と同名の)「まぼろしの邪馬台国」については、かつて私の父の書棚にも在った(生憎と私は未読でありますけれど)筈。 ハードカバーの本(ドラマ中にも出版シーンがあります)の装丁など、微かに記憶していますし。
かつて、ひとつの社会現象にまでなったんですね。

        ▽▲▽▲▽▲

さてこの宮崎康平という人ですけれど、なにしろ滅っ茶苦茶に熱かった!
この映画では、竹中直人がまことに竹中直人らしい、イイ演技をして見せてくれています。 すなわち、超ウザい(笑)オヤジぶりを発揮!
圧倒的なバイタリティで、島原鉄道の経営を牽引する一方で(社長の道楽も同然の)古代史の研究にのめり込んでゆきます。

病気によって視力を失うも、そのハンディをものともせず、ところ構わず歩き廻り、そして怒鳴り散らす。
想ったことは何でも大声で口にするし、事あるごとに忽ち激昂する瞬間湯沸かし器ぶりを発揮!
それも白杖を(周囲を威嚇するかのように)ブンブン振り回しながらなんですから、とにかくウザい! もう、徹底的にウザい!!(笑)

そうは言っても根っから人情味/人間味に溢れる宮崎社長(竹中直人)です。
現場の社員らには妙に人気がありまして、地元で彼のことを悪く言う人は居ません。(と言うか、時に社員から激しい反発を喰らうことはあっても、その実、深~く愛されているんですね)
そんな宮崎康平(竹中直人)が奥さんに迎えたのが和子(吉永小百合)でした。

家庭に在っても昭和の雷オヤジぶり/亭主関白ぶりを遺憾なく発揮する竹中直人。
もちろん、小百合さんだって負けてはいませんよ!
ともあれ、見ているこちらとしてはビックリです。
今時の映画で(それも、あの小百合さんを相手に)よくもまァこんな性格設定を通したよなあって感じで。
まことに、竹中直人でなければ成り立たないキャラですし、また吉永小百合でなければ実現不可能な役でしょう。

        ▽▲▽▲▽▲

盲目の夫と、その眼となって導く小百合さんと。
こうして暮らし始めた二人ですけれど、夫婦として歳月を経る中で、次第に小百合さんのポジションが変化してゆきます。
映画の終盤。
小百合さんは、初めの頃の貞淑な「堪える妻」から、いつしか立ち位置を変えて(相変わらずワガママ一杯な)竹中直人の慈母のような存在になっているではありませんか。

無論のこと、小百合さんは古代史学者ではありません。
そもそも、邪馬台国がどこにあろうが(ぶっちゃけ)大して興味はなさそうですし。(笑) 唯一途に、目の見えぬ夫の手を曳いて歩む妻です。

康平自身、邪馬台国を訪ねて九州各地を歩く中で、ふと漏らすのでした。
邪馬台国が何処にあったかとか、卑弥呼の事なんかより、こうして和子と二人、あちこち旅をしていることそのものが、自分にとってなによりの幸せなんだと。(ある意味、ウラヤマシイ人生だわ~)叶うならば、永遠に続いて欲しい旅、とも。

そんな宮崎が、晩年に至って遂に特定した邪馬台国の場所は、どうやらハズレっぽいんですけれど、でも、どこまでも(その最期まで)手を取り、付き添ってあげる慈母・小百合さんでした。

        ▽▲▽▲▽▲

とっても好い映画でした。
島原に暮らす人々の人情がユーモアを交えて描かれますし、島原近辺の人々の暮らし、それから自然の描写も好かった。
とりわけ、夫婦で九州各地を廻る調査旅行のシーンで、その風景を捉えたカメラが実に(見ていて唖然とするくらい)見事だったし。
鉄道員(窪塚洋介)とバスガール(柳原可奈子)の不器用で一途な恋もまた好し。
それから、エンドクレジットでの九州各地の自然を捉えた写真が、もうすっごい綺麗。
加えて大島ミチルの音楽がまた素晴らしかった。

とても素晴らしい作品だけれど、ただ、序盤の小百合さん少女時代と、終盤の(幻想の中の)邪馬台国シーン。 そこいらは、いらなかったと想うな。
 
 

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Comments

おはようです

 この映画、観ましたよ。
記憶が薄れかけていましたが、もとよしさんの記事で甦りました(笑
美しい風景が印象に残っています。
小百合さんきれいでした^^。
古代ロマンを求めて歩く旅、なんかいいですね^^。

Posted by: みい | October 23, 2017 at 10:55 AM

>みいさん

ご覧になっていましたか。(^ァ^)

九州・島原。 彼の地をほとんど知らない私ですけれど、映画の中の、その風景の綺麗なことにはホントにビックリでした。(^ァ^)

宮崎家は慎ましい暮らしの筈ですけれど、小百合さんは登場シーンの度に違う衣装で登場。 それぞれが素敵なんですね。 まさかの卑弥呼登場シーンもあって、サービス精神もたっぷりの映画でした。(^ァ^)

Posted by: もとよし | October 24, 2017 at 12:20 PM

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