« 津田沼散歩:藤崎森林公園にて風に揺れる蒲の穂に手を伸ばす者 | Main | 映画:マイティ・ソー »

September 02, 2017

映画:三大怪獣 地球最大の決戦

 
 
2
 
 
三大怪獣 地球最大の決戦
Ghidorah, the Three-Headed Monster
 
 
監督:本多猪四郎(本編)
   円谷英二 (特撮)
出演:若林映子(サルノ皇女、金星人の末裔)
   夏木陽介(進藤刑事)
   星由里子(進藤直子記者:新藤刑事の妹)
   
   小泉博    (村井助教授)
   ザ・ピーナッツ(小美人)
   志村喬    (塚本博士)
音楽:伊福部昭
 
     1964年   日本
 
 
東宝のゴジラ映画もこれで五作目。
お馴染みのゴジラ、ラドン、モスラの他、これがデビューとなるキングギドラも登場。 怪獣がなんと四頭も出て来る豪華版です。(表題には三大怪獣とか言っているので、これでは看板に偽り有りですけれど、題名と異なってはいても、それが増える方向になんですから、文句の出よう筈もないですね(笑))
ストーリーも大変オモシロいけれど、この映画からゴジラはじめ怪獣たちの擬人化が進みまくりました。 特撮アクションシーンがまた、随分とユルイ印象になりまして、これってもはやギャグですよ。(笑)

これを境として人類の味方となってゆくゴジラたちの、その転換点がこの映画。
そんなゴジラたち怪獣側にも当然「このまま人間の味方になっちゃうって、怪獣としてどうなのよ?」っていう、ある種の葛藤はあって、そういう意味では、この映画の時点では未だテーマと言えるだけのものが在ったと言えます。

        ▽▲▽▲▽▲

そう、この映画では彼ら三大怪獣がマジメに議論を戦わせるんです。(怪獣語(?)で交わされる会話の内容までは不明ですけれど(笑)) 地球を守るべく、ここはひとつ宇宙怪獣キングギドラを相手に共同戦線を貼るべきか、それとも・・・・

ですが、会談はなかなかまとまりません。
そもそも、ここで説得に当たるモスラは、怪獣ながら武闘派と言うよりは穏健派、人類擁護派の正義の怪獣です。 しかもこのモスラは未だ幼虫(そこは、小美人の後押しがあるとはいえ)。 これって、言ってみれば、大の大人が子供から道を説かれているようなものじゃあないですか。 ホント、いい大人が(大怪獣が)子供に諭されてど~すんのって。

業を煮やしたモスラ(幼虫)。 「もういいや、僕独りでも戦うモン!」と単独でキングギドラを迎え撃とうとするわけですけれど。 それを見せられたゴジラとラドンは、いつまでもワルぶって(?!)もいられず、おっとり刀でキングギドラ迎撃に参戦!
怪獣にだって見栄や面子があるとみえます。 この怪獣たち、ホント人間らしい連中だわ。

で、いざ戦いが始まってみれば、そこは根っから暴れん坊の二頭ですからね、大ハッスルして宇宙怪獣を撃退させるワケですよ。 後々に続く、正義の地球怪獣連合軍 対 悪の宇宙怪獣 の構図がこうして出来上がります。

大怪獣同士の競演って、華やかなのは確か。 でも、これ以降、東宝の怪獣映画はこのVSもの、そして怪獣の擬人化路線という泥沼に、長くハマってしまうのでした。

        ▽▲▽▲▽▲

この作品でデビューを飾った宇宙怪獣キングギドラ。
キンキラキンの鱗で全身を包み、悠然と飛翔するさまはゴージャス!そのものです。
第一、地球産の怪獣がまとめて相手となっても、一歩も引けをとりませんからね。 その千両役者ぶりは流石です。
でも、特撮シーンは大分大味になったよなぁ。(笑)
ともあれ、この映画から悪役はキングギドラに一任することになりますね。
宇宙怪獣(宇宙人) VS オール地球 と言う対立の(ある意味日本らしい)構図もここから。

この映画、ヒロインは正統派美人・星由里子なんでしょうけれど、実質的な主人公はと言えば若林映子でしょう。
中東某国の気高い皇女から、ボーイッシュな出で立ちでしかし無表情な、どこか可笑しい宇宙人スタイルまでをも披露。

 若林映子 「わたくしは金星人」

公開当時(1964年)の上野公園・西郷さんの前でも、一席ぶちますぞ!
それを追い掛ける(お家騒動!)某国の悪者たちと、皇女を守り抜くべく奔走する正義の刑事とジャーナリスト、科学者たち。
この自称・金星人さんの逃亡劇と、怪獣たちの戦いと。 本来ならばストーリーが錯綜して面倒になりそうなところを、これが実にうまく並走していて、最後まで面白い!
サスペンス要素から、ローマの休日的な切ない要素まであって実に愉しい映画です。

        ▽▲▽▲▽▲

大団円を迎えるラスト・シーン。
一同に別れを告げ故国へと帰還する皇女・若林映子。 多くは語らず、であります。
それまで、隙さえあれば兄(夏木陽介)をからおうと待ち構えていたお転婆な妹(星由里子)さえ、ここは傷心の夏木をそっと・・・・ 「ローマの休日」(1953年)のラストシーンの、あの切ない余韻を、どうしてもやってみたかったんですねぇ、本多監督。
 
 

|

« 津田沼散歩:藤崎森林公園にて風に揺れる蒲の穂に手を伸ばす者 | Main | 映画:マイティ・ソー »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/61645/65740681

Listed below are links to weblogs that reference 映画:三大怪獣 地球最大の決戦:

« 津田沼散歩:藤崎森林公園にて風に揺れる蒲の穂に手を伸ばす者 | Main | 映画:マイティ・ソー »