« 第20回千葉県知事選挙 | Main | 津田沼散歩:谷津干潟の木道を歩く »

April 15, 2017

小説:八日目の蝉

 
  
八日目の蝉
 
 
   角田光代 著
 
               2007年
 
 
ワタクシの中で、堅~く封印しておいた筈の角田光代作品。
以前『おやすみ、こわい夢を見ないように』(2006年)を読んだ折り、十二分に懲りてはいるんですけれど、その題名に惹かれて、つい(またしても!)手に取ってしまいました。 はぁ~。

お話しの内容、これが突拍子も無いものなんですけれど、でも、妙にリアリティを感じますね・・・・ひょっとして、本書を書く際にモデルとした事件とか、あったのでしょうか?

小説の序盤、世にも不幸な運命に弄ばれる主人公の選んだ道は・・・・世間一般の価値観、正義/倫理などから見て、あからさまに相反している、ある行いでした。

結果、主人公の数奇にして長~い逃避行が始まるのですけれど、でも私はこの間のシーンの一つ一つに魅了され、いつか夢中になって読み耽っていました。

主人公の選択、それはもう明白に許されざること、絶対ワルイことに違いないんですけれど、でもそこに、ある種、昇華された美しさを感じ取ってしまう。
どこか奇妙な感覚を味わいつつも、強烈に惹かれてしまったんですね。

文章が、静謐で抑えたものであるのに対して、ストーリー展開の方は、もう怒濤のそれ。
スゴイですよ、このお話しは。

ともあれ、私がこれまでに読んだ角田作品(と言っても、連作短編集『おやすみ、こわい夢を見ないように』の一冊のみナンですけれど)とはハッキリと違う味わいです。

これが前半。

        ▽▲▽▲▽▲

明確な二部構成を取っている本書。
後半になってから、かつての私が(『おやすみ、こわい夢を見ないように』で)体験したのと同様の、どよ~んと厭世的な角田世界に突入します。 あちゃ~。

ホント、虚を衝かれた格好でしたよ。
マァ、こうなるよね。 角田作品だもの。(笑)

そうは言っても、ここまで来たら、今更引き返せませんって。
後はひたすらに強行突破。 読破する以外の道は考えられませんでした。

結局のところ、私がかつて読んで辟易した角田ワールドに、またしても連れ戻されることに。 トホホ。

        ▽▲▽▲▽▲

そうは言っても、小説のお終いまで、私はキッチリとお付き合いしましたよ。
哀れな主人公の運命が気になってしまって、このまま放り出すわけには行きませんって。

相変わらずの完全なる女性視点に、終始傍観者の気持ちで立ち会ったワタクシ。
それにしても容赦の無い運命、と言うかプロットにみちみちた小説ですなぁ。

措辞、修辞の巧みさは相変わらずで、やっぱりこの作者の小説力は凄い、と再認識させられました。
好い小説には間違いありませんけれど、今回もまた、なんかこう、複雑な後味が残っちゃいましたね。 
  
 

|

« 第20回千葉県知事選挙 | Main | 津田沼散歩:谷津干潟の木道を歩く »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/61645/65154945

Listed below are links to weblogs that reference 小説:八日目の蝉:

« 第20回千葉県知事選挙 | Main | 津田沼散歩:谷津干潟の木道を歩く »