« June 2016 | Main | August 2016 »

July 31, 2016

映画:ニッポン無責任時代

 
  
ニッポン無責任時代
Irresponsible Era of Japan
 
 
監督:古澤憲吾
脚本:田波靖男、松木ひろし
撮影:斎藤孝雄
音楽:神津善行
製作:安達英三朗、渡辺晋
出演:植木等     (平均)
   ハナ肇      (太平洋酒・氏家社長)
   谷啓       (太平洋酒・部長)
   犬塚弘      (太平洋酒・社員)
   桜井センリ    (太平洋酒・社員)
   石橋エータロー (太平洋酒・社員)
   安田伸      (太平洋酒・社員)
 
   重山規子    (太平洋酒・社員)
   中島そのみ   (芸者)
   団令子     (ホステス)
 
   峰岸徹     (氏家の息子)
   田崎潤     (太平洋酒・新社長)
   由利徹     (北海物産・社長)
 
  
 ※挿入歌
   「ハイそれ迄ヨ」
   「無責任一代男」
   「やせ我慢節」
   「五万節」
   「ドント節」
   「スーダラ節」
     作詞:青島幸男、作曲:萩原哲晶
 

     1962年   日本
 
  
The_crazy_cats2_1
 
 
ハナ肇とクレージーキャッツの全盛時代を知らないで育った私です。
もちろん、私とて子供の頃からテレビで見て、クレージーキャッツの存在を知ってはいましたけれど、でも、あんまり関心はなかった。 なにしろ当時は、ザ・ドリフターズの方がずっと好きでしたからね。 子供ってそういうもの。
 
ジャズバンドからスタートし、やがてコメディバンドへと転進して大成功を納めたクレージーキャッツですけれど、彼らの活動はそれだけに留まらなかった。
植木等や(この映画でも重要な役割を演じている)ハナ肇・谷啓はじめ、メンバーそれぞれが、クレージーキャッツとしての活動をキープしつつ、個別に映画/テレビで活躍。 つまりグループでの活動とソロ活動とを兼務/両立させたんですね。
そういった個々の活躍が、またクレージーの更なる人気にも繋がるワケで。 今時の人気グループ(SMAPみたいな)の戦略を先取りしていたとも言えそうです。

この映画「ニッポン無責任時代」は、クレージー全盛期の1960年代に続々と作られた一連の東宝クレージー映画の嚆矢にして代表作です。 主役はもちろん植木等。

        ▽▲▽▲▽▲

と言うわけで、大いに期待して鑑賞に臨んだ私ですけれど、でも初見の際は、一体どこが面白いのか(我ながら情けないことに)まるで判らなかったです。 はぁ。

それがDVDを再見、三見、四見する(我ながらシツコイですね)間に、認識が大転換!
その魅力に覚醒(!)しまして、以来、面白いのなんのって・・・・もう幾度となく観返しています。 こうなると、当初はいささか古臭く想えた台詞の一々さえ、粋に聴こえ始めるから不思議なもの。

なにしろ最初に観始めた折は、その題名からして、さてはおバカで楽天的なだけの映画に違いあるまいって(だって「ニッポン無責任時代」ですよ)想い込んでいた私です。
テーマもイズムも抜きで気楽に楽しめる、気の置けない娯楽作品を期待していたんですけれど。 でも、そうではなかった。(繰り返し見て、ようやく気が付いたんですけれど)

主人公の平均(植木等)は、自ら「無責任」を標榜する男。
おっそろしく口達者で、人の心を巧むのが上手く、なにより要領がイイ。
太平洋酒なる会社に入社するや、たちまち社長(ハナ肇)に取り入って、要職に就いてしまいます。 そんな男ですから、人の反感も買うけれど、当人はへっちゃら。

この男、底抜けに明るく、誰にもフレンドリーに接するんですけれど、しかし決して優しい人/善人ってワケじゃあない。 周囲を自分のペースに巻き込むことが巧みなんだけれど、でも当人はあくまで孤高の人なんだよね。(だから、時に人から手痛く裏切られることだってある)
ともかくメゲルということを知らない、そして自らの規範に忠実に生きる、ある意味で気骨の人なんですね。
こういう男の所に人心は集まり、チャンスは舞い込むもの。 「銭のない奴ぁオレんとこへ来い。 俺もないけど心配すんな」なんでありますよ、まさに。

植木等の魅力を100%引き出した、人物設定の巧みさ!
クレージーのメンバーをはじめとする脇役の人々がまた絶妙です。
演出も調子好く、スピード感があって、そしてなにより粋でスマートなのが素敵です。 この映画を繰り返し観る度、そう想う。
 
 
The_crazy_cats1_1
 
 
撮影の当時、三十代半ばの植木等。 唄って踊って逆立ちまでするなど、エネルギー横溢!
高度経済成長期の空気と、全盛期クレージーキャッツの魅力を味わうことの出きる傑作でした。
 
 

| | Comments (2) | TrackBack (0)

July 10, 2016

第24回参議院選挙

 
 
選挙権年齢が十八歳以上へと引き下げられて初の国政選挙です。

その投票日の今日、私は早めの時間を狙って、地元の投票所へと行って参りました。
相変わらずの風邪っぴきで、体調も好くなかったんですけれど。 ゲホッ、ゲホッ。 投票所が近所にあると、こういう時に助かります。

選挙の投票率・・・・ワーストの常連である千葉県民としては、どれだけの人が投票に来るのかも気になりますね。
選挙と言えば、つい先日のこと。 EUからの離脱を決める英国の国民投票で、その大方の予想を覆した結果は、あまりにも記憶に新しいところ。
そのことも、この日の投票に影響を与えて来はしまいか、なんて考えている私です。

選挙で訪れる度、閑散としていたこの投票所ですけれど、今回は想いの外、人数が集まっていました。 この投票所で行列に並んだのって(多分)これが初めてのこと。 選挙の結果、政治の趨勢がどうなるのかは置いといて、ここだけは、ちょっと安心しました。

体調が悪い時って、空の蒼さが却って恨めしくなりますね。 投票を済ませたら、速攻帰宅です。
ちなみに、人生初めての選挙に臨むであろう若者の姿は・・・・私の投票所滞在中、特に見当たらず、でした。
 
 

| | Comments (4) | TrackBack (0)

July 09, 2016

東京散歩:皇居一周

 
 
折角、振り替え休日を貰ったってのに、誤って、その日の出勤しちゃったもとよしです。(バカだねぇ)
速攻!回れ右して(どんだけ仕事が好きなんだって笑われつつ)帰ったんですけれど、なんか風邪気味でしたし、まぁ丁度好かったです。

ですけれど、折角東京まで出て来たわけだし、ここまま帰ったんじゃ勿体ないかな(そこは持ち前の貧乏性で)と。
久々に、歩いて皇居を一周してやろうと想い立ちました。

東京駅から真っ直ぐに進んで皇居のお濠に達すれば、ここが大手門。
これを起点として、ぐるっと時計回りに歩き始めます。
平日とはいえ、どんどんと追い抜いてゆく皇居ランナーの皆さんが絶えません。 人気のジョギング・コースなんですね。

お堀の向こうは緑も濃く、のんびりと歩きながら、景観を愉しむことが出来ました。


 Photo
  (画像はWikiから)


途中、以前私が働いていた辺り(半蔵門、英国大使館付近)でちょいと寄り道をしてみまして、かつての職場付近を訪ねてみました。
この辺は建物もお店も、そのひとつひとつがお洒落で、なんかこう気分が浮き立ちますなぁ。 昔は、こんな風景の中で仕事していたんですねぇ。
が、私の記憶なんて曖昧なもの。 肝心の職場の辺りが随分と様変わりしていたこともあり、迷子になっちゃいました。

仕方なしに引き返して、皇居一周コースへと復帰。
皇居周辺はランナーの他、観光客の姿もちらほら。 中国人観光客が圧倒的多数で、取り分け皇居外苑に多し。

拙宅に戻ってみれば、しっかり風邪っぴきでした。
やっぱり散歩なんて止して、素直に帰って寝ていた方が好かったみたいです。 トホホ。
  
 

| | Comments (2) | TrackBack (0)

July 01, 2016

映画:モスラ対ゴジラ

 
 
モスラ対ゴジラ
Mothra vs. Godzilla
 
監督:本多猪四郎(本編)
   円谷英二(特撮)
脚本:関沢新一
音楽:伊福部昭
出演:宝田明    (酒井市郎:新聞記者)
   星由里子   (中西純子:カメラマン)
   小泉博    (三浦:生物学者)
   藤木悠    (中村:新聞記者)
   田崎潤    (丸田:編集部デスク)
   藤田進    (陸自ゴジラ対策本部長)
   佐原健二   (虎畑:悪徳実業家)
   田島義文   (熊山:ハッピー興業社社長)
   ザ・ピーナッツ(小美人)
 
 
      1964年     日本
 
 
通勤電車の窓から、新作ゴジラの広告を見る今日この頃。
なんでも近々、ゴジラの新作が公開されるのだそうで、ファンとしては心強い限りですね。
さて今回は怪獣映画の名作、1964年版の「モスラ対ゴジラ」を見返してみました。

        ▽▲▽▲▽▲

大型台風が日本を通過した翌日のこと。 とある漁村に、途轍もなく大きなタマゴが流れ着きました。

巨大タマゴは、インファント島に棲むモスラのものでした。
ここにゴジラを登場させれば、タマゴを守るためモスラ(成虫)が飛来して、バトル開始! これで怪獣映画の一丁上がりです。

でもこの映画は、それだけにはしなかった。
前作「キングコング対ゴジラ」で娯楽映画を極めた製作陣としては、そこから一歩進めた、メッセージ性の高い怪獣映画を目指したんじゃあないかと想います。

今日、名作怪獣映画として語り継がれる「モスラ対ゴジラ」。
込められたメッセージには、いささか中途半端の感がありますけれど、でも映画としては実に面白いんで、一視聴者として文句なしです。

        ▽▲▽▲▽▲

この浜で獲れるものは、すべからく漁民の財産。 そういう理屈で、流れ着いた巨大タマゴの所有権を主張する地元民。

一方、そのタマゴに観光資源として目をつけ、漁民から買い上げるのは、如何にも胡散臭い興行師。 そのバックには、悪徳実業家の姿が見え隠れします。

ここに現れるのは、誰も彼もが強欲で、オノレの欲望のままに突き進み、邁進する人々です。 高度成長期の映画らしい社会風刺と言えるでしょうか。

悪役コンビを演じるのは、東宝特撮映画の常連、佐原健二と田島義文。
いつもはイイ人役の二人が、この映画では悪役を好演。 これが愉しい。
普段とは正反対の役を、本人らが愉しんで(ノリノリで!)演じている様子が伝わって来ます。

        ▽▲▽▲▽▲

それにしても、鄙びた漁村の浜に引き上げられた巨大なタマゴと、それを取り囲む人間たちってのが、なんとも奇態な構図ですなぁ。
 
 
_3
 
 
怖れと好奇心と欲の入り混じった、人々の視線。

        ▽▲▽▲▽▲

漁民の純朴さに付け込み、巨大タマゴを手中にした、佐原健二と田島義文の悪人コンビ。
その前に現れたのが、モスラを守護神と崇めるインファント島から来た小美人(ザ・ピーナッツ)。 今回はモスラ(成虫)をタクシー代わりに使っての極秘来日です。
 
 
ザ・ピーナッツ(ユニゾンで) 「タマゴを返して下さい」
 
 
それにしても、ザ・ピーナッツ演じる小美人って、怪獣映画史上最高の当たり役ですね。 改めてそう確信しました。
その歌声については言わずもがな。
小美人二人の台詞と所作のシンクロした演出が神秘的だし、悪人コンビを不安そうに見上げるたたずまいがまた素晴らしい。
 
  
_2
 
 
ですが、世にも貴重なモスラのタマゴです。 悪人コンビがそうおいそれと手放す筈も無く、あまつさえ、小美人を捕えて見世物にしようと画策する始末。
あえなく交渉決裂です。

        ▽▲▽▲▽▲

そうこうしている間に、強引な干拓事業(これまた社会風刺の対象)を進めていた倉田浜にゴジラが出現!

干拓地の土がもりもりと盛り上がって、尻尾からドーンと現れるゴジラの登場シーンはインパクト絶大です! 歴代のゴジラ登場シーンのなかでも、特筆ものの素晴らしさじゃあないでしょうか。
今回のゴジラは、身体の造りのしなやか(頭部とか尻尾とか)さがステキです。

自衛隊は対策本部長(藤田進)を中心に、ゴジラ対策を講じますけれど、果たして勝ち目はあるのか?

そうだ、モスラに来て貰おう!
宝田明・星由里子・小泉博らは、インファント島に棲むモスラ(成虫)に、ゴジラを退治させるアイデアを想い付きました。

        ▽▲▽▲▽▲

だけど、ちょっと待った。
そのお願いは、あまりにもムシが良すぎるのでは? と疑問符を投げ掛けるのは熱血新聞記者の宝田明。 ここで彼は、この映画の主演/ヒーローのポジションに居るヒトらしからぬ消極発言を開陳します。

だって、日本の浜に流れ着いた以上、タマゴはこちらのものだから返すことは出来ません。 でも、ゴジラが暴れて困っているから、日本まで来て助けて下さいってのは、あまりにも手前勝手な理屈じゃないですか、だって。(オレもその考えにはナットクだな)

そうは言っても、天下無敵のゴジラを相手にして、他に手の打ちようもないワケだし。 ここは無理を承知で、インファント島へ出向いてお願いするしかないよと反論する、こちらは科学者らしく現実的な小泉博。


宝田明 「僕は断ります」
田崎潤 「どうしてだ」
宝田明 「だってそうじゃないですか? 向こうの頼みは断っておいてですよ、こっちが大変だからって、頼みに行けた義理じゃあありませんよ」
小泉博 「インファント島の人たちは、僕たちを虫のイイ奴だと軽蔑するかもしれないけど、それは甘んじて受けるよ。 そして、心から頼んでみる積もりだ」


結局、三人はインファント島へと飛び、交渉の末、最後は星由里子の説得で、モスラ(成虫)を、ゴジラ討伐へと向かわせることに成功します。
小美人いわく、このモスラ(成虫)は寿命が尽きかけて余命幾ばくも無く、今ゴジラと闘えば、生きて島に帰っては来れないとのこと。

それにしても、欧米が南洋でやらかした原水爆実験のお陰で、猜疑心MAXになっている島の人々と小美人から、破格の好条件を引き出してみせた星由里子。 交渉の達人過ぎます。

        ▽▲▽▲▽▲

かくしてモスラは、ゴジラの暴れる廻る日本に飛来。


ザ・ピーナッツ(ユニゾンで) 「あたしたち、約束は守ります」


だって。(ちょっと皮肉っぽい?)

ここに、モスラ(親子)とゴジラとの、戦いのゴングが鳴りました。
怪獣映画ですから、このバトルも愉しいんですけれど、それよりも、そこへと至るドラマが何より面白かった。 今回は、大人の視点で見ていたワタシです。

それはそうとして今度の「シン・ゴジラ」、早く見たいよね。
 
 

| | Comments (4) | TrackBack (0)

« June 2016 | Main | August 2016 »