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January 30, 2016

映画:遠すぎた橋

 
 
遠すぎた橋
A Bridge Too Far

 _6
 監督:リチャード・アッテンボロー
 脚本:ウィリアム・ゴールドマン
 出演:

 <英軍>
  エドワード・フォックス (英・機甲師団 司令官)
  マイケル・ケイン    (英・機甲師団 大隊長) ④

  ダーク・ボガード    (英・空挺 司令官)
  ショーン・コネリー   (英・空挺 師団長) ③
  アンソニー・ホプキンス (英・空挺 大隊長) ③
 
 <ポーランド軍>
  ジーン・ハックマン   (ポーランド・空挺 旅団長) ③
 
 <米軍>
  エリオット・グールド  (米・空挺 連隊長) ①
  ジェームズ・カーン   (米・空挺 軍曹) ①
  ライアン・オニール   (米・空挺 師団長) ②
  ロバート・レッドフォード(米・空挺 大隊長) ②
 
 <独軍>
  ハーディ・クリューガー (独・親衛隊少将) ②
  マクシミリアン・シェル (独・親衛隊中将) ③

 <民間>
  ローレンス・オリヴィエ (蘭・医師)
  リヴ・ウルマン      (蘭)
 
 
     1977年    英国、米国
 
 
私はこの映画を高校時代に、静岡市内の映画館で観ています。
かつてない超大作戦争映画の公開ということで、当時話題となり、確かテレビで特集をやっていたような。
で、高校生の私も期待しまくりで観に行ったんですけれど、しかし好く判らなかったですねぇ。(笑)

その映画「遠すぎた橋」を、今頃になってDVDで再見。
自宅ですから、マイペースな鑑賞が許されるわけです。
そこで再生の途中、何かしら判らないことのある都度、キャストの面々やら実際の戦史、更には映画ファン・サイトの分析など、一々ネットで検索してみたんです。

DVDを一旦停止して、ネットで調べて、また再生に戻って・・・・を何度も繰り返すもんだから、PC上はメディアプレーヤーとブラウザとが並んで立ち上がっている状態です。 一種の「ながら再生」ですかね。 観終えるまでに、随分と時間が掛かっちゃいました。

疑問に想うことがあったら、なんでもその場でチェック。
こんな鑑賞スタイルを採った今回は、初めっからお終いまで(退屈する暇も無しに)とっても興味深く鑑賞する事が出来ました。
DVDとインターネットさまさまです。 やっぱり、高校生がたった一度観て、愉しめるって映画じゃありませんでしたね。(笑)

        ▽▲▽▲▽▲

※ 時に1944年9月。 連合軍の補給線は延び切っており、戦線は膠着状態に陥っています。 それを打破するべく立案されたのがマーケット・ガーデン作戦でした。

1.オランダ領内数箇所の橋に空挺部隊を降下させ、それぞれを同時に急襲!
2.ベルギー側から戦車隊を進め、「1」で奪取した橋から橋へと要路を制圧して行く!

この空陸両面作戦で、ベルギーからオランダ領内を通過してドイツへと至るルートを確保しようと言う筋書きです。

映画は各橋の攻略に掛かる空挺部隊①②③と、陸路を進撃する戦車隊④、そして迎え撃つドイツ軍のそれぞれを、同時進行で描いてゆきます。
が、その部隊にしろ、登場人物にしろ、なにしろ(大作戦に相応しく)数が多い上に、場面もどんどん(問答無用に!)切り替わるもんだから、シーンのそれぞれが一体どの地域で起こっている事なのか、判り難いったらないんですね。
そんな映画に、歴史/地理/軍事についてのいささかの知識もなしで臨んでしまった、当時の私。
ワケが判らなかったのも当たり前です。(笑)

上に記しました大勢のキャストの皆さん。
著名な俳優、いわゆるスターだけに絞ってみてもこんな具合になります。(皆さん、実際の肩書きはもっと複雑なんですけれど、ここでは(無理やり)略しました)
莫大な額に上ったであろう制作費は、あるいは集客力を持つスターたちを大量投入することにより賄う目論みだったんでしょうか。

さて、この映画でむしろ特筆すべきは、その十指に余るスターの背後に広がる景色の雄弁さです。
おっそろしく沢山の航空機、落下傘、戦車をはじめ軍用車両、なにより大勢の人ひとヒト・・・・
文字通りの人海戦術ってものを、スクリーン上に再現してみせてくれたことで、自分が歴史の一場面に立ち会っているかのような興奮を味わいました。
無論、その撮影には途方もない額のお金が掛かっていることでしょうけれど、でも、それだけのことはあったワケです。

        ▽▲▽▲▽▲

それでは、今次作戦の内容をまとめてみましょう!

イギリスの基地から飛び立った空挺部隊①②③が目標の橋の付近に降下。(映画の中では、アイントホーフェン、ナイメーヘン、アルンヘルムの三橋が中心に描かれます)。 それぞれを急襲制圧し、やって来る戦車隊を待ち受けます。

一方、マイケル・ケイン率いる戦車隊④はベルギーを発して北上を開始。 橋から橋へと進撃し、ドイツへ向かうルートの確保を目指します。
三日目までに、マイケル・ケインたち④がアルンヘルムの橋を通過出来れば、作戦は成功です。

        ▽▲▽▲▽▲

<イギリス>
    ・空挺部隊①②③がそれぞれ輸送機に乗り込み、
     攻略目標の橋へむけて出発!
 
 
 
<ベルギー領側>
  レオポルドビル 英第30軍団司令部
  ↓
  ↓ 戦車隊④が出発!
  ↓ ・国境を越え、オランダ領内を進撃
  ↓   マイケル・ケイン(英)
  ↓
  ↓
  ↓
  〕〔  アイントホーフェン(ソーン橋)
  ↓ ・空挺部隊①が降下。 浮き橋を敷設
  ↓   エリオット・グールド(米)
  ↓   ジェームズ・カーン(米)
  ↓
  ↓
  〕〔  グラーブ橋
  ↓
  ↓
  〕〔  ナイメーヘンの橋
  ↓ ・空挺部隊②が降下。 ドイツ軍に辛勝
  ↓   ライアン・オニール(米)
  ↓   ロバート・レッドフォード(米)
  ↓   ダーク・ボガード(英)
  ↓
  ↓   ハーディ・クリューガー(独)
  ↓
  ↓
  〕〔  アルンヘルムの橋
  ↓ ・空挺部隊③が降下。 部隊が分散して
  ↓  しまい、ドイツ軍の精鋭を相手に苦戦
  ↓   ショーン・コネリー(英)
  ↓   アンソニー・ホプキンス(英)
  ↓   ジーン・ハックマン(ポーランド)
  ↓
  ↓   マクシミリアン・シェル(独)
  ↓
  ↓   ローレンス・オリヴィエ(蘭・医師)
  ↓   リヴ・ウルマン(蘭・主婦)
  ↓
  ↓

<至ドイツ領>

        ▽▲▽▲▽▲

かくして1944年9月17日。
空挺部隊①②③を乗せた輸送機は英国より飛び立ち、各々攻略目標とする橋へと向かいました。
輸送機の大編隊と、それから降下する落下傘の大群(空を覆い尽くさんばかりの)が圧巻!

一方、ベルギー領レオポルドビルを出発したマイケル・ケイン率いる戦車部隊④は、オランダ領内へ踏み入って早々、ドイツ軍の反撃を受けます。
この為、予定のスケジュールから若干の遅延を来たしますけれど、この辺りはまだまだ余裕♪

        ▽▲▽▲▽▲

空挺部隊①の担当したアイントホーフェンのソーン橋は、ゴッホの画にでも出て来そうな鄙びた木造橋。
エリオット・グールド率いる米空挺部隊がいち早く制圧に向かうも、ドイツ軍の砲撃によって目の前で粉砕されてしまいます。
エリオット・グールド「シット!」
急ぎ軍用の浮き橋を取り寄せ、突貫工事により架橋します。
両軍が接近し緊迫する森の中で、ジェームズ・カーンがジープを疾駆させる名場面がここ。

ようやく浮き橋が完成して、戦車隊④を通過させますが、当初のスケジュールから36時間もの遅延を来たします。

        ▽▲▽▲▽▲

ライアン・オニール率いる空挺部隊②はナイメーヘンに降下して橋の攻略に取り掛かりますが、しかし予想外の苦戦。 スケジュールからの遅れはいよいよ深刻となります。

行き詰まった情況を打破するべく抜擢されたロバート・レッドフォードは、白昼堂々の敵前渡河作戦を敢行!
数多くの犠牲を出しながら、遂に橋を陥落させましたが、しかし連合軍内は横の連絡悪く、戦車隊に橋を渡って先へと進ませる許可が下りません。
決死の作戦が無駄となってしまい、ロバート・レッドフォード激怒!

        ▽▲▽▲▽▲

空挺部隊③が向かったアルンヘルムの橋は、この作戦中最大の激戦区でした。

ショーン・コネリー率いる本隊は、橋から遠い場所に降下してしまいました。 その上、グライダーの着陸失敗により機材を失い、通信機も不調というツキの無さ。

橋の付近に降りていたアンソニー・ホプキンス率いる別働隊が、先行して橋の手前に展開するも、相手は精鋭のSS装甲師団。 どこまでもツキがありません。
結果、橋上と市街での目も当てられない乱戦へと突入。 戦局は長引きますが、もともと兵の数や携行する武器に限りのある空挺部隊ゆえ、長期戦になっては勝ち目がありません。
アルンヘルムの橋のたもとで、アンソニー・ホプキンスの部隊は孤立してしまいます。

この局面で一番割を食ったのが、ジーン・ハックマン率いるポーランド軍。
遅れて降下した彼らを待っていたのは、極めて厳しい戦況でした。(実際には作戦三日目の出来事ですけれど、それを映画の終盤へと持って来たことで、何を今更な感じが強調される仕掛け。 この辺り、映画の構成は巧みです)

遂に連合軍はアルンヘルムを諦め、ナイメーヘンまで撤退します。 作戦九日目のことでした。

        ▽▲▽▲▽▲

この映画は、基本的に史実を叙述してゆくスタイルなんですけれど、ドラマチックな要素も少なくなかったですね。
また、各国軍人の気質が上手く描き分けられている、演出の巧みさに感心しました。 どちらか一方を悪者にしない、偏らない描き方にも好感が持てましたし。

只、幾つもの場所で、ドラマが同時進行するため、見ていて何がなんだか判らなくなりがちなのは難点ですかねぇ、やっぱり。

戦史の中にあって(一般的に)忘れられがちな、不成功に終わった作戦を、真摯な姿勢で描き切ったこの映画。
今となっては気作品とは言えませんけれど、でも私は高く評価したい。
よくぞこれほどの高いレベルで映画化してくれたモンと想います。
 
 

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Comments

配役が凄いですね!綺羅星のごとくとはこのこと。
昭和の映画好きの方なら〔観なざなるまい!!〕というところでしょうが、この手の戦争映画に理解力ゼロの私はどうも。。。coldsweats01
と書きながらふっと思い出したのですが、ローレンス・オリヴィェが農家らしき家の前に立っているシーンやショーンコネリーが壕の中にいるシーンを観たような観なかったような。もしかしてテレビで半ば眠りながら観ていたかもしれません。sweat01


Posted by: おキヨ | January 30, 2016 at 11:40 AM

>おキヨさん

>ローレンス・オリヴィェが農家らしき家の前に立っているシーンやショーンコネリーが壕の中にいるシーンを観たような

そのシーン、確かにありました!(^ァ^) それも、連合軍の旗色の悪くなる終盤。 ローレンス・オリヴィエが(郊外にある)リヴ・ウルマン宅を訪れるシーンでしたね。
連合軍軍人たちの思惑と、地元オランダ市民の意識との微妙な距離感もまた、この映画の見所でした。

一方ショーン・コネリーは、キャスト中で登場シーンが一番多かったのではないかと想います。
その割りに印象のパッとしない(^^ゞのは、このヒトが負け戦の渦中に居たため。
私はその副官役、気の毒なことに敵中に取り残されたアンソニー・ホプキンスが一番印象に残っています。(^ァ^)

Posted by: もとよし | January 30, 2016 at 03:22 PM

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