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December 31, 2015

今年の第九

 
 
さて、2015年という年は、四月からこっち怒濤の忙しさへと突入してしまって、いやはや参りました。 が、幾ら参ろうが、やるべきことは(それなりに)やって来て(いろいろとあったけれど)一年も今日でお終いです。
そんな、土壇場感覚(!)の身に沁む年であった2015年の締めに鑑賞する第九は・・・・


 Ludwig van Beethoven
 Symphony No 9 in D minor, Op 125 "Choral"

  Annette Dasch, soprano
  Mihoko Fujimura, contralto
  Piotr Beczala, tenor
  Georg Zeppenfeld, bass

  Vienna Singverein
  Vienna Philharmonic Orchestra
  Christian Thielemann, conductor


こうして一年のお終いに第九を聴く度、訪れる筈のスッキリとした充足感が、今年はやって来ないですねぇ。 上記のような状況の中、自分の中に不完全燃焼感があるからかもしれません。

演奏の方は至って堅実と言いますか、腰の据わった重厚な雰囲気。
幾つもの旋律が複雑に絡み合う様子を、細部までスッキリと見透かすことの出来るような明快さが気持ちイイのです。(これには、収録が新しいというのも効いているかもしれませんけれど)
無理せず着実であれという、これは、今の自分の気分にピッタリかもしれません。
終楽章でアップテンポ気味になるなのが、中々気持ち好かったりします。 終わり好ければ全て好し、です。

        ▽▲▽▲▽▲

2015年の「問はず語り」、まずはここまでとさせて頂きます。
この一年間、拙ブログを訪れて下さった皆々さま、ありがとうございました。
来年もよろしくお願い致します。
 
 

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December 28, 2015

映画:次郎長三国志

 
 
次郎長三国志
 
 監督、脚本:マキノ雅弘
 原作:村上元三
 撮影:三木滋人
 音楽:鈴木静一
 出演:鶴田浩二      清水の次郎長
     山城新伍      桶屋の鬼吉
     松方弘樹      関東の綱五郎
     大木実       清水の大政
     田中春男      法印の大五郎
     津川雅彦      増川の仙右衛門
     長門裕之      森の石松
     佐久間良子     お蝶
     藤純子(富司純子) お千
     堺駿二        新吉
     藤山寛美      沼津の佐太郎
  
 
      1963年   日本 (東映)
 
 
なにを隠そう私め、往年の大スター・鶴田浩二ついて、昔っからさほど注目して来ませんでした。
だって台詞回しが如何にも朴訥だし、所作も何処かもっさりとして見え、どうにも不器用そうな印象が付いて廻って・・・・

その鶴田浩二が清水の次郎長を演じ、これまで東宝で幾つもの次郎長ものを撮って来たマキノ雅弘がメガホンを取ったのが、この東映版・次郎長三国志です。
なんの予備知識まないまま鑑賞に臨んでみたら、これがもの凄くヨカッタ!

なにせこの映画、お話しがサクサクと進んで、停滞するってことがありませんし、任侠ものだけあって義理人情も描かれるんだけれど、アッケラカンとして後に引き摺らないところが好い。
チャンバラ(スピード感溢れる)あり、笑いもありで、始めからお終いまで娯楽に徹しています。

鈴木静一の音楽がまた、なんともノーテンキで素敵なんです。(ところどころ差し挟まれる唄も愉しい)
時代劇の音楽にピアノを使うところがお洒落。

総じて、飛びっ切りの「粋」を感じさせる映画でした。

        ▽▲▽▲▽▲

※ 清水の次郎長が、駆け出しの渡世人であった頃のこと。
一家を構えるどころか、未だ乾分のひとりだって抱えちゃあいません。
そんな次郎長が(縞の合羽に三度笠の旅姿で)道中ふと立ち寄った秋葉神社の祭礼。
そこで起こった賭場での諍いから、このお話しは始まります。

イカサマ博打を見破られて激昂するヤクザを、擦れ違いざまスパッと斬ってみせた次郎長。 その時の、片足立ちでたたずむ姿のカッコイイこと!
続いて繰り広げられる立ち回りも、真剣勝負の重厚さよりも、むしろスピード感で魅せます。
鶴田浩二のアクション、私なんかが想っていたよりも遥かに達者なものでした。

さて、このときの縁から次郎長の乾分となった桶屋の鬼吉はとにかくパワフルな男! ハイテンションの名古屋弁で、激情家かつ感激屋というキャラは、若き日の山城新伍にぴったりハマってます。
後のエピソードで次郎長と再開した鬼吉。 感激のあまり、草鞋履きのまま奥へと上がり込んでしまうんですけれど、自分が仕出かした粗相に気付くと(なにせ根が気のイイ男です)平謝りで床を掃除します。 すると次郎長親分、自分も懐から手拭を取り出し(しょうのねェ奴とばかり)一緒になって床を拭きはじめます。
この時のごく自然な振る舞い、その謙虚さがまたカッコイイ! そして体面とか気にしない、次郎長の大物ぶりをもアピールしていますね。

名場面の続くこの映画の中でも、上記の二つのシーンが、私はとりわけ大好きです。

        ▽▲▽▲▽▲

この映画はでとりわけ、後に大スターへと成長する若手俳優らの見せるフレッシュな魅力が光ります。

次郎長一人目の乾分は桶屋の鬼吉(山城新伍)。
山城新伍と言えば、私なんかテレビのバラエティ番組で司会を務めた、ちょっとエッチで押し出しの強いオジサンとして認識していましたけれど。 のちのバラエティ番組の顔も、1963年のこの映画ではパワー全開! 俳優としての溢れんばかりの可能性で輝いています。

お次の子分は関東の綱五郎(松方弘樹)。
ホットな鬼吉とは対照的に、ダークな魅力を漂わすクールガイです。
殺陣の巧みさはこの当時から。
単にキザなイケメンってだけじゃあない、侠気にワルさ、甘やかさとそれから茶目っ気まで感じさせられます。 この当事からスター要素で満載だったワケですね。

それから、デヴューの年の藤純子(富司純子)。
後々の凛とした雰囲気は、さすがにその片鱗すら見えず、溌剌として健康的な魅力全開です。

        ▽▲▽▲▽▲

この映画は、幾つもの短いエピソードから成っています。 どのお話しも、引っ張ることなくスパッと終わるんですけれど、それがイイ。 余韻、よいん、です。
こういう辺りの匙加減がとにかく絶妙で、それってつまり、映画の造り手が「粋」ってものを好く心得ているから出来ることなんでしょうね。

後半、ある喧嘩の仲裁を買って出たのが仇となり、お尋ね者となる次郎長。
一家を率いて再び旅に出るんですけれど、清水一家にはやはり旅姿が似合いますね。
法印の大五郎(田中春男)が一家に加わり、増川の仙右衛門(津川雅彦)と出会って、更には沼津の佐太郎(藤山寛美)の下に寄宿する辺りから、お話しは失速気味に。

映画の終盤では身ぐるみ剥がされ、裸一貫になってしまう清水一家ですが、それでもなんら臆することなく、街道を駆けて往きます。 この楽天的な明るさ、前向きさ。 これで任侠ものなんですから愉快です。

若くて元気一杯の清水一家、只今売り出し中です!
 
 

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December 20, 2015

職場の忘年会

 
 
師走も半ば、我が職場でも忘年会がありました。
想えば昨年の今頃、私は今とは違う職場に居まして、この時の忘年会は無し。
なにせ職場が繁華街から遠く離れた地域にありましたから。 会場を選定するのが中々の難題でして、偶々仕事が忙しかったりすると、ついつい流れてしまったりするんです。

それが今は都内の職場ですから、場所を選ぶのも簡単至極です。
忘年会シーズンの真っ只中と言えども、その気になれば何時でも/幾らでも/しかも好条件の場所を予約することが出来るようです。

今回の忘年会場はしゃぶしゃぶ屋さん。 その水準は極めて高かったです。 流石は花の東京! 
そう言えば前の職場に居た時分、皆で焼肉屋さんへと繰り込んだことがありました。
どちらもお肉を料理しながらの食事ですけれど、常に焦がすことをおそれながら食べねばならない焼肉と比べ、しゃぶしゃぶはその心配も無くマイペースで行ける分、とっても気楽ですね。(笑) リラックスして食事を愉しむことが出来ました。

我ながら随分と食べましたよ。 とっても美味しかったですから。 都内へ出て来てヨカッタと感じる瞬間です。(笑)
すっかり弱くなったお酒の方は、今回は意識してセーブモード。 これで正解でした。

意外と早い時間に切り上げて(明日も仕事ですからね)、至って健全で(笑)、かつ楽しい忘年会を過ごして来ました。
 
 

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December 17, 2015

小説:白いへび眠る島

 
 
白いへび眠る島
 
 
  三浦しをん 著
 
 
     2001年  角川書店
             (初出時の題名は「白蛇島」)
 
 
三浦しをん 作品。 私はこれまでに「まほろ駅前多田便利軒」、「風が強く吹いている」、「舟を編む」などを読んで参りました。 本書「白いへび眠る島」は、それらとはかなり違います。 ライトタッチなホラーと言うか、あるいは伝奇小説と言いますか。
読んでみて、ストレートに不快感を与えるようなシーンや極悪人の見当たらないところは、やはり三浦しをん。 「まほろ~」や「舟を編む」のようなドハマリはしませんでしたけれど、、ゆっくり/じんわりと愉しめました。
 
        ▽▲▽▲▽▲
 
※ 拝島。 近海に浮かぶ、この小島にあって、「奥」と俗称される、ごく小さな集落に生まれ育った、主人公の悟史。
人とは異なる感受性を持って生まれた彼は、拝島に古くから棲むと言う、妖異らや もののけ の存在を感じ取れてしまうんです。

そういう特異な体質ゆえ、内省的な少年へと育った悟志。
見たくもない妖異が見えてしまう、この鋭敏に過ぎる体質に悩む悟志はやがて、島から逃げるように本土の高校へと進学して、寮生活を送ります。
自然、島とは距離を置くようになって、今では年に数回帰省する程度に。

悟志、高校三年生の夏休み。 この年は地元・荒垣神社で十三年毎に行われる大祭にあたり、更に神主が代替わりすることもあって、「奥」集落中がこれまでにない昂ぶりに包まれていました。
そんな中に帰省した悟志は・・・・

        ▽▲▽▲▽▲

この小説、一篇の中に青春ものの要素と、ホラー要素の同居しているところが特徴です。

お話しの舞台となる「奥」は、ごく小さな集落故、人と人との繋がりは極めて濃厚です。
が、それを殊更窮屈に感じるでもなく、古くからの仕来りも、ごく当たり前のこととして継承してゆく若者らの姿。
そこには暗さ/閉塞感ってものがありません。(じわじわと迫り来る過疎化にも、危機感がないですしね)
なにより、こういう穏やかな環境/恵まれた自然の中で暮らす光市たちの日々って、実に愉しそう。 私は素直に、羨ましい人生だなァと想いました。
こういう温和な空気感を描くのは、三浦しをん ならではですね。
 
ともあれ、本書に登場する若者らが、残らず飾り気なく質朴で居る中で、屈折した心情を抱えているのは主人公・悟志のみ。 この結果、読者の大部分は悟志にこそ感情移入し易いのではないでしょうか。
この辺が、本書の青春もの要素。
 
        ▽▲▽▲▽▲
 
それから、ホラー要素。
島の(精神的な)中心には荒垣神社が存り、その傍には荒神様がまします。
そして人々から「あれ」と呼ばれる、極めて邪悪な存在。
互いの力が拮抗した<三すくみ>みたいな関係はしかし、手際好く描かれており、読んでみると意外に判り易かったです。
 
邪悪な存在と闘う神主の息子・荒太と、彼に付きまとう犬丸。 この小説が純粋なホラーであれば、この二人がヒーローのポジションでしょう。
この二人だけでも十分面白い小説になったと想いますけれど、悟志・光市とのコンビネーションでより奥深いものになっていると想います。
 
        ▽▲▽▲▽▲
 
作中で幾つも提示される島の謎ですけれど、お話しの最後に至って、何もかも綺麗に解き明かされるかってワケでもない。 お終いに至っても、いろいろと未解決なままなんだけれど、それはそれで悪かぁなかった。
不思議を不思議として、あるいは畏怖すべき存在として、素直に受け入れる感覚が、むしろ自然に感じられました。
どうやら私も拝島・・・・三浦しをん の創造した作品世界の魅力に引き込まれてしまったようです。 
 
 

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December 11, 2015

都内で健康診断

 
 
健康診断を受けて参りました。
場所は、東京駅からさほど離れていないビルの中にある、とあるクリニック。
折悪しく大雨の中でしたけれど、駅から地下道伝いに歩いて往けたので、まったく濡れることはありませんでした。 そう言えば、都内の病院を利用するのって、久方ぶりですね。

今回も身長・体重測定、視力・聴力検査、血圧、採血、そして宿敵(!)のバリウムなどなど、幾つもの診断を次々に受診して来ました。 が、健診の場所がこれまでとは違ったスタイルで、なかなか興味深かったです。

これまで私の受けて来た健診はと言えば(大概の場合)診断の内容ごとに、それぞれ別の待合スペースへと移動し、そこで順番を待つと言うもの。
あちこち歩き廻らねばなりませんけれど、でも健康診断と言うものは、まぁこんなもんと想い、これまでなんの疑問も持たなかったですねぇ。

それが今回のクリニックでは、ひとつ待合所を中心として、その周りに各種診断のブースが、グルリと配置してあります。 これ、大変合理的なやり方と感心しました。
こうすると、受診者の移動距離と、それに掛かる時間、それにスペースまでが縮小出来るんですね。
それにフロアのレイアウトもスッキリとして、その上、ひとつきりの待合所と各ブースの状況まで、一目で確認することが出来ます。 クリニックを管理する側にとって、このメリットは大きいことでしょう。
健康診断も日々進歩していますね。

ちなみに、今回バリウムは何故だか楽勝! これまでに受けた中で一番すんなりと(それなりに、ではありますけれど)済ませることが出来ました。 今までのと何がどう違ったのか、今ひとつ判んないです。(笑)
問題は、高めに出ちゃった血圧の方ですな。 はぁ。

健康診断を終え、ビルから出ると、お天気は快晴! 気持ち好く帰路に着きました。
 
 

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December 03, 2015

映画:ローン・レンジャー

 
 
ローン・レンジャー (2013年版)
The Lone Ranger
 
 
 監督:ゴア・ヴァービンスキー
 出演:ジョニー・デップ  (トント <コマンチ族の悪霊ハンター>)
    アーミー・ハマー  (ローン・レンジャー <法律家ジョン・リード>)
 
 
      2013年     米国
 
 
ローン・レンジャーと言えば「ウィリアム・テル序曲」!
条件反射で、アタマの中にロッシーニの名調子が鳴り響くのは私だけでしょうか?
天下御免のこの取り合わせ、一体いつどこで覚えたんだか、まるで想い当たらないんですけれどねぇ。 とにかく誰でも知っている。 けだし古典と言うのは、そうしたものなのかもしれません。

そんな、ご存知「ローン・レンジャー」。
2013年のこの作品は四度目の映画化なのだそうで、さすがは人気コンテンツですね。 但し今回はジョニー・デップが関わっていると言うだけあって、ちょっとばかり異色の作品に仕上がっています。

法律家としての立場にこだわるあまり、中々ヒーローへと成り切れないローン・レンジャー。
一方、相棒のトントは少年期のトラウマから心を病んでしまい、先住民一族の中でも浮いた存在。(って言うか超ヘンな奴)

「ローン・レンジャー」と言えば、本来は肩の凝らない、痛快無比の娯楽作品の筈。
それがこの映画では、西部劇エンタメ路線はしっかりと(コメディも交えて)抑えつつ、西部開拓史の裏面をも描いて容赦がありません。 強引な開発、偏狭な市民意識、迫害される先住民、騎兵隊は悪人の言い成り等など・・・・

ハリウッド超大作に相応しく、この映画はヴィジュアル面での満足度大です。
大陸横断鉄道敷設に沸く西部の街。 酒場の猥雑ぶり。 それからスクリーン一杯に広がる荒野。 壮麗なグランドキャニオンを背景に、男たちが馬を疾駆させるシーン。 なによりローン・レンジャーとトントのツーショットなんて、もう惚れ惚れとしちゃいました。

しかし、長い映画でした。(149分) 中盤あたり、ココは(それはそれで面白いんだけれど)整理したほうがヨロシイのでは? って感じのシーンが幾つもありましたし。

この映画で特筆すべきは、なんと言ってもクライマックス・シーンのもの凄さであります。
渓谷沿いに敷かれた線路を並走する、二本の蒸気機関車を使ったアクション。
二挺拳銃撃ちまくりだし(一体何十連発なんだ?って突っ込みは野暮ってもの)、百発百中だし、でもそんなことにも違和感がなかったです。 活劇だもんね。
スケールのデカイ、あり得ないくらいに壮大な(おバカな?)アクション・シーンの連続が最高でした。
BGMは待ってましたの「ウィリアム・テル序曲」なワケですけれど、映画のスタッフは、名曲に負けないだけのスゴイ映像創りに挑んで、それを見事成し遂げたって感じです。

お話しを、老境へと入ったトントの昔語りとして進めたところも、また好いじゃないですか。 どこまでがホントで、どこからウソか判らない、ミステリアスな語り口がまたジョニデらしい。

とても好い作品だけれど、でもやっぱり長かったですかねぇ。
 
 

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