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October 05, 2015

映画:天地明察

 
 
天地明察
The Samurai Astronomer
 
 
 監督:滝田洋二郎
 脚本:加藤正人
    滝田洋二郎
 音楽:久石譲
 原作:冲方丁
 出演:岡田准一   (安井算哲)
    宮崎あおい  (算哲の妻・えん)
    佐藤隆太   (磯村塾の塾頭・村瀬義益)
    市川猿之助  (関孝和)
    笹野高史   (建部伝内)
    岸部一徳   (伊藤重孝)
    武藤敬司   (平助)
    徳井優    (弥吉)
 
 
      2012年    日本
 
 
冲方丁 著「天地明察」の映画版です。
原作が面白かったので、大いに期待して鑑賞へと臨んだんですけれど、果たして・・・・

        ▽▲▽▲▽▲

前半までは、とっても好いんですよ。
ヴィジュアル的にも満足度高し。

碁打ちの家に育った主人公・安井算哲が、磯村塾の塾頭兄妹と交わり、気鋭の算学者・関高和の存在を知る。
やがて、会津藩主・保科正之の下命を拝し、全国各地で北極星の出現を調査する、幕府直轄の事業「北極出地」に参加。
これが、後に安井算哲が生涯を掛けて取り組むこととなる、改暦の大事業へと繋がります。

当事の算学塾の様子。 神社に掛かった算額絵馬の数々。 遺題を解く様子。 などなど、小説を読んで興味の湧いた事柄に付いて、ヴィジュアル(CGを交えた)で確認することが出来ました。

主人公のフレッシュで、誠実で、ひたむきな人柄とあいまって、前半はホント、好い感じで進みます。
その他のキャストの中では、「北極出地」を取り仕切るベテラン学者役・笹野高史、岸部一徳らの演じてみせる、<好きなことに嬉々として取り組む、いい歳をした大人たち>の姿、これが実に宜しい!
一方、先輩算学者・村瀬義益役の佐藤隆太は、お気楽な好人物過ぎて、その場から緊張感が失せてしまいますね。 ここンところはミスキャストかと思います。

        ▽▲▽▲▽▲

しかしながら後半。 本格的に改暦事業へと取り組む段となってからが、マサカの失速・・・・
一大プロジェクト発足に盛り上がる人々の姿やら、天測に使用する器具の数々を見せてくれるのは好いんですけれど。

襲撃シーンや、大衆の前で暦の精度を問うシーン。 更には改暦の抵抗勢力である公家集から責任を問われるシーンなど。 果たして必要であったのか・・・・
これらを、滝田監督はホントにやりたかったのかどうか。 私としては、甚だギモンでございます。

なにせ原作の方は登場人物がいずれもクレバー。 終始現実的に振舞うだけに、測地や和算に取り組むにしても、改暦という一大事業にも、そこには真実味が伴いましたし、人の命にもそれだけ重みってものがありました。
そこへゆくと映画は、お話しを無理矢理にでもドラマチックな方向へ持ってゆこうと、悪足掻きでもしているように見えるんですね。

なにしろ大層お金の掛かっていそうな映画です。 大規模なセットや、大勢のエキストラなど、並々ならぬ力の入れようは、画面から十分に伝わって来ます。
巨額の制作費など、アクション・シーンを取り入れ、クライマックスではこれでもかと盛り上げに掛からねばならない事情があったのでは?
アカデミー賞受賞監督の滝田監督といえども、なんでも好きに撮らせては貰えなかったりするんでしょうか? などと、見終わっていろいろ妄想してしまいました。

        ▽▲▽▲▽▲

映画版「天地明察」。 好いところもあるけれど、原作の面白さには、やはり及ばないと思いました。
まぁ端から、そういう処を目指した作品ではないのかもしれませんけれど。

好い原作を得、お金と人材を投入しておいて、これ。 随分モッタイナイなぁって想う反面、前半だけでもあれだけ好く撮れているんだから、これはこれでヨシとするべきか、とも。
このところ視る映画がどれも当たり続きで、ちょっと調子にノッてましたけれど、中にゃこういうのもあるってことですね。
 
  
 
   「天地明察」   冲方丁 著    (映画の原作です)
 
 

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Comments

こんばんは

 この映画わたしも観ましたよ~
原作も読みました。
たしかに映像化されるとどうしても「なんだかなあ~」と思うところがありますよね。
なのでわたしは映画を見てから原作を読むようにしてる(笑)
それだけ映像化の難しさもあるのかもね。

Posted by: みい | October 08, 2015 at 06:40 PM

>みいさん
 
原作を先に読んでから映画を観ると、お気に入りのエピソード/設定がキチンと映画に生かされているかどうか、そこのところが気になって、作品を十分に楽しめないことがありますね。(^^ゞ
 
でも、ストーリーや世界観などの複雑な描写、情報量に関しては、やっぱり小説の方に分があると想います。
私は・・・・やはり、小説を先に愉しみたい派かも。(^ァ^)
 
とはいえ今回は、鑑賞する順序を間違えたみたいですね。(^^ゞ

Posted by: もとよし | October 10, 2015 at 09:15 PM

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