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September 15, 2015

映画:真夏のオリオン

 
 
真夏のオリオン
Last Operations Under the Orion
 
 
 監督:篠原哲雄
 脚本:長谷川康夫
    飯田健三郎
 出演:玉木宏
    吉田栄作
    吹越満
    益岡徹
 
 
      2009年  日本
 
 
昔見たアメリカ映画に「眼下の敵」(1957年)というのがありまして。 これは戦争映画、中でも潜水艦ものを語る際に、必ずと言って好いほどその名の挙がる名作であります。

第二次世界大戦のさなか。 洋上で出会った米国駆逐艦とドイツUボートの一騎打ちを通して描かれる、米独両艦内の人間ドラマ。 これが、実に面白かった。

海上を往く駆逐艦 VS 海中に潜む潜水艦。
船の性能/武装など、それぞれに異なるわけですけれど、どちらも相手の姿を直接目にすることが叶わないという、そこのところは公平です。
米・独の艦長同士、その見えない敵を相手に機略縦横、互いの思惑を量りつつ、次の一手を打ってゆく痛快さ!

私がこの映画を視たのは中学の二年生頃、テレビの名画劇場でした。
そう覚えているのは、放送された翌日に、早速学校で話題になったから。
男の子は、こういうの好きですからね。

        ▽▲▽▲▽▲

この映画「真夏のオリオン」は、その「眼下の敵」を、おそらくはリスペクト(それも熱く)して撮られたんじゃあないかと想われます。
また、それだけではなしに最近の戦争映画。 例えば「ローレライ」や、「男たちの大和/YAMATO」なども、上手く参考にしている様子。

主人公、少壮の潜水艦艦長に玉木宏。
丁度、「のだめカンタービレ」で千秋先輩を演じていた頃ですね。
(沈黙の艦隊の海江田艦長ばりに)頭がキレて、冷静沈着で、ジェントル。
とはいえ、この人のみでは、例えば「ローレライ」の役所広司の魅力には敵いません。

そこで、艦長を補佐する士官役、吉田栄作・吹越満・益岡徹ですよ。 この三人がとっても好かった。
皆さん、若い頃から見て来ましたけれど、今はこの辺りの世代が、<現場を支えているベテラン>を演じる年代に来ているんですね。(それぞれ二枚目役や、コメディアンの時代を知っているだけに)ちょっと感じ入るものがありました。
若い艦長を、叩き上げの古参士官ら(吉田栄作・吹越満・益岡徹)が親身になって支えるの図。 イイじゃありませんか。 彼らの造る潜水艦・イー77艦内の雰囲気が魅力的で、自然と映画の中に入ってゆくことが出来ました。

足りない女っ気を補うかのように内地、そして戦後のシーンに北川景子。 この辺のパートは、いささか冗長に感じました。

        ▽▲▽▲▽▲

ライバル役・米駆逐艦艦長は、その現れ方がなんだか唐突で・・・・いえ、オープニングから(エンディングでも)その存在を示唆されてはいましたけれど、でも、なんだか印象が薄かったですね。
他の場面(例えば北川景子のパート)を削ってでも、この米艦長をの存在を印象付ける場面を増やしたら好かったのでは、なんて風に想います。

とはいえ終盤の、米駆逐艦との一騎打ちは中々見応えがありました。
海上と海中。 決してあいま見えることのない敵同士。
その両艦長の知恵比べ/我慢比べ。 それから騎士道精神。

この映画、細かい部分への文句は幾らでも挙げられますけれど、そうはいっても、潜水艦映画の醍醐味を味わうことが出来たという点では「ローレライ」以上の作品でした。(一方「ローレライ」の方は、物語りの面白さという点で「真夏のオリオン」を凌駕しているわけですけれど)
細かい処には眼をつむって(笑)、伊号潜水艦 対 米駆逐艦の手に汗握る一騎打ちを愉しむべき映画です。
 
 

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Comments

 これは潜水艦艦長役に玉木宏を持ってきた時点で、潜水艦映画としては嘘っぽくて、斜め視線で見てしまった映画です。伊号潜水艦のような大型であれば、艦長となれば中佐のはずで、たとえ海軍大学卒業でも戦歴が重視される潜水艦で、あのような若造が任命されるはずがありません。また、失礼ながら中佐と思わせる演技ができるとは思えないからです。
 「眼下の敵」「Uボート』「レッドオクトーバーを追え」あたりにせまる邦画をみてみたいなあ、と思っています。

Posted by: weiss | September 17, 2015 at 08:38 AM

>weissさん

「真夏のオリオン」、既にご覧になっていましたか。(^ァ^)

なにしろお金の掛かる戦争映画。 リスクの大きい分、旬の人気俳優を起用せねばならないんでしょうけれど、艦長役に玉木宏は、ちょっと無理がありましたね。(^^ゞ
爽やか過ぎて、重厚さに欠けると言うか。
なんだか久々に、名作「眼下の敵」を見直したくなりました。(笑)

Posted by: もとよし | September 17, 2015 at 03:32 PM

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