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December 22, 2014

映画:中国の鳥人

 
 
中国の鳥人
中国鸟人
The Bird People in China
 
 
監督:三池崇史
原作:椎名誠
出演:本木雅弘 (和田 = 東京から来た商社マン)
   石橋蓮司 (氏家 = 東京から来たヤクザ)
   マコ岩松 (沈 = 中国人現地ガイド)
 
 
     1998年   日本
 
 
往年の名TV番組「シルクロード 絲綢之路」が放送されたのが 1980年~1984年 にかけてのこと。
それまで神秘のヴェールに蔽われていた、中国大陸の奥地に住まう人々の暮らし、山河の絶景が広く紹介/一般に意識され始めたのって、この頃からでしょうか。

この映画の前半、雲南省奥地の村を目指して旅するロードムービーのパートなど、私が以前「シルクロード 絲綢之路」を見た折りと同様、どこか懐かしく、心の奥に仕舞っていた原風景と出会ったような、そしてなによりワクワクした気持ちを味わうことが出来ました。

「中国の鳥人」の公開は1998年。
当時、主演の本木雅弘さんが、映画の宣伝のためTV(「ニュースステーション」だったか)に出ていた様子を、今でも憶え(もはやオボロゲな記憶ですけれど)ています。

        ▽▲▽▲▽▲

※ 中国・雲南省の山奥のある村で、貴重な玉石が採れるらしい。 そんな情報を得た東京の商社マン・和田は、商談のため現地の村へと旅立ちます。
それにつきまとうヤクザ・氏家。 現地ガイドにはケッタイな日本語を操る中国人・沈さん。
道中散々な目に会いながら、やっと辿り着いた村で、和田はひとりの少女に惹かれます。  少女は鳥人の末裔だと言うのですが・・・・
 
 
映画の前半は、この三人がローカル鉄道~ボロ車~超ボロ車~小舟と乗り継いで、玉の採れる村を目指すロードムービーです。

それにしても、雲南の田舎街に溢れるエネルギー。 それから、映し出される自然の圧倒的なこと。
小舟に乗った一行が見上げる山々の峻厳さとか、そのまんま山水画の世界ですよ。
と言うか、そもそも山水画と言うもの自体、こういった景観を描き写すところから始まったんでしょうね。 きっと。

        ▽▲▽▲▽▲

この映画の撮影の為、キャスト/スタッフははるばる雲南省の奥地まで赴いたそうですね。

当事、未だ(原作に描かれていたのと同様)秘境であった彼の地。 行ってみて、一体なにがあるか判らない、なにが起きてもおかしくない、という状況だったようです。
これは、ドラマに登場する三人だけではなしに、撮影チームにとっても、相当リスキーでキビシイ状況だったのではないでしょうか。
そういうヤバさ、出たとこ勝負っぽさと、未知の文化/風景に触れるワクワク感が、画面を通して伝わって来ます。

実は私、椎名誠さんの原作を読んだことがあります。
なにぶん随分と昔のことで、あんまり覚えてはいないんですけれど。 それでも原作と映画とで、かなりのテイストの違いを感じましたね。

但し、マコ岩松さん演じる中国人現地ガイドの枕さん。 当人はごくごく真面目に通訳を務めている積りが、一体何処で覚えたんでしょう、実に珍妙なる日本語を操るんです。 なので、枕さんが何か喋るたび、もう可笑しくってショウガナイことに。
この人物に関しては、紛れもない椎名ワールドの住人と言えそうです。

        ▽▲▽▲▽▲

珍道中の末にようやく辿り着いた、玉石の採れる村。
ここからが映画の後半です。

そこは、昔ながらの生活を守る(未だ電気も通っていません)少数民族が、ひっそりと暮らす土地でした。
霧深い景観は、これもそのまんま水墨画の世界です。
深山幽谷という言葉が、ピッタリ来ます。

本木雅弘演じる商社マンは、常識人のポジション。
村の少女(鳥人学校(!)の先生をしています)に惹かれ、彼女の唄う「アニーローリー」の謎解きに取り組みます。 でも、このエピソードに関しては、やや散漫に終わったと想うな。

石橋蓮司演じるヤクザ(威張ってはいるけれど、内心は疲れきっている様子)は、そんな村の文化に魅せらてゆきます。
この美しい村にだけは、文明化して欲しくない。 物質文明の汚辱に、断じて触れさせるわけにはいかないっていう、彼の想いは(その手段はともかくとして)共感出来ますね。
 
こういう土地でならば、人間だって鳥のように飛べるものなのかもしれません。
 
 

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Comments

中国という国は奥が深く興味深いですね。
その国が舞台となれば面白くないはずはありません。
石橋蓮司という何でもそれらしくこなす俳優がいいですね。プロの役者という感じがいいです。
莫言の小説にも気のふれた女性が鳥人と化してしまうというのがありますが中国では鳥人は神がかりのような特別の意味があるのでしょうか。。。?
椎名誠の小説は読んだことが無いのですが、映画は面白そうですね。

Posted by: おキヨ | December 24, 2014 at 12:22 PM

>おキヨさん
 
三池崇史監督の仕事の中でも、これは傑出した一本かと想います。(^ァ^)
 
鳥人の設定は椎名誠のオリジナルかとばかり想っていましたけれど、言われてみれば、そのベースに中国古来の伝説などがあっても不思議ではないですね。 雲南の山水画のような景色の中で鳥人の飛翔する図、ピッタリと来ます。(^ァ^)
鳥人の学校で、村の子供たちが空を飛ぶための練習(!)をする様子も愉しいです。

Posted by: もとよし | December 25, 2014 at 06:35 AM

おはようございます

 面白そうですね^^。
もとよしさんの解説読んで、山水画の世界を想像してしまいました。文明を持ち込んではならない、そんな気持ちよく解ります。
鳥人、存在してたのかも^^。

はい、観てみたくなりました^^。

Posted by: みい | December 26, 2014 at 10:58 AM

>みいさん
 
中国の山水画。 昔の絵師が想像力を逞しくして創り上げたものとばかり想っていたんですけれど、ああいう景色って実在するようです。(^ァ^)
 
お話しとして面白かったけれど、ヴィジュアル的にも大いに愉しめる映画でした。
 
さて、山水画のような景色の中、人は本当に空を飛べるのか? それはこの映画を視てみれば判る・・・・かも?(^^ゞ

Posted by: もとよし | December 27, 2014 at 01:23 PM

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