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September 27, 2014

映画:続兵隊やくざ

 
 
続兵隊やくざ
Hoodlum Soldier and the C.O.
 
 
 監督:田中徳三
 脚本:舟橋和郎
 原作:有馬頼義
 撮影:武田千吉郎
 出演:勝新太郎 (大宮貴三郎一等兵)
     田村高廣 (有田上等兵)
     小山明子 (看護婦・緒方恭子)
     水谷良重 (芸者・染子)
 
       1965年   日本
 
 
 
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やくざの大宮にインテリ有田。
かつての日本陸軍を舞台に、型にはまらず己を貫く二人の兵を描いた「兵隊やくざ」の続編です。
今回のお話しは、前作のラストシーン。 蒸気機関車を分捕って、中国大陸を疾駆させる二人の図からそのまま開始しました。
景気の好いオープニングですけれど、これがたちまち頓挫して・・・・

二作目にして監督が増村保造さんから田中徳三さんへと交替した「続兵隊やくざ」。
前作では<軍隊>という、世間の道理が通らぬ社会。 そのシステムを維持するため(必然的に?)抱える不条理について描いたものです。
そして、その窮屈な枠に収まりきらぬ主人公が、したい放題に振る舞う暴れん坊の大宮と、インテリで軍隊嫌いな有田の二人でした。

が、そうは言ってもですね。 厳しい規律/制裁も、理不尽な暴力も、それはあくまで、軍隊という特殊な世界の枠の範囲内の行為でした。
それが今作では、暴力に加えて殺人・婦女暴行・民間人虐待などなど、戦時とは言え明白な犯罪行為(大宮がしてのけたコソ泥は、この際さておくとして)が描かれます。

そこで、不正に敢然と立ち向かうこの二人ですよ。
非人道的なふるまいに異を唱える有田の男気。 上官からの暴力を(我慢にがまんを重ねた上で)跳ね除ける大宮。 このカタルシス!(もっとも当人らには、正義の味方だなんて自覚は、これっぽっちもないんですけれど)
二作目にして、ぐっとエンタメ色を強めて来ましたね。
モノクロの画面も綺麗。

田村さんとカツシン。
辛く厳しいことばかりの軍隊生活で、この二人が時折見せる<男の笑顔>がタマラナイ魅力です!
いつも凛とした有田の、柔和な笑顔。 きかん坊の大宮が見せる、子供のように無邪気な笑顔。
それにつけても二人の絆。 ますます確かなものになってゆきますなぁ。
 
 
有田「しかしなぁ、人間の運命なんて判らんもんだ。
  軍隊がなければ、お前と言う男と出会うこともなかったろう」
大宮「そうですね・・・・緒方看護婦とも、音丸とも出会わなかったな。
  そう想うと、まんざら軍隊ってところも悪いところじゃあねぇな」
有田「馬鹿野郎! お前軍隊が気に入っとんのか!」
大宮「いやぁ、気にいっちゃあいないけど。
  軍隊なんてものは、縛られなきゃ好いんでしょ」
有田「・・・・いや、お前の生き方のほうが、俺よりむしろまともなのかもしれん」
 
 

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Comments

田村高弘とカツシンこれだけで興味のわく映画ですね。
今NHKプレミアムで〔伊達政宗〕の再放送を観ていますが秀吉を演じる勝新太郎の、生身の本人が見え隠れする特異な存在感、見事なものです。

Posted by: おキヨ | September 27, 2014 at 11:11 AM

>おキヨさん
 
時に無邪気に笑い、時に激高するカツシン。 子供がそのまんま大きくなったようなモンですが。(笑)
そんな「兵隊やくざ」の大宮役は、カツシン本来の性格が理想的な形で役に反映された名キャスティングかと想います。
 
かつて大ヒットしたNHK大河の「独眼竜正宗」(生憎と私は未見なんですけれど)。 ここでカツシンは秀吉をやっていたんですね。
稀代の人たらし秀吉役! カツシンならば、さもありなんと想います。(笑)

Posted by: もとよし | September 28, 2014 at 01:00 PM

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