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August 07, 2014

映画:SR サイタマノラッパー

 
 
SR サイタマノラッパー
8000 Miles
 
 
監督、脚本:入江悠
出演:駒木根隆介 (MC IKKU)
    水澤紳吾  (MC TOM)
    奥野瑛太  (MC MIGHTY)
 
 
       2008年   日本
 
 
埼玉県北部の福谷(架空の市)で、ラップ・ミュージックに打ち込む若者たちを描いたこの映画。 なにかと高評価を得ているようですね。
ラップにはさほど興味の無い私ですけれど、以前埼玉県に住んだこともあって、まるで縁がないというわけでもなさそうです。
ひとつ、視てみる事にしました。
 
ヒップホップのリズムにノッて、農道を闊歩する主人公・イック。
でも、この埼玉のラッパー君、どうにもイケてません。
一人前のラッパーを気取ったファッションに、サイズ大き過ぎのダブついた(ラッパー風の)衣服とか、もう「痛さが歩いてる」って感じなんですが。
そもそもアメリカで生まれたこの音楽には、社会への不満/不正や貧困/犯罪などなどのネガティブ要素が満載な筈なのに、当人にはどうやら、そういった問題意識など一向に湧いてこない模様。(それじゃダメなんだと、判ってはいるようなんですけれど)
カッコから入って、そのレベルから抜け出せないイック(そして友人たち)ですけれど、それでも、埼玉県・福谷から世界に向けて、熱いソウルを発信しようとか、そういう大それた(しかしまったく根拠の無い)自信と情熱だけはあるんだよね。
 
この映画は、未だ初々しい演技の若手俳優らを起用して、いろんなシーン。 それこそ、いたるところでカメラの長回しを多用します。
こういう長回しの演出って、視ていて(無論、撮影する側もそうでしょう)ホトホト疲れちゃいますけれど、でも、こうやってカットを挟まないことで、その場に目も当てられない(!)ような緊張感、それこそ迫真のドキュメンタリーにでも立ち会うかのような、ギリギリまで張り詰めた空気感が立ち上がるんですね。 こういうテンションの高さ、好きです。
 
ワケあって、自分らのラップを大人たち(?)の前で披露しなければならなくなるシーンとか、サイコーに痛かった。(最高に好いシーンだった)
折々バックの風景として差し挟まれる(元埼玉県民の私にとっても馴染みのある)道路や農地など、その土地で暮らす若者たちの閉塞感を象徴するかのようで効果的でした。
 
何をやっても上手く行かないイックが、お仕舞いに辿り着いたのは本音の自分語りでした。
とどのつまり、それが、今まで造れなかった自分のラップだった! イック、それでこそラッパーじゃん!!
これって、バッドエンドじゃあ決してないよなって、映画を見終わって大分してから(遅い!)そう想わされました。
私にとって、充分に愉しめたというワケではないですけれど、痛くて、辛口で、そして日常感のある、とても優れた映画でした。
 
 

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Comments

埼玉県福谷、これは架空の地といたって埼玉県民の私とすれば明らかに、ネギで有名な隣市ではありませんか〔爆〕
イタイラッパー物語としてはうってつけの背景ですね〔爆

ぜひとも観たい映画です。BSテレビで上映してもらいたいですね。

happy01

Posted by: おキヨ | August 10, 2014 at 07:03 PM

>おキヨさん
 
ご明察の通り、舞台のモデルは深谷市であります。
深谷と言えばネギですけれど、ブロッコリもまた特産品なのだと、私はこの映画を観て学びました。(笑)
 
地方の当世若者事情を、独自の視点で描いた意欲作。
ご覧になる機会がありましたら、是非。(^ァ^)

Posted by: もとよし | August 11, 2014 at 08:16 PM

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