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July 02, 2014

小説:ジェネラル・ルージュの凱旋

 
 
ジェネラル・ルージュの凱旋
 
 
    海堂尊 著
 
 
      2007年  宝島社
 
 
 
東城大学医学部付属病院を舞台にしたミステリ。 田口&白鳥シリーズもこれで三冊目です。

この「ジェネラル・ルージュの凱旋」のユニークなところは、前作「ナイチンゲールの沈黙」と、時系列的に同じ時期の事件を描いている点です。
つまり、「ジェネラル・ルージュの凱旋」は前作「ナイチンゲールの沈黙」と同時進行しており、場所も、そこに登場する人物らも互いに重複しているというわけなんですね。
二つの作品で描かれる事件は、直接関わっているということはないんですけれど、しかし、通して読むことで、作品世界の奥行き/陰影は一段と深まって来ます。

最先端医療の中で発生する連続殺人事件を扱ったシリーズ第一作「チーム・バチスタの栄光」。 奇怪な殺人、伝説の歌姫と子供たちを描いた第二作「ジェネラル・ルージュの凱旋」に対して、今回の事件は、また随分とありきたり。 というか、要は院内の収賄疑惑ですよ。 なんか、地味ですよねぇ。

しかしながら・・・・
独立採算を目指してゆかねばならない現代の病院経営。
救急救命医療の抱える矛盾。(医師らが真摯/献身的に勤め、数多くの命を救うほど、病院の損失は増えてゆく)
様々な勢力が複雑に絡み合う病院内政治の闇の深さ。 などなど。 ストーリーは現代の大病院が抱える構造的問題に迫るのでした。

前作(同病院を舞台とする)で描かれた脇役達の何人かが、本作ではセンターに躍り出て、生き生きと動き回ります。
その中心は、ICUの専制君主! 速水救命救急センター部長。
メンバーを叱咤激励して、評価も採算も顧みず、只ひたすら救命処置に打ち込む、正しく好漢。
医療系のドラマによく登場しそうな信念を貫く医師で、いっそ<赤ひげ>タイプとか呼んでみたくなりますね。
本シリーズようにリアルな病院内描写の中に立たせてみると、余程奇特な人物として映るってモンです。
その他、爆弾娘に鬼看護師長などなど多士済々、というか曲者揃いのICUメンバーたち。
この小説世界の登場人物ら、主として東城大学医学部付属病院に勤務する人々ときたら、いずれ劣らぬ個性派揃いですし、豊富な医療知識に裏打ちされてリアリティも充分に描かれており、読ませます。
なにより、小説の世界をここまで造り込んで、これで面白くないワケがないですよ。

今回、速水先生が大活躍する分、グッチー先生の出番は抑え目ですねぇ。
そうはいっても救命救急病棟の血まみれ将軍と、愚痴外来の昼行灯と。 学生時代以来の腐れ縁を持つ二人の会話が可笑しい。
超絶毒舌家の白鳥に至っては・・・・今回の小説中に登場させなくとも、お話には特段影響なかったんではないかって気がします。 その部下、初登場を果たした姫宮のキャラにはニヤリ。 この子、次巻以降で大いに活躍してくれるんでしょうね。 愉しみです。
 
 
   チーム・バチスタの栄光
   ナイチンゲールの沈黙
 
 

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