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July 08, 2014

映画:男はつらいよ フーテンの寅

 
 
男はつらいよ フーテンの寅
Tora-san, His Tender Love
 
 
監督:森崎東
脚本:山田洋次、小林俊一、宮崎晃
出演:渥美清     (寅次郎)
    倍賞千恵子  (さくら)
    森川信     (おいちゃん)
    三崎千恵子  (おばちゃん)
    前田吟     (博)
    太宰久雄    (タコ社長)
    佐藤蛾次郎  (源公)
 
    新珠三千代  (お志津 <マドンナ>)
    河原崎建三  (信夫)
    香山美子   (染奴)
 
 
         1970年   日本
 
 
 
 Zoku_otoko_wa_tsuraiyo_futen_no_tor
 
 
 
 
寅さんシリーズと言えば山田洋次さんの代表作として名高いわけですけれど、この3作目「男はつらいよ フーテンの寅」では、山田さんに代わって森崎東さんが監督を務めています。

森崎監督の描く寅さん。 山田さん(本作では脚本を担当)の創り上げた世界を保ちつつ、山田作品とは一味違う 男はつらいよ として仕上がっているところが見所と言えるでしょうか。

中でも、中盤以降での(登場人物が迎える運命の)シビアさと、それを受け止め/乗り越ようとする逞しさ、(あえて言うなら)泥臭さ。
(私の場合)「男はつらいよ」と言えば、古き好き日本人の心情/暮らしをウェットに描写した映画というイメージがありましたけれど、こうして森崎監督版寅さんを視てみると、山田洋次監督はずっとスマートで、洗練された作風の持ち主であったと気付かされます。

いずれにせよ、寅さんは寅さん。
前の二作と同様、この「男はつらいよ フーテンの寅」もまた、繰り返し観賞するに堪え得る名作と想いました。

        ▽▲▽▲▽▲

プロローグ。 風邪で寝込む寅さんが、旅籠の女中に(話しの行き掛かり上)自分がさくら、満男と共に写った写真を見せ、俺には女房子供が居るんだなどと嘘を付きます。
 
まぁ、無理ないか。 年がら年中旅して暮らす寅さんとて、身体を壊して気が弱れば、暖かい家庭が恋しくなろうというものですし。
自らの居場所を求めてさ迷う、漂泊者としての寅さんを描いた、シリーズ3作目の始まりです。
 
旅籠の一件で里心が付いたものか、突然葛飾柴又に帰って来る寅さん。
折りしも とらや では、そろそろ所帯を持って落ち着いて貰わねばと、寅さんに縁談を用意して待ち構えていました。
この辺の、とらやの面々との会話。 その惚れ惚れするようなアンサンブルの妙は、けだし絶品!
やがて、調子に乗って(!)理想の奥さん像について一席ぶち始める寅さん。(おばちゃん受難) 渥美清さんならではの話芸です!
 
今回のマドンナは新珠三千代さん。
老舗の温泉旅館を、その細腕(!)で健気に守りぬく。 画に描いたような、楚々とした和装の美人女将を演じます。
寅さんは・・・・居ました。 縁談の件の後 とらや を飛び出して、いつしかここの、押し掛け番頭みたいなポジションに納まっています。
口八丁手八丁なこの男にとって、これはある意味天職かも。
無論、美人女将に岡惚れ中なワケですけれど。
恋する若者たちに河原崎建三(昭和の屈折した大学生ぶり)さん、香山美子(「銭形平次」のお静さんでしたね)さん。
恋の指南役/人生のサポーター役を務める寅さん。 カッコ好いぞ。
 
老舗の温泉旅館が、遂に迎える終焉。
視ているこちらは、ここに至って、寅さんが何処にも属さない異邦人であったことを思い知らされます。 そこが渡世人のつれぇところよ。
この辺りのシビアな状況は、このシリーズが、これまで描いてこなかったものですね。
寅さんを(図らずも)アウェイ側として遇している、旅館従業員チームの演技のアンサンブルもまたよし。
 
ラスト近く。 再び嘘をついて、居もしない、と言うか妄想上の家族に向けてメッセージを放つ寅さん。 ホント馬鹿だねぇ。(おいちゃん の台詞じゃあないけれど)
でも、それを見聞きして同情する。 涙を流してくれる人たちがいるじゃあないか。
早く帰ってやんなさいよ、寅さん。
 
いたく、旅情を刺激された一巻でした。
 
 

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Comments

1970年の寅さん、その他の出演者も若かったでしょうね。
山田監督以外の方が監督をされた例もあったとは知りませんでした。再放送の際には観たいものです。

私が長野県小諸市に行ったときによく行くお蕎麦屋さんにこの頃の渥美さんのお写真が何枚か飾ってあります。数日間の撮影の時にこのお店によく見えられたとか。。。
今は懐かしい寅さん。日本一親しみのあるお顔です。

Posted by: おキヨ | July 08, 2014 at 12:41 PM

>おキヨさん
 
>1970年の寅さん、その他の出演者も若かったでしょうね。
 
こうして1作目~3作目と続けて見ると、レギュラー陣の若さが際立ちますね。
なにしろ(役の年齢とは別に)役者さんの瞬発力がハッキリ違って見えます。 とらや の面々のやらかすドタバタ・シーンの激しさなど、シリーズ初期ならでは。(^ァ^)
 
>私が長野県小諸市に行ったときによく行くお蕎麦屋さんにこの頃の渥美さんのお写真が何枚か飾ってあります。
 
全国各地の懐かしい風景も、このシリーズの大きな魅力。
今WEBで調べてみたら、なるほど寅さんは小諸を訪れていますね。
いつか、映画の中で小諸の寅さんに逢うのが愉しみです。(笑)

Posted by: もとよし | July 08, 2014 at 06:22 PM

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