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May 07, 2014

小説:ベーシーの客

 
 
ベーシーの客
 
 
   村松友視 著
 
 
     1998年   マガジンハウス
 
 
前々から気になっていた、村松友視さんの「ベーシーの客」を読みました。 岩手県一関市に実在するジャズ喫茶、ベーシーを軸に据えた連作短編小説集です。

ベーシーはジャズ喫茶ゆえ、店内では終日JAZZのレコードが掛かっているわけです。
一体、こういうお店はオーディオ・システムに凝るもんですけれど、ベーシーのオーディオは、店主が選び抜き、手塩に掛けた筋金入りのシステム。
なんでも、日本一音の好いジャズ喫茶として高名なお店なんですってね。 その極上のサウンドを確かめんと、全国からベーシーを詣でるジャズファンは後を絶たず、なんだとか。

        ▽▲▽▲▽▲
 
小説の方は、そんなジャズ喫茶ベーシーを訪れる、それぞれにワケありのお客たちの人生を描く連作短編集になってます。

ただ、そのベーシーを狂言回しとして使っているにもかかわらず、
中々見えてこなかったですねぇ。 ジャズ喫茶の雰囲気、店主の顔が。

あるいは、そんなこたぁ、先刻ご承知/野暮な説明はイラナイ・・・・っていう気持ちが、著者の中にあるのかもしれません。
そんな、お店と常連の馴れ合いみたいなものに付き合わされている感が、読んでいて付いて廻りました。

なんかやたらと態度のデカイJAZZ喫茶店主(ジャズも人生も知り尽くしたって感じの)を全面肯定する著者の筆致は、これはベーシー常連さんとしての視点ですね。
でも予備知識ゼロ(ジャズという音楽、日本におけるジャズ喫茶という文化について)で本書に臨んだとしたら、どうでしょう。
お話しのほうは・・・・生憎とあまり惹かれるものがなかったです。

        ▽▲▽▲▽▲

私は、ジャズにしろクラシックにしろ、それぞれの音楽ジャンルで<リスナー道>みたいなものが存在するんじゃあないかって、常々想っています。
同じ音楽を愛好してはいても、プレイヤー(プロ/アマチュアを含めた)サイドとは居場所の異なる、(主として録音を)聴く側の達人。

そういった人々が極めてストイックな態度で音盤に臨んで、ジャズ/クラシック鑑賞道みたいなものを造りあげているんじゃあないか。 なんて、若い頃オーディオに凝って、クラシックの他、ジャズにも少しばかり入れ込んだことのある私は想います。

今の私は・・・・そういうリスナー側の地点からは離れてしまっていますね。 かつて苦心(?!)して造り上げた我が家のオーディオ・システムも、アッサリと手放してしまいましたし。

かつて持っていた、音盤を手に取る時の、とても真摯な気持ち。 新鮮な感情は、歳経る毎に薄らいでゆきます。 当たり間のこととは言え、なにやら、やるせない気分ではありますね。
 
 

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Comments

村松友視・・・読んだことがあったような、無かったような。。。
岩手県の実在するジャズ喫茶・・・これだけで東北人の私心惹かれます。
2年ほど前前橋市で旧~いジャズ喫茶を見つけた時は嬉しかったですね。私の若い頃の喫茶店の名残りがありました。店主は元ジャズマンベースを弾いている若かりし頃の写真がありました。

ベーシーの客、読んでみたいですね。

Posted by: おキヨ | May 08, 2014 at 11:41 AM

>おキヨさん

歴史を感じさせる旧いジャズ喫茶。
オーディオ・システムに往年の名機を揃え、(CDではなく)LPを掛けて貰えたら最高ですね。(^ァ^)

昔、渋谷で(クラシックの)名曲喫茶に何度か通ったことがありまして。
そこは、掛かる曲をリクエスト出来たんです。
私も、リクエストのカードを(ドキドキしながら)差し出したのを想い出しました。(笑)

それにしても、こうしたジャズ喫茶や名曲喫茶どころか、居心地の好い<喫茶店>自体、なかなか見付けることが出来なくなっていますね。(^^ゞ

Posted by: もとよし | May 09, 2014 at 07:38 AM

こんばんは~

実在する喫茶店なのですね。
この本読んではいませんが、ジャズ喫茶、行ってみたいなと思いました^^。
ゆったりした気分になれそうですね。
ジャズ喫茶、近くにはないですけれどcoldsweats01
懐かしい感じがする喫茶っていいな^^。

Posted by: みい | May 10, 2014 at 07:22 PM

>みいさん

本格的なジャズの聴けるジャズ喫茶。 私も、いつか入ってみたいと想いつつ、未だ果たせていません。(^^ゞ

ネットでジャズ喫茶について調べたら、まだまだ(!)あちこちで営業しているようで、その内に近所の何処か(一関のベーシーまでは、流石に行けませんので (^^ゞ)を訪ねてみようかと想っています。

Posted by: もとよし | May 11, 2014 at 02:21 AM

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