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April 27, 2014

西荻窪の古本屋さん

 
 
西荻窪の古本屋さん
 
    ~ 音羽館の日々と仕事 ~
 
 
  
        広瀬洋一 著
 
        2013年   本の雑誌社
 
 
新刊の書店よりも古本屋さんが好きで、好んで利用していた時期がありました。
特段の用もなしに、ふらりと立ち寄ったりするのがスゴク愉しい。
一頃は、街を歩いて古本屋さんが目に付いたら、必ず入ってみたもんです。

その昔、私がフルートに凝っていて、その練習のため新宿に通っていた頃のこと。
練習の合間の息抜きに、高原書店の新宿古書センターに寄るのが常でした。(残念ながら現在は撤退されているそうですけれど)
3フロアにも渡る広~い店内は、ジャンル毎に仕分けられた蔵書で一杯。 もう何時間居ようと(フルートの練習は?)飽きるってことがなかったですね。

本書の著者。 音羽館のご主人、広瀬さんはその高原書店のアルバイトから古本の世界に入ったという方。
もしかしたらあの当事の新宿古書センターで、古本を渉猟する私とすれ違っていたかもしれません。 想わぬところで縁を見付けました。

        ▽▲▽▲▽▲

高原書店で古書店員としてのキャリアを積んだ後、独立した広瀬さんがJR中央線沿線の西荻窪にご自分の古本屋さん「音羽館」を立ち上げたのが2000年のこと。
特筆すべきはその当時、既に BOOKOFF が世にあったということです。

古書の流通/古本の売り買いというものの常識を一変させてしまった BOOKOFF 旋風。 古書業界にとって、少なからぬ衝撃であったろうと想いますけれど。
でも、そんなアゲインストの状況下に、あえて打って出た広瀬さん。

それは、高原書店での経験に裏打ちされた目論見/きちんとした成算があってのこと。 後先を顧みない無謀な船出でもなんでもなかったと言います。
そうして創り上げた 音羽館 は、ご自身のやりたかった(高原書店では出来なかった)事/ご自身の古本屋感を体現したお店でした。

中央線沿いの西荻窪。
古本屋さん(それぞれ、個性豊かな)にこと欠かないこの土地にあって、音羽館 はあくまで普通の<街の古本屋さん>を目指します。

店内は、多ジャンルに渡る書籍がバランス好く詰め込まれた、快適なスペース。
本書に掲載された音羽館店内(私、残念ながら入ったことがありません)を撮影した写真を拝見すると、お店の洒脱な雰囲気が伝わって参ります。

全体的に、殊更に高級過ぎず/安っぽくもなく、程よく手垢の付いた感のある店内。 板張りの床(ここ、ポイント高し)もお洒落。
蔵書は、殊更揃わせ過ぎず/乱雑に過ぎず。 丁度好い密度が保たれています。
要するに、とっても趣味がイイんですね

ここは、空間としての居心地好さがウリになっているんじゃないか。 それで、お店そのものが、西荻という街と上手く融和しているんじゃあないかなって想います。

本書からは、広瀬さんのフランクで、かつクレバーな性格が伝わって来て、なんだか読んでいるだけでイイ気分になって来ますね。
音羽館にお客として居る時に感じるのが、きっと、こんな雰囲気じゃあないかなぁ。

このところの私は、図書館通いが身についてしまって、古本屋さんとはすっかり疎遠になっています。
古本屋さん。 今度どこかで見付けたら、しばらくぶりに入ってみるかナ、なんて気にさせられた一冊でした。
 
 

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April 21, 2014

津田沼散歩:栄昇らーめん

 
 
津田沼散歩:栄昇らーめん
 
 
津田沼民の私。
普段利用している最寄り駅はJR津田沼駅ですけけれど、当地にはこの他に、新京成の新津田沼駅があります。
両駅は少うしばかり、離れた場所にありまして、つまり、JR~新京成間で乗り換えをする際は、駅舎を出て、ちょっと歩かねばならないんですね。

隣接する駅同志なんだから、もっと近くに寄せて造れば、余程便利なのに。
なんてことは、以前から・・・・それこそ、初めてここで乗り換えた時から思っていましたね。(昔、私が未だ川崎に住んでいた頃に、客先から帰る途上、ここで乗り換えたことがあるんです)

両駅が互いにビミョーな距離を置いているのも、また、新京成線が素直に直進をせず、サーキットばりに曲がりくねったコースをとるのにも、そこはそれ、歴史的な経緯/因縁があるんでしょうけれど。
そこはまぁ、さておきまして・・・・

当地には更に津田沼の名を冠した駅があります。
それが京成線の京成津田沼駅。
大胆にS字カーブを切ってみせる新京成線と、京成線とが合流する箇所に位置する小さな駅。

そこは京成らしく(!)適度に鄙びた感じの佇まいがイイ感じでして。
好きですねぇ。 辺りの風景に、しっくり融け込んでいるところなんか特に。
 
  
 Photo 
 
 
        ▽▲▽▲▽▲

今回、久々に入ったラーメン屋さん。 栄昇らーめんは、その京成津田沼駅から程近いところにあります。
でも、JR津田沼駅からだって、歩いて向かって、実は、さほどの距離でもないんですよね。 なにしろ、線路の複雑に絡み合ったこの界隈です。

「煮干しらーめん」は、和風の出汁を好~く効かせた醤油味。
旨みの輪郭がクッキリと浮き出ていて、私は、やっぱり、こういう路線が大好きですよ。

地味な店構え。 そして店内が割合に静かなのもまた好いんだよなぁ。(まぁ、偶々空いている時に入ったってだけの話かもしれませんけれど) ネットで見ると、流石、中々の人気店のようですね。
これからも(地元民の利を生かし)時々ふらりと入ってみたいお店。
ラーメン激戦区の津田沼駅界隈にあって、私の一番好きなラーメン屋さんです。
 
 

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April 15, 2014

小説:終戦のローレライ

 
 
終戦のローレライ
Lorelei: das lied zum ende des Krieges
 
 
 
   福井晴敏 著
 
 
       2002年   講談社
 
 
映画「ローレライ」を私が観たのは2005年のこと
太平洋戦争中の日本海軍の潜水艦を中心にしたドラマとして、とても面白かったです。

太平洋を往く潜水艦・伊507と、その艦内(潜水艦 = 極限状況の密室)で巻き起こるドラマ。 圧倒的な力で押して来る米軍艦との戦闘シーンなどなど。 映像の力が何より雄弁なシーンが、どれも好かったですね。 映像作品として充分に価値ある映画と想いました。

しかしながら、アクション/ヴィジュアル面に偏重気味であった分、この作品本来のテーマ(国家、民族、戦争、平和とは)や、人間ドラマについては、いまひとつの感があったのも事実・・・・

その原作である本書「終戦のローレライ」は、はじめから映画化を前提に書かれたということで、かねてから読みたいと想っていたんですけれど、しかし、縁が無かったか、長い間ず~っと未読のまま。
今頃になってしまいましたけれど、今回やっと手に取ることと相成りました。

        ▽▲▽▲▽▲

そんなわけで、満を持して取り掛かった原作は・・・・いやはや、読み応えがありました。 文庫版にして全四巻。 「読破」と表現するに相応しい長編ですよ。

なかなか読み進められなかったのは、こちらのアタマにあらかじめ映画「ローレライ」の内容があったからかもしれません。
ちょっと、展開がジレッタイんですよね。
そもそも、小説を隅から隅まで映画化/映像化するなんてことは不可能でしょうけれど、本書の場合、そんなことは先刻承知の上で、原作者として描きたいことのありったけを、一冊に詰め込んだのではないか? そんな印象を受けました。
主要登場人物の各々が(小難しい(!?))自論を開陳する場面が度々あって、それで余計冗長に感じてしまったのかもしれません。
当然のことながら、映画版の「ローレライ」に取り入れられたのは、この小説のごくごく一部にしか過ぎませんけれど。

終章(これだけで、ゆうに短編小説の一篇分はあります)では、生き残った者たちの戦後を描いて、映画にあったエピローグよりも圧倒的に好かった。 鎮魂の戦後昭和~平成史は、かつて読んだ「決定版 男たちの大和」を髣髴とさせる充実ぶりでした。

長く感じはしたものの、退屈ってことはなかった。 映画「ローレライ」を補完する意味で、興味深く読むことが出来ました。
 
 

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April 06, 2014

柏の葉公園の桜

 
 
_1
 
 
柏市内にある、県立 柏の葉公園 の桜が満開でした。

この辺り。 その昔は旧陸軍の飛行場があったのだとか。
戦後は米軍の施設が置かれた時期もありましたけれど、今はそういった面影もなく。 市民の憩いの場として賑わっています。
 
 
_2
 
 
満開の桜の下で浮かれるも好し。 ひとつひとつを愛でながらそぞろ歩くもまた好し。
公園内は桜の樹が、とにかく多い。 こりゃ、とてもじゃあないけれど全部は観きれません。
 
 
 _3
 
 
日本庭園に桜。 流石、絵になります。
それにしてもホント、日本人って桜を愛してますね。
 
久しく忘れていた芭蕉の句。
 
 
     さまざまの事おもひ出す桜かな   芭蕉
 
 

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April 01, 2014

茜浜名人寄席 Vol.43

 
 
茜浜名人寄席 Vol.43
 
 
  茜浜ホール
 
     平成二十六年三月二一日(金)
 
 
  落語  :三遊亭優かり
        橘ノ圓満
        むかし家今松
 
 
  特別出演:和太鼓衆 雷夢
 
 
 
和太鼓衆 雷夢
微か~な弱音から、空気が打ち震えるほどの強打まで。
強弱のコントラストの多彩さは、和太鼓ならでは魅力です。
(それは私が)元から知っていたわけではなくて、この寄席に通い出してはじめて気付かされたこと。
(CDやテレビ/ラジオなど)録音を通しては、なかなか伝わらないですからね。
こうして目の前で演奏してもらって、生演奏に触れて、初めて判ることがあります。
笛の重奏、やはりカッコいいですね。
 
 
三遊亭優かり:「動物園」
女流の前座さん。
入門が遅かった・・・・、つまり、一旦は会社勤めを経験してから落語の道に入ったのだとか。 おっとりした印象、やさしい語り口は、先日真打になった川柳つくしさんを想わせられますね。
高座に上がって正面を切る際にみせる、柔和な笑顔がカワイイです。
 
 
橘ノ圓満:「味噌蔵」
え、二つ目さんなんだ!
そう仰る割りには、また随分と貫禄があるじゃあないですか。
落語のほうも、真打と見紛う落ち着きと安定感。
家に帰ってからプロフィールを調べたら、この方も遅い入門とのこと。 道理でね。
 
 
むかし家今松:「長崎の赤飯」
これぞ本寸法と言いたくなる、ケレンのない語り口で「聴かせ」ました。
これですよ、これ。 こういう落語が聞きたかったんです。
初めて聴く「長崎の赤飯」という噺も好かった。 こういうハッピーエンドの人情噺が大好きナンです。
ようこそ茜浜へ。 是非また来て下さい。
 
 
 
 
   茜浜名人寄席 Vol.36
   茜浜名人寄席 Vol.38
   茜浜名人寄席 Vol.39
   茜浜名人寄席 Vol.40
 
 

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