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December 03, 2013

小説:骨音

 
 
骨音
 
 
  ~池袋ウエストゲートパークⅢ~
 
 
    石田衣良
 
      2002年   文藝文春
 
 
       ・骨音
       ・西一番街テイクアウト
       ・キミドリの神様
       ・西口ミッドサマー狂乱
 
 
石田衣良さんの池袋ウエストゲートパーク・シリーズもこれで三冊目。
今回も面白い・・・・んだけれども、池袋界隈の不良少年集団Gボーイズたちと、そのキングであるタカシが一冊を通して出ずっぱりで、そこのところがちょっと引っ掛かりましたね。

なにしろGボーイズに組織力があり過ぎ、仕事(!)も出来過ぎだし、元々ミステリアスな雰囲気をまとって登場したタカシなのに、こうも度々現れては、当初まとっていた神秘性が薄れて来るってもんです。
IWGPの魅力・勢いも、三冊目にして若干ダウン気味ですかねぇ。

そうは言っても作品の主要な舞台、池袋駅周辺の魔窟ぶりをストリートボーイの目線で活写する、その筆致の魅力は相変わらずです。
なにより主人公マコトの人となりが健在。 元々のややシニカル性質に、ここへ来て人懐っこさが加わった気がします。

そんなマコトの強みは、度胸や腕っ節などではなしに、何処の誰であれ分け隔てなしに接することの出来る性質の持ち主であると言う事。 いわゆるコミュ力って奴ですね。
彼の場合誰とでも、それはもう老若男女貴賎の別なしに好んで関わりを持ち、(困っていたりすれば)進んで世話を焼く。 また、時には相手側からの(お返しに)力強い援助を受ける事もあって、それが事件の捜査、解決に繋がるというワケ。
この、主人公の妙な人付き合いの好さは、最初のエピソードからずっと変わらぬ美質です。

池袋ウエストゲートパーク・シリーズでは、(フィクションの中の)池袋という一大アンダーグラウンドに集まる種々雑多なマイノリティたちの哀歓を描いて読ませますけれど、それも、こういう主人公であってのことと想います。
 
 
 
   1.池袋ウエストゲートパーク
   2.少年計数機  ~池袋ウエストゲートパークⅡ~
  
 

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