« 百楽門 津田沼店 | Main | 津田沼散歩◆藤崎森林公園の菖蒲田 »

June 04, 2013

映画:川の底からこんにちは

 
 
川の底からこんにちは
Sawako Decides
 
 
  監督、脚本:石井裕也
  出演:満島ひかり  (木村佐和子)
      志賀廣太郎 (佐和子の父・忠男)
      岩松了    (佐和子の叔父・信夫)
 
 
        2010年  日本
 
 
私がそもそもこの映画を観ようという気になったのは、ネットの動画サイトで偶々社歌斉唱シーンを観てしまったため。
面ン玉ひん剥いた決意の形相で木村水産社歌を唄うオバチャンたちの姿。 そのインパクトに、完全に持っていかれたのでした。

※ なので、この映画のことを語るにあたって(監督&脚本や主要キャスト陣もさることながら)木村水産で働くオバチャンたちを演じた皆さん(一人を除いて全員が端役)についても高く賞賛するべし、と思うのです。

それにしても主人公・佐和子の天晴れなまでのダメ女っぷり!
そのキャラ設定のユニークさが、もう素ン晴らしい出来でした。
エキセントリックで、周囲の空気をまるっきり読まず、間の悪さも天才的(!)なうえ、諸事全般に示す面倒くさげで投げやりな態度!!
更には、馴れ馴れしく擦り寄ってくる(こちらもダメ)男との煮え切らない関係。
そんな主人公を演じ切る 満島ひかり さんの持つの存在感の凄さ!

観ているこちらが切なくなるくらい本当にダメダメな主人公ですけれど、しかしそんな佐和子からいつしか目が離せなくなっている自分に気付かされてしまう。 なんとまァ、風変わりかつ得難い魅力の主人公でしょう。 ウン。

さてこの映画。 ともかくも全篇に渡って、考え抜かれた細やかな演出とカメラワークがとても好かったです。
私は監督/脚本を確認しないまま鑑賞に入ったんですけれど、DVDを再生し始めてしばらくの間、これは(監督や脚本が誰であるにせよ)女流作品に違いあるまいと勝手に思い込んでいました。
で、映画の途中とうとう我慢仕切れなくなってしまい(!)再生を一時中断して監督/脚本のお名前を確認したら、若い男性でしたとさ!

その監督兼脚本の石井裕也さん。
人物描写/人間観察の確かさ、シニカルさからは、若さゆえの粗さ/未熟さなどいささかも感じさせません。
むしろ老獪とまで言ってしまいたくなるくらいで、これはもう大変な才能ですね。

五年ぶりに帰郷した佐和子を迎える親戚の叔父さん役・岩松了さん。 そして病床の父役・志賀廣太郎さん。
ちょっとばかり下世話な人間味、情愛と懐の深さ、それに加えていささか下卑たユーモアまで見せたりして、とってもヨロシイ!
脇役陣を、極めて魅力的な役者が固めているのも、私がこの映画の好きな理由です。

一旦開き直ってしまった人間に、もはや怖いものなどありやしません。
佐和子をして「私なんてどうせ中の下の女ですから!」、「頑張るしかないんですから!」と言い切らせるシーンは痛快無比ですけれど、しかしながらそれ以降、主人公の行動原理が開き直りの一点のみとなっているためか、終盤に至ってのドラマ展開はいささか停滞気味と感じてしまいました。
まぁ、そんなところもまた佐和子らしいと言えるんですけれどね。
 
 

|

« 百楽門 津田沼店 | Main | 津田沼散歩◆藤崎森林公園の菖蒲田 »

Comments

どうやら人間臭ぁ~い映画のようですね。人の深部をついた作品は映画でも本でも面白いですよね。
私など長年〔どうせ私など・・・〕という劣等感を内心に抱えていたので、あげくの果て開き直りしかない、というところに共感を覚えますsmile

Posted by: おキヨ | June 06, 2013 at 11:31 AM

>おキヨさん

映画は、やはり人間ドラマが好いですね。(^ァ^)
これ、けっして前向きなタイプの映画ではない(笑)し、いささか辛い(不快な)描写もありますけれど、その分、主人公が開き直ってからのカタルシス! その爽快感は、中々のものです。(^ァ^)

私の場合、主人公の空気の読めなさや間の悪さには大いに共感するものがありましたので。(^^ゞ その分、余計に愉しめたという気がします。(笑)

Posted by: もとよし | June 06, 2013 at 07:02 PM

もとよしさん、こんにちは!
お久しぶりです^^
この映画、私も凄いお気に入りというか・・・予想外に面白くて、印象に残った作品です。
私もこの監督はただもんじゃない、って途中で思って、やっぱり検索しちゃったんです。
この映画で主演の満島さんと結婚しちゃったのを知って、なるほど・・・って思いました。

Posted by: latifa | June 22, 2013 at 07:57 PM

>latifaさん

「川の底からこんにちは」、ご覧になっていましたか。(^ァ^)
思わず監督の名前を確認せずにいられなくなるこの映画・・・・って、ワタシだけのことではなかったんですねぇ。(笑)
監督(兼脚本)と主演女優。 各々の才能もさることながら、余程、相性が好かったんでしょうね。
監督と女優が結婚、というのは往々にして聴く話しではありますけれど、この映画の監督さんと主演女優との組み合わせ程、深く納得させられる例は、他にあんまりなさそうです。(笑)

Posted by: もとよし | June 24, 2013 at 07:52 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/61645/57524376

Listed below are links to weblogs that reference 映画:川の底からこんにちは:

« 百楽門 津田沼店 | Main | 津田沼散歩◆藤崎森林公園の菖蒲田 »