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March 07, 2013

寝ずの番

 
 
寝ずの番
 
 
   中島らも 著
 
 
      1998年    講談社
 
 
   ・寝ずの番
   ・寝ずの番Ⅱ
   ・寝ずの番Ⅲ
   ・えびふらっと・ぶるぅす
   ・逐電
   ・グラスの中の眼
   ・ポッカァーン
   ・仔羊ドリー
   ・黄色いセロファン
 
 
中島らもさんの短編集です。

表題作「寝ずの番」と、それに続くⅡ、Ⅲは、以前「問はず語り」でもご紹介したマキノ雅彦監督の映画「寝ずの番」の原作となりました。
噺家のお通夜の席で、故人の想い出を語りあう弟子たち・・・・と言うか、物言わぬ師匠を前に、あれやこれやを言いたい放題! 常軌を逸した(噺家ならではの)とんでもエピソードの数々。

小説として、これはこれでとってもオモシロイのですけれど、でも読みながらついつい映画(「寝ずの番」)の方に想いが行ってしまいますね。 (鑑賞する順番を、間違えたかもしれません)

あの映画、やっぱりホントに巧く造られていたんですねぇ。
珍エピソードの数々と言い、一門の噺家たちの姿と言い。
数多の素材を巧みにつなぎあわせて、よくぞあそこまでオモシロイ(そしてお下劣な)、一篇の映画にしてのけたモンと想います。
このシンプルな短編小説を映画に仕立てた、マキノ雅彦監督の慧眼おそるべし。


さて私は、表題作よりもむしろ、その他の作品に惹かれるものを感じました。
中でも、場末のキャバレーに身を置くバンドマンたちを描いた「えびふらっと・ぶるぅす」(ちょいと泣かせるお話しです)や、広告業界に生きる男の話し「グラスの中の眼」など。
それぞれ主人公の、どこか世に倦んで斜に構えたような姿が、読み進める程に、中島らもその人と重なって見えて来るような気がします。

お芝居の楽屋での体験談「ポッカァーン」も愉しかった。
(ポッカァーンって遊び(?)、子供の頃に従兄妹とやりあった記憶があります。 あれは、関西限定かな?)

シニカルなSF「仔羊ドリー」も好かった。 但し、この手の不条理系(?)短編は、どうしても一連の筒井康隆作品を想い出してしまいますね。 中島らも、このジャンルにあっては、いささか分が悪い気がしますけれど。
 
 
   映画 「寝ずの番」
 
 

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