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November 19, 2012

岡本太郎に乾杯

 
 
岡本太郎に乾杯
 
 
     岡本敏子著
 
        1997年   新潮社
 
 
 
私の場合は1970年の日本万国博覧会が、芸術家・岡本太郎さんとの出会いでした。
けれども、その時だけですね。 それ以降、岡本太郎さんについて殆ど知ることがなかったです。
今、記憶に在るのは、テレビのコマーシャルに現れて見せた怪人物(!)ぶりとか、あの一度眼にしたら忘れられぬ画風についての(漠とした)イメージであるとか、それから縄文土器についてくらいでしょうか。

そうは言っても、以前私の住んでいた川崎市は岡本太郎画伯生誕の地ですし、平成10年には市内に岡本太郎記念館がオープンするなど、これまで自分とまるっきり縁が無かったってわけでもなさそうです。

今頃になって、いきなり興味の湧きはじめた私は、地元の図書館から上記の本を借りて来ました。

        ▽▲▽▲▽▲

筆者は、永きに渡り岡本太郎さんの秘書を務めた方。(文章が巧みで、ホレボレとさせられました)
なので、ここには巨匠の交友関係や、世間との闘いの日々(前衛芸術家に向けられる、世の無理解や偏見!)について詳しく書かれています。

いつ誰ともオープンスタンス、開けっぴろげで接したという太郎さん。
日本的な、所謂馴れ合いとかを嫌いました。 と言うか、出来なかった。 (そういうのって、とっても憧れるけれど、でもここまで徹底されると相手する方も大変ダナ)
余っ程強くなければ。 そして、孤独でいる覚悟がないとね。
その覚悟の、並々ならないのが太郎さんです。
本書には、この「孤独」というタームが何度も現れます。

ともかく、ここに描かれる人間・岡本太郎はとにかくパワフルで、カッコ好く、なによりスケールがデカい! とてもじゃあないけれど咀嚼しきれません。

その周囲に(自然と)当時一流の人材を集めてしまう太郎さんです。
岡本太郎交遊録、ではないですけれど、本書には昭和に活躍した各界の人々が大勢登場します。 私など、その名を存じ上げなかった方が多いんですけれど。

太郎さんの多彩な交友は、無論国内のみに留まらず。
戦後パリに渡って、彼の地の芸術家らと旧交を温めあうくだりは、取り分け素敵でした。

さて一方で、ここでは画家・岡本太郎の画業についてはあまり語られないですね。 それはあるいは、秘書のタッチする領分ではないから、ということなのかもしれませんけれど。

岡本太郎という、昭和史を駆け抜けた大人物の魅力に迫ることは出来たけれど、画家・岡本太郎入門という訳にはゆかなかった。
どうやら、まだ少し、岡本太郎さんを追っ駆けてみるべきのようです。
  
 
 
 

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Comments

私などは岡本太郎自身が〔芸術〕そのもので、作品は当然のようにその手から生み出されたもの、と解釈しています。
常識的社会を相容れない、体の底から湧き上がる原始的な芸術性といったらいいのか。。。理解できない大方の人は〔変なものを創る変なおじさん〕eyeとして納得してしまったようですね。

私程度の観かたでも、とにかく世の芸術家たちがやりそうなことを絶対やらないぞ!という気概を持った芸術家だったと思います。
私の感想は、その知名度ゆえに周囲に群れる人が多ければ多いほど孤独な人ではなかったかなぁ・・・ということです。

Posted by: おキヨ | November 20, 2012 at 11:29 AM

>おキヨさん
 
お、仰る通りと想います。(汗)
さすが! 核心を突いてこられましたね。
 
ストレートに本質に迫るおキヨさんと比べて、私なんぞ長々と書き連ねるばかりで・・・・野暮さ加減がお恥ずかしいデス。(^^ゞ
 
>とにかく世の芸術家たちがやりそうなことを絶対やらないぞ!という気概を持った芸術家だったと思います。
 
その「気概」・・・・岡本太郎さんは、持ち前のスピリットを生涯貫いたようですね。 それこそは日本人社会に稀有なもの。 それ故にこそ、周囲の人々を強く惹きつけたんでしょうね。
 
岡本太郎さんの画業にコダワって、その作品を中心に追い駆けようかと想っていたワタシですけれど、そんな必要はないかって想い始めました。(^^ゞ
太郎さんの人生そのものが唯一無二の作品と言えそうですから。

Posted by: もとよし | November 21, 2012 at 10:10 PM

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