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November 10, 2012

ラ・ボエーム

  
 
  歌劇「ラ・ボエーム」
      La Bohème
 
 
    ジャコモ・プッチーニ 作曲

 
 
ミミ(お針子):クリスティーナ・ガイヤルド=ドマス(S)
ムゼッタ(遊女):ヘイ=キュン・ホン(S)
ロドルフォ(詩人):マルセロ・アルバレス(T)
マルチェッロ(画家):ロベルト・セルヴィーレ(Br)
ショナール(音楽家):ナターレ・デ・カローリス(Br)
コッリーネ(哲学者):ジョヴァンニ・バッティスタ・パローディ(Bs)
 
ミラノ・スカラ座管弦楽団
ミラノ・スカラ座合唱団
 
指揮:ブルーノ・バルトレッティ
演出、装置:フランコ・ゼッフィレッリ
 
 
    2003年1月28日、30日、2月2日 アルチンボルディ劇場(ミラノ)
 
 
 
未だLPの時代、クラシック音楽のレコードを収集し始めた私が、最初に買い求めたオペラ作品がプッチーニの「ラ・ボエーム」でした。
それを、一体どういう理由で選んだのかは、もはや憶えていないのですけれど。 まぁ、書籍で紹介されていたとか、オペラ全曲がLP二枚組に収まってお買い得だったとか、その程度の理由だった筈です、きっと。

そのLPは(今、記憶を頼りに検索してみたら)テバルディがミミ、ベルゴンツィがロドルフォを演じ、トゥリオ・セラフィンの指揮した、1972年録音の名盤。
最初に聴くオペラとして、これは(図らずも)中々に好いチョイスじゃなかったろうかって想います。
なにしろこの「ラ・ボエーム」、ストーリーがシンプルでお話しに入ってゆき易いし、明暗の対比のハッキリした全4幕の構成も理解し易いと来ていますから。

・第1幕、パリの屋根裏部屋に住まう若い芸術家たち。
・第2幕、夜のパリに繰り出す若者たち。 街の喧騒、居酒屋の賑わい。 群集シーンに圧倒されます。
・第3幕、深々と雪の降り積もる夜の静謐感。
・第4幕、再び屋根裏部屋で。

オペラは詩人とお針子の悲恋が軸になってはいますけれど、私はむしろ、詩人と屋根裏部屋で共同生活を送る仲間たちの姿。 その無軌道な青春群像の方に惹かれてしまいます。

詩人、画家、音楽家、哲学者。 今は未だ無名ながら、己の才能を信じ、立身出世を目指して各々の生業に励む若者たち。
貧乏暮らしなんぞ屁とも思わないが、ひもじさと冬の凍てつく寒さ、それから溜めた家賃の督促だけは参っちまう。 それでも、誰かに僅かな稼ぎでもあった日には、忽ちみんなの飲み代に化けてしまうんだ。

悲恋の主人公カップルと対比するように、画家と遊女の痴話喧嘩カップルを配したバランスもニクイです。

        ▽▲▽▲▽▲

さて、今回視聴したのは、地元の図書館から借りて来たDVD。
ブルーノ・バルトレッティの指揮する2003年、ミラノ・スカラ座のライブです。

その昔、オペラってものを知りたくてLPをひとつひとつ買い求めた私ですけれど、それが今ではオペラが映像込み(もちろん字幕も付いて)で手軽に愉しめる時代なんですね。 いやはや、夢みたいな話です!

こちらはゼッフィレッリ演出の完成度がハンパなく、映像がもう圧倒的にキ・レ・イ!
ホント、どの一瞬を切り取っても一幅の絵のようで、もう溜め息が出ちゃいます。
(ゼッフィレッリ初期の仕事となるこの演出。 もう数十年に渡って各地で繰り返し演じられ続けているそうです)

夜のパリの喧騒を描く第2幕など、舞台が大勢の人で溢れんばかり。
とりわけカメラが引きになるシーンなど、ひとつ画面の中に見どころが沢山あり過ぎて、一体何処に注目したら好いのか判らず困ってしまいます。

もちろん、音楽も素晴らしいですよ。
ロマンティックで蠱惑的な魅力を漂わせるプッチーニの旋律と和声を、全編に渡ってたっぷりと堪能させてくれます。

歌手陣は、流石にテバルディらの音盤史に残るLPと比べてしまうと小つぶ感が否めないですけれど、素晴らしい映像と込みで味わえるんですから、少々の不足など無問題です。

詩人ロドルフォ役のマルセロ・アルバレス。 声も立派だが、容姿もイイ。
とりわけ舞台の照明を絞った場面では、イケメン度も五割り増しアップに!

詩人の盟友ら。 画家マルチェッロ、音楽家ショナールに哲学者コッリーネ。
お世辞にもお上品とは言いかねる、ちょっと荒っぽいが気のイイ男たちが好かった。
それぞれ個性的で(歌を抜きにして)俳優さんとしても、充分通るんじゃないですか。
この好漢たちの創り上げる演劇空間に、とっても惹かれました。

一方オーケストラは・・・・ちょっと奥まった処から聴こえて来るような響ですね。
過去に聴いたLPなどと(音声のみを)比べると、聴き手に迫ってくるものがなく、幾分物足らない気がします。
しかしながら随所に聴こえるヴァイオリンのソロ、これがもう情緒纒綿として泣かせるんだ。
 
DVDでプッチーニを堪能しました。
 
 
 
 
 
 

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Comments

こんにちは
 今はDVDで楽しめるのですね。
わたしもあまり興味なかったというか観る機会もなかったのだけれど。
以前ドイツ旅行で観た(野外劇場・魔笛)オペラがスゴク印象に残っています。小雨の中ナイロン合羽を着ての鑑賞だったんだけどね。
前列間近で観て感動でした・・・。余韻が今も。
もとよしさんのようにクラシック好きにはたまらないでしょうね~

Posted by: みい | November 10, 2012 at 11:29 AM

>みいさん

昔は買って来たオペラのLPを聴きながら、付属の歌詞カードを一生懸命に追って、いったいどんな舞台が展開しているのか、想像をたくましゅうしたもんですけれど。

それが今では、舞台の映像に字幕の付いたDVDを、地元の図書館で気軽に借りて来れちゃうんですから、ホントに隔世の感がありますね。(^^ゞ

あの頃の、LP&歌詞カードの努力を想い出すと、ちょいとばかり切なくなります。(笑)

Posted by: もとよし | November 10, 2012 at 05:15 PM

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