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October 03, 2012

下流の宴

  
 
下流の宴
 
 
    林真理子著
 
       2010年   毎日新聞社
 
 
 
林真理子さんの「下流の宴」は、かつて毎日新聞の朝刊に連載されていました。
連載の当時、私は毎日楽しみに読んでいましたけれど、半ば辺りでドロップアウトしてしまいました。 よって小説の後半を知らずにいたんですけれど、今回、念願かなって通しで読むことが出来ました。

        ▽▲▽▲▽▲

沖縄の高校を卒業後、上京してリサイクルショップで働く珠ちゃん。
キャリアもお金もないし、自他共に認めるブサイク(!)なれど、明るくて情の厚い庶民派代表。
ホントに好い娘です。

そんな彼女が成り行き上(!)、医大を受験することになります。
それまでこれといって目標も持たず、漫然と生きて来た女の子。 由美子(可奈の母)に言わせれば「下流」に属する珠ちゃんが、一念発起して医大を受験したとして、果たして合格することが出来るのか!?
お~、なんだか痛快なプロット。 ちょっと、ワクワクさせられるじゃありませんか。

受験勉強を開始する珠ちゃん。
そんな彼女の「愛とプライド」を賭けた夢を実現させるべく、サポーターが結集します。
親友のスタイリスト(おネエです)や売れっ子美容整形外科医院長をはじめ、カリスマ進学塾長や腕っ利きの進学塾講師ら大学受験のプロたちも。

医大受験なんていうと難関中の難関って印象ですけれど、本人の決死の努力もさることながら、受験のプロ達による(数々のノウハウを駆使した)取り組みがあれば・・・・・なんだか、ホントにやってやれないことはナイんじゃないの?などと想わせられます。

林真理子さんて、こんなお話しも描けたんですね!
(エッセイなど読むと)如何にも交友関係の豊富そうな林さんだけに、こういう知識(医療や受験産業のウラ話とか)が入って来るのかも。 なんて、勝手に想像しつつ、興味深く読むことが出来ました。

        ▽▲▽▲▽▲

一方、珠ちゃんと対極のポジションに立つのが可奈のパート。
オンナの自尊心やら虚栄心やら・・・・こちらは、林真理子さんの本領発揮って感じですね。

「中流」を自負する家に生まれた彼女にとって、望み得る最高の条件で結婚する(= 高給取りの妻に納まること)ことこそが、人生における一大目標。
若さと美貌を武器にして、日々(今で言う)婚活に余念がありません。 全てはより好き伴侶を獲んが為、ナンであります!

それは、どぎついまでのオンナ目線によって描かれる、即物的で損得勘定剥き出しの人生観。
バブルにどっぷりと浸かって来た世代の著者らしく、この辺の観察眼の冴えはスゴイですね。

バブル世代の思考、価値感、行動様式が次々に開陳されます。
私も毒のある表現は嫌いじゃあない方だけれど、でもこういうオンナの毒気については、いささか持て余しちゃいますねぇ。
とは言え、著者の描き方が自虐的でコミカルなところもあるため、オモシロく読むことが出来ました。
まぁ、本書が可奈のパートだけで、珠ちゃんのパートが無かったなられば、疾うに投げ出していたかもしれませんけれど。

ボリューム的に、可奈のパートが多すぎたかな。(こちらが林さんの本領でしょうから、仕方のないところかもしれませんけれど) 私としては、珠ちゃんのパートをもっと読みたかったと想っています。
 
 

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