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September 20, 2012

チーム・バチスタの栄光

 
 
チーム・バチスタの栄光
 
 
    海堂尊
 
      2006年  宝島社
 
 
 
題名に惹かれるものがありまして、手に取ってみました。
最先端医療に取り組む大学病院という、いわば理系の牙城を舞台としたミステリーです。

「バチスタ」というのは、心臓移植の代替医療として行われるバチスタ手術のこと。
題名にもなっているチーム・バチスタとは、極めて難しいとされるこの手術に取り組んで常に成功、連戦連勝の快進撃を続けて来た手術チームに寄せられた愛称です。

ストーリーの大部分は病院内部で進行しますし、登場人物も、そのほとんどが医師をはじめとする病院関係者たち。
私なんぞまるで縁のない医療の世界を描くこの小説は、それだけにイロイロと興味深いトリビア(医療のプロたちの仕事ぶりと、抱える問題点など)が随所に差し挟まれていて、ミステリーの謎解きとはまた別に、興味深い記述が多々ありました。

探偵(というかワトソン)役を勤める主人公もまた医師なんですけれど、大学病院内の苛烈な出世競争から独り背を向け、本流からは少し外れたポジションに収まっています。
いささかシニカルな性格ではありますけれど、しかし病院内の(生き馬の目を抜く)面々(院長はじめ同僚の医師、そしてチーム・バチスタの面々)と比べれば、至ってフツーの「常識人」として見ることも出来そうです。

それから、お話しの途中から参入する、もう一人の迷探偵。 こいつがまたスコブルつきの変な奴でした。
大学病院という理系の牙城にあって、なお周囲を呆れさせ、煙に巻く程の超・論理的思考の持ち主であり実践者。 人呼んで、ロジカルモンスター。 キャラが立ってますよ。 以前に読んだ「空中ブランコ」の伊良部先生を想い出しました。
なにより、その奇行(!)で医師たちを煙に巻いて歩くのが痛快。

このミステリー。 読み終えてみれば、謎解きとしては意外にアッサリでしたけれど、でも物足りなさは微塵も感じませんでした。
大学病院内の人間描写が秀逸で、オモシロくって、なにより医療関連の豊富なトリビアがとっても興味深かったですから。
 
 

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Comments

こんばんは~
 かなり秋らしくなってきました。
そちらはどうですか?

この本は未読です。
TVでドラマ化されていたのは、何回か観たことあります。
>医療関係の豊富なトリビアがとっても興味深かったから・・・
そうなんだ。

面白そうですね。
機会があれば読んでみますね。

Posted by: みい | September 22, 2012 at 07:53 PM

一体いつまで続くかと想われた暑さも、ようやく和らいで参りました。
今日はまとまった雨が降ったせいもあって、肌寒さを感じるくらいです。(^^ゞ

「チーム・バチスタの栄光」、ドラマ化されているんですね。
医師を主人公にしたドラマといえば、昔から名作揃い。 これも見応えがありそうですね。
私としては、ロジカルモンスター役を誰が、どんな風に演じているのか気になります。(笑) 主人公と凸凹コンビを組んでの掛け合いもオモシロそうですね。(^ァ^)

Posted by: もとよし | September 23, 2012 at 11:15 PM

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