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October 14, 2011

ブレイブストーリー

 
 
ブレイブストーリー
BRAVE STORY
 
 
   宮部みゆき著
 
 
       2003年   角川書店
 
 
 
RPG(ロールプレイングゲーム)ってモノについては、それこそゲーム用コンピュータ/パソコンの普及する以前、未だ盤上で人手によって進められていた時代から、その存在だけは認識していました。
生憎私とは縁がなくて、実際にやってみたことはないんですけれどね。
でもRPGって、もしも私がやったら絶対に深くふかく、それこそ致命的に嵌っちゃいそうな気がしますね。
その昔、雑誌でロールプレイングゲーム(PC上ではなく盤上でやる方)について紹介した記事を読んで、これって絶対にオレ向きって想ったもん!
こういう壮大な世界観を背景にしたゲームが、コンピュータ上に移植されるなんて、未だ考えられなかった昔の話です。

           ▽▲

さて、聴くところによれば著者の宮部さんは筋金入りのRPGゲーマーでいらっしゃるそうで。
RPG好きの少年が、訳あって異世界を旅することになるこのファンタジー小説、さてはご自分の趣味に走ったお作だったりするんでしょうか?
だとすれば、こいつは楽しみですよ。
執筆に当たっては語り手(作家)がRPGへの薀蓄や情熱、愛情の全てを傾注。 腕によりを掛けて臨むに違いない、と想うからです。

           ▽▲

さて小説は、現実の世界が舞台の<現世パート>と、ファンタジー世界を舞台にした<幻界パート>が交互に語り進められる形です。

そのうち<現世パート>側では主人公(小学五年生男子)がのっけからへヴィーな、子供の身にはあまりに過酷と言える運命を突きつけられてしまいます。
辛い、つらいよこれは。 あんまり酷過ぎるじゃないか。
こんなにも重いテーマ、小学生の小ちゃなハートに乗っけちゃいますか? 宮部さん。

素敵なファンタジーを期待して読み始めというのにこの(シビア過ぎる)展開です。
先々どうなることやら、一体どう収集を付ける積もりなのかと、本気で心配し、ハラハラさせられました。
が、そこは宮部みゆき。 納得のラストに繋げてくれます。
途中で投げ出してしまわなくてホントに好かった。

           ▽▲

それから、もう一方の<幻界パート>。
こっちはアレですな。 如何にもRPGに好くありそうな(ってRPGをやらない私が言うのもナンですけれど)トカゲ人やネコ人やらの闊歩する、中世ヨーロッパ風の魔法世界。

なんか新味に欠けると言うか、どこかで読んだ/観たような世界観ですけれど、これってRPG好きな少年のイマジネーションから来ているって解釈で構わないんでしょうかね。

           ▽▲

ともかく長い小説(分厚い上下二巻!)です。
それでもって展開がゆっくりときていますから、話しが余計に長く感じられる。 ホントなが~い。
私は、序盤と中盤との二回、敢え無く挫折しそうになりましたよ。
もっとも、こういったジックリマッタリと進めてゆく感じが、またゲームっぽいのかも。(ゲームのことは好く知らないんですが)

でもね、終盤まで来ると、それまでのマッタリズムが嘘のような、壮絶&怒涛の展開に突入します。
これまでの冗長でマドロッコシかった部分が全て、ここに来て伏線として活き始め、俄然面白くなる!
とっても長編だけれど、四分の三までは我慢ガマンだ。 それだけのことは、必ずあるから。

           ▽▲

それにしても、なんて切ないラストでしょう。
ちょっと大袈裟かもですけれど、万感胸に迫りました。
こんな、ほろ苦い感情を受け止められるって、主人公ホントに小学生かい?
この手のファンタジー小説で感動するなんて、そして心にクルとは、ゆめ想わなかったな。

<幻界パート>の始まりで提示してみせた、あの「勇気」という言葉。
あれって、やっぱり全編を貫くテーマだったんだねと、永い小説のお終いまで来て、改めて納得させられました。

少年に勇気を。
だから、ブレイブストーリー。
 
 

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