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October 03, 2011

かもめ食堂 (小説版)

 
 
かもめ食堂 (小説版)
ruokala lokki
 
 
    群ようこ
 
      2006年    幻冬舎
 
 
 
私がかつてDVDで鑑賞し、どっぷりとハマり込んでしまった映画「かもめ食堂」のこちらは小説版です。
図書館で偶々見付けて、もう反射的に手が伸びちゃいました。

小説とは言っても普通の意味での原作ではなし。 また、映画の後付けで書かれたノヴェライズというのでもなし。 これは、映画造りのためわざわざ書き下ろされた小説とのこと。
映画化が前提ってコトなか、映画をもって完成形とするってハナシなのか、ともあれ一風変わった出自の小説なんですね。

映画から「かもめ食堂」の世界に入った者としては、これは小説と言うよりも設定集/インサイドストーリー集として読めてしまいます。ですから小説単独で愉しむというよりは、あくまで映画とペアで、映画では語られる事のなかった部分の補完として愉しむ感じです。

内容の方は、映画とはあちらこちらが違っています。
多分、この小説(映画の製作に先立って書かれた)を素に映画が造られてゆく過程で、いろんな必然からあちこちが変えられていったんだと想う。 結果「かもめ食堂」の、あの素敵な世界が出来ました。 そう考えればこの小説、(例え映画と、どこがどう異なろうが)書いてあることに少しの無駄もないワケですね。

ここではかもめ食堂で働く三人の日本女性の来歴。 映画ではほとんど語られる事のなかった故国日本での暮らしぶりなども明かされます。
映画でその辺りをバッサリと大胆にカットしたのは、けだし英断ですね。 (もちろん、三人の過去というものが物語を創り上げる上での裏設定、バックボーンとして重要とは想いますけれど)
映画が(小説と比べ)少しも下世話に落ちず、大人の童話とでも呼びたいファンタジックな空気感を保っていられるのは、こうした(ある意味果断な)姿勢を貫いたお陰と想います。

一人ひとりの人生など一々説明されなくとも、女優さんたちの演技/存在感が、なにもかもを物語っていましたからね。 (この辺りはやはり映画の力ってスゴイ。 俳優さんの才能(とそれを引き出す監督の手腕)ってスゴイ、と想ってしまうのです)

因みに読んでいる間中ずっと、三人の女性の声音や容姿が逐一映画の女優さんたち(小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ)のそれへと脳内変換して再生されちまってですね・・・・これはこれで愉快な気分でした。
 
 
 
   映画 「かもめ食堂」     2006年  日本
 
 

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Comments

かもめ食堂、観たいと思いながら観てませんcoldsweats01
小説、映画の後で読んだのですね。後で読むほうが人物像がはっきり浮かんで楽しめるのかもね。
個性的な、実力派の女優陣なのでなおさらですね。
楽しめたでしょう^^。
映画作りのために書き下ろされたものなのですか。
面白そうですね。
読んでみたくなりました^^。

Posted by: みい | October 05, 2011 at 10:24 PM

>みいさん

これ、やっぱりちょっと特殊な小説と言うべきでしょうかね。(^^ゞ
映画の方、機会がありましたら是非ご覧になってみて下さい。 (何度も言ってますけれど(^^ゞ)とっても好かったです。(^ァ^)

そう言えば、ありますねぇ。 原作と映画、どっちを先に鑑賞するのがイイのって議論。
基本的に私は原作が先派なんですけれど、でもこの「かもめ食堂」ばかりは別ですね。(^^ゞ
あくまで映画をもって完成形とみなしたいし。 で、そうなると小説の方は、映画の補完として位置づけられますので。

Posted by: もとよし | October 06, 2011 at 11:09 PM

もとよしさん、こんにちは!
私も映画→小説の順番でしたが、両方大好きです!

小説では、それぞれの登場人物の過去や背景が解って、とても興味深かったです。
何故フィンランドまで行けてお店を出せたか?(お金が入った理由)とか、もたいさんが介護を長くしていた事や・・・。

表紙のかもめのイラストもシンプルで大好きです☆

Posted by: latifa | October 16, 2011 at 11:00 AM

>latifaさん

サチエ(小林聡美さん)が開店資金を入手したくだりは、なんというかサチエらしい力技で可笑しかったですねぇ。(^ァ^)

私は、ミドリ(片桐はいりさん)がサチエより年上って設定だったのが一番のオドロキでした。(笑)

仰る通り本の装丁も拘っていて、如何にも「かもめ食堂」らしいデザインが好かったです。

Posted by: もとよし | October 16, 2011 at 11:31 PM

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