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August 31, 2011

生協の白石さん

  
 
生協の白石さん
Shiraishisan working in the COOP
 
 
   白石昌則、
   東京農工大学の学生の皆さん

      2005年   講談社
 
 

何気に一杯イッパイな日々の続いている私です。(溜息)
流行った当時ついつい読みそびれていたこの本を読んで、ノホホンって気分になりました。

        ▽▲▽▲▽▲

東京農工大学の生協で、組合員(つまり大学生)からの要望や質問に回答する「ひとことカード」。
本書は生協職員である白石さんと学生諸氏との、「ひとことカード」を通した軽妙なやりとりをまとめた一冊です。
大学の構内限定のやり取りは、最初ネットに広まって、次第に話題を博し、こうして本にまでなりました。
私も、あの当時ネットで見た覚えが・・・・但し、本家(?)の「がんばれ生協の白石さん」ではなしに、他のサイトでちらと覗いただけですけれど。(それでも十分面白うございました)
 
 
 
<生協への質問・意見・要望>
「宇宙に
行きたいです。」
 
<生協からのお答え>
「大学生らしいスケールの大きな志、素晴らしいです。
私など今度の休みに予定している四国旅行が楽しみで仕方ありません。 いつからこんなに小さくまとまってしまったのか嘆くばかりです。
実は当生協カウンターにて旅行の申し込みも受付しています。 宇宙への夢がはかなくも破れ、傷心状態となりましたら、是非とも地球のツアーを当店にてお申込み下さい。」
 
 
 
不肖、学校を卒業してあまりに長い時間が経ってしまっています。
ですからキャンパスの雰囲気などというものは、もはやイメージし難いのですけれど。
それでも、読みながら想いを馳せたのは去年の秋、資格試験の為に足を運んだ地元某大学のキャンパスです。
白石さんの(当時)奉職された東京農工大も、きっとこんな感じ・・・・なんて想い描きつつ読んでみました。
 
 
 
<生協への質問・意見・要望>
「愛は売っていないのですか・・・?」
 
<生協からのお答え>
「どうやら、愛は非売品のようです。
もし、どこかで販売していたとしたら、それは何かの罠かと思われます。
くれぐれもご注意ください。」
 
 
 
「ひとことカード」に寄せられるのは生協の取扱商品に対するリクエストから、とんとイミフな質問、果ては人生相談まで。
その一つ一つに対して真摯に回答する白石さんのオモシロ真面目さ。
型通りのリクエストから、どんなに人を食った質問・・・・変化球でも鮮やかに打ち返してみせます。
それでいて生協の一職員の立場から決して食み出さない大人のスタンス。(これが背景にあるから、やりとりも可笑しいんだね)
 
 
 
<生協への質問・意見・要望>
「もういやだ
死にたい」
 
<生協からのお答え>
「生協という字は「生きる」「協力する」という字を使います。 だからといって、何がどうだという事もございません。 このように、人間は他人の死に関し、呆れる程、無力で無関心なものです。
本人にとっては深刻な問題なのに、なんだか悔しいじゃないですか。  生き続けて、見返しましょう!」
 
 
 
        ▽▲▽▲▽▲
 
さて、こうして立派な本になった白石さんの「ひとことカード」は、以前にネットで読んだ時と比べて、少し印象が異なります。
鮮度が落ちたっていうか。
無論、書いてある文章は同じ。 そこに違いはないのだけれど、体温が伝わってこないとでもいうのか・・・・温度感/距離感がどこか違う気がしますね。
本としての体裁を取った途端に、少し余所よそしいカンジが付きまとうようで。

最初ネットで見付けた頃に感じたワクワク感。 これまで見たこともない、とってもオモシロイものに出くわしたという感動が、本という体裁をとることで、大分薄れてしまうようです。

随所に差し挟まれる解説/裏話(?)「白石さんからの言葉」は、私は余分であったと想いますね。
そこには白石さんその人の人格/イメージがクッキリと現れているため、「ひとことカード」のやりとりのみで成立していた面白さをかえって削いでしまっていると想うのです。
白石さんには一言カードの人に徹して欲しかったカナと。

まして組合理事氏によるご挨拶に及んでは野暮の極み。 こういうのは編集者の意向なんでしょうか? だとしたらこれはマイナス効果。 そもそも読者は特段ブームの真相とかヒットのメカニズムとかを知りたいんじゃあないワケで。

        ▽▲▽▲▽▲

本書に登場するキャンパス風景は2004年当時のもの。
全体的に、今より余程ノンビリしていそうですね。
読んでいてホッコリとしました。

中には就職に関するお悩み相談などもありますけれど、未だそう切迫感はみられないですし。
それに比べて当今の就職事情・・・・
一杯イッパイなのは、俺だけじゃあないよな! そう想い至って我に返りました。
 
 

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Comments

こんばんは~
 大変な日々が続いているようですね。
でも、演奏会、客席の人、でも行けてよかったですね。
気分転換になったことでしょう~

生協の白石さん、そうね、一時面白いなと思ったことが・・あ、2004年なんですね。
本は読んでません。

確かに、書籍化されるとなんか違うんじゃあないかと思ってしまいますよね。「一言カードの人」でいいんですsign01

Posted by: みい | August 31, 2011 at 07:54 PM

>みいさん

お陰さまで演奏会、客席から楽しむことが出来ました。(^ァ^)

ネットでとっても面白かったネタが、雑誌/書籍やテレビで取り上げらると、それほどオモシロくもなくなってたってコト、間々あります。
「生協の白石さん」も、書籍化して商品として世に出すとなると、「ひとことカード」の羅列だけでは済まされない・・・・とか、出版社は考えるんでしょうかネ。 止せばイイのに。(^^ゞ
白石さん人気の分析とか、「ひとことカード」の果たす役割とか。 いろんな文章で嵩増しが図られています。 これこそホントの蛇足ですね。(^^ゞ

Posted by: もとよし | August 31, 2011 at 08:41 PM

生協の白石さんがブームになったのは2004年でしたか。。。
何事も過ぎてしまえば色あせるものなのですね。たとへ同じことを書いたとしても。
よく売れていたお店が改造したとたんに客足が鈍くなった、とよく似た話だと思いますdelicious

Posted by: おキヨ | September 01, 2011 at 11:17 AM

>おキヨさん

お店と顧客とのコミュニケーションを図り、店内を活性化させる「ひとことカード」。
いろんな業種/お店で同様のことをやっているワケですけれど、でも白石さんのようにはゆかないようで。(^^ゞ
簡単そうに見えて、そう簡単には出来ないんでしょうね。

白石さんの偉い(?)のは、これだけ注目されても「ひとことカード」の応えぶり、その回答スタンスにいささかもブレのないところですね。 こういうところ、サスガに賢い方だなァって想います。

Posted by: もとよし | September 02, 2011 at 09:57 PM

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