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March 29, 2011

菊次郎の夏

 
 
菊次郎の夏
Kikujiro
菊次郎的夏天
 
 
 監督、脚本、編集:北野武
 音楽:久石譲
 出演:ビートたけし
 
 
    1999年  日本
 
 
ここんとこ、さっぱり意気が上がらないっす。
東日本大震災とその後一連の大混乱ってことも勿論あるんですけれど、それ以前から・・・・ここ二ヶ月くらいというもの、心の奥底に澱でも溜まったような、どよ~んと沈んでいる何かを感じています。
まぁ、人生、いろいろとありますし。
で、そこへ来てこの地震騒ぎですからね。
スキッとしないのも、まぁ無理ないか(おい)とか想っちゃうわけですけれど。

それはそうと、三月も末と言うのに未だ冷えますねぇ。
このところ寒々しい話題ばかり続くし、好い加減暖かくなってくれても好いじゃなイカ、とか想うわけです。(暑くなったらなったで、お次は冷房に使う電力事情の不安ってことが待っている筈ですけれど)
一足先に夏の気配を感じてみたく、この映画のDVDを手に取りました。

         ▽▲▽▲▽▲

夏休み。 見も知らぬ母を訪ねる小学生の正男と、それに付き添うチンピラ・菊次郎(ビートたけし)とが繰り広げる珍道中(?!)。

近頃のドラマは、演技の達者な子役が増えた気がします。 と言うか、相当上手い子が出て来ても、もはやそれほど驚きもしなくなっちゃってる。
それが、この作品に登場する少年(正男君)は甚だ淡白で控えめです。
良くも悪くも、子供らしい子役、と言えるでしょうか。
北野監督、どうやら子役に対しては殊更に演技とか、大人が喜びそうな(子供らしい可愛い)リアクションを要求しないようですね。
私としては、それは判るんだけれど、でも(今時の芸達者な子役ちゃんに慣れてしまっているためでしょうか)ちょっとばかり物足らなく感じてしまって、もう少し積極的に演技させる手もアリかなと想いました。

         ▽▲▽▲▽▲

さて私、どちらかと言えば説明の多いドラマをニガ手としています。
ドラマの設定、事の次第や因果関係について、台詞や演出のあれこれで判りやすく説明されたりすると、かえって野暮に感じちまうんですな、私の場合。

で、「菊次郎の夏」はと言うと、その点至極アッサリです。
映画のほうからはあんまり語らないから、見る側が逐一察してゆかねばならない。
人によっては、これを説明不足と見るかもしれません。
でもそのお陰で、ここには静謐かつ適度の緊張感を湛えたドラマ空間が生まれています。
言わずもがなのことについて、一々場面や台詞を割かない寡黙さ。
こういう不器用(とも取れそう)で男らしい素っ気なさ、嫌いじゃあない私です。

音楽は久石譲さん
一度聴いたら忘れられませんよね。
私なんぞが今更クドクドと書くまでもなし、であります。
音楽の爽やかさと、菊次郎の粗暴(!)さとのコントラストの妙が好きです。

         ▽▲▽▲▽▲

母恋のロードムービーは、しかし映画の半ば辺りまで、なんであります。
終盤の夏休みキャンプパート(?)は、傷心の子供を元気付けるためと称して、いつか遊びに熱中しちゃう大人たちを活写。
やりたい放題(まぁ、普段からやりたい放題の菊次郎だけれど)の夏休みを過ごしていた子供時代に帰って、これまさに(大人になっちゃった)男の子の世界ですよ!
幾らイジメテも構わない(!)たけし軍団メンバーを相手に、ビートたけしが長年テレビで培って来た(人生無駄な経験なんてないワケだ!)バラエティー・ワールドが展開。
しっかりと愉しんじゃった私です。

         ▽▲▽▲▽▲

夏の想い出。 中でも子供の頃過ごしたそれは、格別ですよね。
日向の強烈な暑さに、蝉時雨。 日陰に居て何もせず、ダラダラと過ごす時間の静謐さ。
想えば私は余程ノンキな子供で、日付感覚なんてトウから喪失。 「ええっとこの夏休み、いつまで続くんだっけ・・・・」なんてボンヤリ想ったりしてましたね。
でも、そんな日々にも、無論のこと終わりは来るわけです。

かつての私がそうだったように、菊次郎や少年の夏もまた・・・・

今でも時々は戻りたくなる、あの頃の夏を想い出させられた映画でした。
 
 

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Comments

>日向の強烈な暑さに、蝉時雨。 
>日陰に居て何もせず、ダラダラと過ごす時間の静謐さ。
この辺、非常に良くわかります(笑

またいつかああいう夏を過ごしたいですね。
仕事に追われて疲れるばかりの夏でなく・・・

まあ当分無理ですけど、津波でいきなり人生を断ち切られたり、家まで流されてしまったりした方が大勢いらっしゃるのを考えれば・・・贅沢な望みなんでしょう。

でもいつか。
必ずいつか、また何もすることのない夏休みを過ごしてみせます。
その時は子供の時に飲めなかったビールを飲みましょう。

Posted by: | March 31, 2011 at 10:53 PM

>晴薫さん (^ァ^)

昨日辺りから急に暖かになった気がしますけれど、もう四月ですものね。(^^ゞ
椎名誠言うところの「正しい日本の夏」ってヤツは、もはやノスタルジーの中にしかないんでしょうかネ?orz

折りしも、そんな旧き好き日本の原風景、その在り処とも言えそうな三陸海岸が津波の被害に。
被災地を想えば寒さが遠のくのはありがたい限りですけれど、今度は夏の炎暑が控えてますね。
もう、今から心配で仕様がないですよ。orz
首都圏のエネルギー事情は、夏になってからがおそらく正念場。
その頃にはノスタルジーに浸ってる余裕なんてねいかも、ですね。(^^ゞ

Posted by: もとよし | April 01, 2011 at 09:33 AM

子供のころに過ごした夏、いい思い出ですよ、わたしも。あの頃の夏は、思い出の中だけなのかなあ~
切ないですね。

原発のいつ終息するとも分からない現状、海もあの頃の海に戻らないかも・・・。

首都圏の夏は大変でしょうね。どうなるのかしら?

不安なことばかり・・・・

Posted by: みい | April 01, 2011 at 09:56 PM

>みいさん

ここへ来て、ようやっと陽気を感じられるようになった気がします。
って、もう四月ですものね。(^ァ^)
 
旧き好き夏の想い出は、いつ何時でも振り返ることの出来る記憶の中。
そんな想い出を持っていること、それだけでシアワセと言うべきなのかもしれませんね。
 
この夏は、本当に心配です。
皆で働いて/休んで/遊んで・・・・・誰もが一斉に、同じ方向に動こうとする日本人の体質が、こういう時は裏目に出そうで。orz
が、工夫を凝らして難局を乗り切るのもまた、日本のお家芸のハズ!
ここは、信じましょう!!

Posted by: もとよし | April 02, 2011 at 10:16 AM

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