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February 19, 2011

ラフマニノフ ある愛の調べ

 
 
ラフマニノフ ある愛の調べ
Vetka sireni
Lilacs
 
 
 監督:パーヴェル・ルンギン
 出演:エフゲニー・ツィガノフ (セルゲイ・ラフマニノフ )
 
 
    2007年  ロシア
 
 
ロシアの大作曲家ラフマニノフの一代記であります。

とにかく、ホントに綺麗な映画でした。(詠嘆)
この作品、「ラフマニノフの伝記映画」というものに対して、我々(って誰に対して言っているのだワタシは)の期待している映像がまるまる詰まっており、ビジュアル的満足度のとても高いものとして仕上がっています。
その上、音楽はもちろんラフマニノフその人の作品が鳴り響きますからねぇ。 ピアノ協奏曲第二番、パガニーニの主題による狂詩曲・・・・ ハリウッドの映画音楽作家たちが束になって掛かっても適いやしませんって!

数々の名曲をものした革命前のロシア時代と、専らピアニストとして活躍したアメリカ移住後とを、カットバックを多用して描いてゆくこの作品。
主人公(ラフマニノフ)は、ハナっから気難しいワガママ野郎として登場します。
とにかく、見ているこちらに共感させるスキを一切与えません。
憂鬱そうにふさぎ込んでばかりだし・・・・(その辺の事情は、後から説明されるんですけれどね)
そんな構成のお陰でこの映画、一回見ただけじゃさっぱり判りませんでした。
ワタシ的に、これは二回以上見なきゃ評価の出来ない映画でしたね。

十月革命前のロシア、、、、
その街並み、重厚感漂うインテリア、白亜の屋敷(ラフマニノフの生家)と生い茂る樹木、咲き競うライラック、などなど。
異国情緒をして見る者の眼を愉しませるのと同時に、彼の音楽がロシアの風土と不可分であることを明らかにしてゆくなど、ドラマ造りが巧みです。

一方、移住先のアメリカにあっては、、、、
ローリング・トゥエンティーズ当時の繁栄ぶりが映し出されます。
国中に満ちみちるエネルギー。 ゴージャス、だけれど虚飾にまみれた文化。
演奏会に集う紳士淑女、その20年代アメリカのファッション!
それらは、米露の違いを見る者に(徹底的に)印象付け、アメリカの風土に馴染むことの出来ないラフマニノフの孤独感を理解させる要素でもあるのです。 「誰も知らない私の悩み(Nobody Knows de Troubles I've Seen)」なんですね。

ラフマニノフの創作の筆が止まり、心の晴れることのなかったアメリカ時代を描く時間が長くって、決してハッピーとは言えないですね、この作品。 エンディングは綺麗にまとめていて、後味は悪くないのですけれど。
こういった構成/解釈は、あるいは、ロシアを捨てアメリカへ去っていった(ソ連政府に弾圧される姿を描いて、出国せざるを得なかった十分な説明があるとはいえ)作曲家へ向けての、ロシアの人々の遣る瀬ない気持ちの表れではないでしょうか。
・・・・そう、これはロシアの映画なのでした。
 
 

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Comments

もとよしさん、こんにちは!
お久しぶりです^^

ちょっと懐かしい映画で、結構忘れちゃっていますが、
この映画は、雰囲気と音楽が良かったですね。
もとよしさんは、クラッシック音楽にも造詣が深いから、楽しめる処も色々あったのではないでしょうか^^

ビブリア古書堂の事件手帖、読まれたんですねー。
私はつい最近、やっと5巻を読んだところです。
1巻から、ずっと追っているんです。確かに、ちょっとライトノベルっぽい処もありますが、楽しく読んでいます。
舞台になる場所が、結構知ってる処や、馴染みのある地域なのもあって、嬉しいんです。

Posted by: latifa | September 22, 2015 at 11:31 AM

>latifaさん

お久しぶりです。(^ァ^)

「ラフマニノフ ある愛の調べ」。 音楽好し・映像もまた好しの、実に結構な映画でしたね。(^ァ^)
これを見て以来、私の中のラフマニノフ感が一変した気がします。(はい、影響されやすいんです(^^ゞ)
 
「ビブリア古書堂の事件手帖」は偶々図書館で見つけまして、これ幸いと(笑)借りて参りました。
舞台が北鎌倉というのがイイですね。 まことに絶妙なところを突いて来ました。(^ァ^)
ずっと以前、私も鎌倉のお寺巡りに凝ったことがありまして、あの界隈の静謐さや、観光客が多いのに不思議と俗化しない独特の雰囲気など、いろいろと想い出しながら読んでおりました。

Posted by: もとよし | September 23, 2015 at 12:24 AM

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