« moon dance/Ann Sally | Main | 健康診断 »

November 06, 2010

異人たちとの夏

 
  
異人たちとの夏
Summer Among the Zombies
 
 
 監督:大林宣彦
 原作:山田太一
 出演:風間杜夫
    片岡鶴太郎
    秋吉久美子
    名取裕子
 
 
      1988年   日本
 
 
 
Ijintachi_tono_natsu

  
先日、NHKの連続ドラマ「ゲゲゲの女房」で、水木しげるさんの父イトツ役を好演した風間杜夫さん。
そのプロフィールを辿るうち、この大林宣彦作品にたどり着いたのです。
それは、切なくも、奇想天外なる映画。 私にとって、想わぬ収穫でした。
 
 
※テレビドラマの脚本を書く原田(風間)はバツイチのアラフォー、殺風景なビルの一室に一人暮らし。
ある日、久方ぶりに生まれ育った浅草界隈を歩いてみるうち、両親との邂逅を果たします。
しかし二人は原田が12歳の折、交通事故で亡くなっているのですが・・・・・
 
         ▽▲▽▲▽▲
 
幼い頃の想い出の中にいる両親と、今また再会することが叶うとしたら・・・・・
例えそこにどんな怪異なヒミツがあったとしても、あるいは何か代償を余儀なくさせられるとしても、その誘惑に打ち勝つことの出来る者がいるでしょうか?

人生一通りの経験を経て来て、いささかお疲れ気味の中年男・原田が、ある日、死んだはずの両親とま見えます。
更に不思議なことに、二人とも亡くなった当時、原田が12歳の頃の年恰好のままなのです。
父は生一本な性格の寿司職人で、まことに気っ風のイイ男。 そんな父に寄り添う母は、ハネッ返りの女房で・・・・そしてとっても綺麗でした。
自分よりも若い父母から、十代のこども扱いされる中年の主人公です。

昭和の下町テイストをふんぶんとさせる両親。 その父役に片岡鶴太郎さん。 母役に秋吉久美子さん。
この二人の造り上げる古風で、いささか劇画チックとさえいえる夫婦像。 旧き好き日本の大人たち。 
その素敵なことといったら。
あんまり見事なんで、実はその他の部分の印象があんまり残らなくってですね・・・・完全に持っていかれてますナ。
 
         ▽▲▽▲▽▲
 
さてこの映画、もしも上記の鶴太郎 & 秋吉パートだけで全体を構成していたとしたら、懐かしくも切ないファンタジーとして終わることも出来たのではないでしょうか。

でも一方、名取裕子さんのパートがあります。
謎めいた美女が中年男を篭絡するというある意味ベタな展開の末に・・・・・ああ、なんてこと! トンデモな展開が待っていました。

あのぅ・・・・これって、ホラーなんですよねぇ?
映画を見終えた後も、アタマの中でハテナマークが瞬いておりました。
感傷的な気分だけでは終わらせないところが大林監督なのでしょうか?
まったく風変わりなバランス感覚としか言いようがないです。

なにはともあれ、あれもこれもでテンコ盛りの大林ワールドを満喫。
夏の終わりに相応しい切なさ、そして甘酸っぱさ。
でも、エピローグはいささか余分であったよなぁ。

で、もしもですね・・・・もしも鶴太郎 & 秋吉パートだけ切り取って観てみたならば・・・・・なんて、やっぱり妄想を封じ得ない私です。
 
 

|

« moon dance/Ann Sally | Main | 健康診断 »

Comments

もとよしさん、こんにちは!
私はこの映画、ブログ始めた頃に、自分のいままでの、お気に入り映画に入れたほど、特別お気に入りの映画なんです。

でね、見たのは80年代前半だったかと思うんで、詳細を忘れていて、この映画=鶴太郎と秋吉さんのパート の印象しかなかったんです。

>この二人の造り上げる古風で、いささか劇画チックとさえいえる夫婦像。 旧き好き日本の大人たち。 
その素敵なことといったら。
あんまり見事なんで、実はその他の部分の印象があんまり残らなくってですね・・・・完全に持っていかれてますナ。

これ、まさにこれですよ。
だから、最後の方で、ホラーじみた所があったことは、すっかり忘れていて・・・。あるとき、名取さんのそういうシーンのことを思い出して、びっくり・・・
そうだ、そういうシーンがあったよな・・って。

Posted by: latifa | November 09, 2010 at 02:01 PM

>latifaさん
 
latifaさんもお気に入りの一編でしたか!(^ァ^)
 
やっぱり、鶴太郎さん&秋吉さんパートの印象があまりにも強烈ですよね~。
すき焼き屋のシーンなんて、あれほどチープ(!)な特撮なのにもかかわらず、泣かされます。
 
それにしても驚かされるのは、元々コメディアンであった鶴太郎さんを抜擢して成功させた大林監督。 その慧眼おそるべし!
鶴太郎さんはこの出演が切っ掛けにもなって、シリアスドラマへ転進したのだとか。(wikiより)
latifaさんは既に80年代にご覧になっていとのことですから、コメディアン・イメージとのギャップは取り分け新鮮だったのではないでしょうか。(^ァ^)

Posted by: もとよし | November 09, 2010 at 03:34 PM

原作(?)は読んだ事があったのですが、映画は存在を知ってるだけでした。面白そうですね。是非観てみたいです。

Posted by: くあい | November 10, 2010 at 08:39 AM

>くあいさん

山田太一さんの原作をお読みでしたか。(^ァ^)
 
異人たち。 亡くなった両親と、謎の女とを、原作ではどんな風に描き分けていたのか、とっても気になりますね。(笑)
 
映画の方は、大林監督ならではという感じ。(^^ゞ とにかく、楽しめましたので是非!!
夏の浅草、下町の雰囲気とかタマランです。(^ァ^)

Posted by: もとよし | November 10, 2010 at 10:42 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/61645/49955903

Listed below are links to weblogs that reference 異人たちとの夏:

« moon dance/Ann Sally | Main | 健康診断 »