« 津田沼散歩・藤崎森林公園 | Main | 世界最速のインディアン »

June 17, 2010

われはロボット

 
  
われはロボット (決定版)
I,ROBOT
 
  
  アイザック・アシモフ著
  小尾芙佐訳
 
    1950年  早川書房
 
 
かの有名な「ロボット工学三原則」を提唱したアシモフによる、ロボットもののSF短編集です。
 
三原則に曰く、
 
第一条 : ロボットは人間に危害を加えてはならない。 また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
第二条 : ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。 ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
第三条 : ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。
 
 出展 : 「ロボット工学ハンドブック」第五十六版 西暦二〇五八年刊 より
 
 
なんであれ新奇で画期的なもの、例えば新発明の乗り物やら電気製品・・・・昨今で言えば、やはりコンピュータ関連でしょうかね・・・・が世に現れた当初・黎明期というのはトラブルがつきものですし、それに振り回されるドタバタの悲劇・喜劇があるものです。
このSF作品に描かれる未来世界。 人類が、知能を持ち自在に動くロボットを造り上げ、様々な分野で使役し始めた時代にあってもまた、予期せぬドタバタ劇の数々が繰り広げられるのでした。

搭載された陽電子脳の基本設計上、三原則により縛られた(ゆえに間違いなど犯すはずのない)ロボットたちが、実用化の段階・現場へと持って来てはじめて巻き起こすトラブルの数々。
でもそれは、製造上の誤りやましてロボットの起こした反乱などではなく、煎じ詰めれば三原則の通り愚直に機能した(あるいは人間側の都合で三原則に例外的な抜け道を設けた)結果にすぎなかったりするのです。

本書の主人公らがそんなトラブルの一々と立ち向かい、ロボットたちの予期せぬ行動を理詰めで解き明かすあたりは、(現実の)コンピュータ言語を駆使してのプログラミング及びその運用に通じるものがあると想いました。

コンピュータはプログラム(と与えられたデータ)の通り、ホントにその通り動くものですからね。 それが思惑と違う動きをした場合、「機械が壊れたぁ!」とか決め付けたくなるのが人情ですが。 でもそうじゃない。 上手くゆかないのは必ず、そうなるだけの理由がプログラムの何処かにあるから。
その現象について考えを廻らし、原因を追い込んで、上手くゆくよう治すしかないわけですね。

ロボットの誤動作を究明してゆく過程は、せっかく造ったプログラムが思惑の通りに動かない原因、誤動作を起こす理屈を究明して、遂にプログラムを仕様の通りに実行させた時の快感、あるいは運用でどうにかカバーし得た時の安堵感。 アレに通じるものがあると想います。
もちろんアシモフの時代、こうした感覚は未だ一般的ではなかった筈で、まるで技術史を先読みしていたかのように想えてきます。
時を経て風化しないSF。 これぞ古典。 名作の証です。
 
 

|

« 津田沼散歩・藤崎森林公園 | Main | 世界最速のインディアン »

Comments

アシモフですね。ファウンデーションと並んで、愛読してました。ロボットものシリーズとして先々でファウンデーションシリーズと統合していく壮大さも魅力ですが、初期のこの作品あたりの方が、SF的というか知的(?)な興味をよりかきたてられるような気もしますね。

Posted by: くあい | June 18, 2010 at 06:42 AM

>くあいさん

アシモフはこの「われはロボット」のみを、随分と昔に読んでいまして、今回は久々の再読でした。
年代記的にまとめられ、見事に整合性のとれた短編集。 どの事件にも三原則を絡ませてロジカルなところが魅力ですね。(^ァ^)

有名な「ファウンデーション」の方は未読であります。(^^ゞ
昔、父親の書棚に(一冊は)あったように記憶していますけれど、手に取ることはありませんでした。 以来これまで、何故か縁が無かったですねぇ。
いつか読まなくちゃ、と想ってます。(^ァ^)

Posted by: もとよし | June 18, 2010 at 11:55 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/61645/48651828

Listed below are links to weblogs that reference われはロボット:

« 津田沼散歩・藤崎森林公園 | Main | 世界最速のインディアン »