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June 22, 2010

今日の風、なに色?

   
 
  今日の風、なに色?
 
     辻井いつ子著
 
 
       2000年   アスコム


2009年の第13回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで天晴れ優勝を果たした辻井伸行さん。
その快挙は未だ記憶に新しいところです。 以来、様々なメディアを通じて辻井さんの演奏そして人となりに触れることが多くなりましたね。
本書「今日の風、なに色?」はその辻井さんの母君いつ子さんが、伸行さんの誕生から十二歳までの日々を書き綴った子育て奮闘記であります。

もともと音楽については素人と仰るいつ子さん。
若手トップピアニスト育成の秘訣、その教育ぶりは果たして? なんて風な興味から本書を手にする読者(私などがそうですが)は少なくないかと想われますけれど、本書は終始母親としての視点から描かれるため、伸行さんの音楽家としての成長ぶりや日々の練習、演奏する楽曲についてなど、さほど詳しくは語られません。
それよりも、障害を抱えて生まれて来た我が子の発育。 絶え間ない育児上のストレスや将来への不安と向きあう日々。 息子にとっての幸せとは・・・・なによりもそのことを第一義に考え、子育てに取り組む日々が、終始前向きな筆致で描かれていました。

それにしても、いつ子さんの持つエネルギー、アクティブさには圧倒されます。
日頃からアンテナを張り巡らして人(音楽家に限らず)と出会い、教えを請う。 試行錯誤もする。 我が子のために必要と考えれば、(それが見知らぬ世界であろうと)なりふり構わず飛び込んでゆくんですから。
息子の進路、教育方針については先生方に委ね切るのではなく、(素人ながら)自ら考え抜いた上で息子を導いてゆく。 その主体性が、伸行さんを導く上で上手く働いたようですね。
ピアニスト辻井伸行の登場は、まさにいつ子さんの愛情と努力のたまものであったと判りました。
 
 
 
    debut 辻井伸行    (伸行さんのデビュー盤)

    のぶ、カンタービレ!  (いつ子さんの第二作。 伸行さんのその後、デビューまでの足跡)
 
 

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Comments

辻井さんのCDとDVD持ってます。
買いましたよ~

才能を開花させた母親の愛は偉大ですね。
見えないからと言って、見せないのではなくどこへでも連れて行って、五感で感じることを教えたみたいですね。

母から卒業した伸行さん、これからもしっかり歩いていくことでしょうね。

Posted by: みい | June 26, 2010 at 10:35 PM

>みいさん

音源も映像も既にお持ちでしたか~。(^ァ^)

伸行さん。 これからも更に成長して、立派なピアニストになるのは疑いもありませんけれど、ヴァン・クライバーン・コンクールをその頂点とした若き日の演奏の数々こそは伸行さん青春の記録。 この年頃ならではのフレッシュな演奏として永遠に残るものでしょうね。(^ァ^)

Posted by: もとよし | June 27, 2010 at 04:50 PM

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