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June 09, 2010

妖怪天国

  
 
  妖怪天国
 
     水木しげる著
 
       1992年   ちくま文庫
 
 
漫画家、水木しげるさんの随筆集です。
新聞や雑誌をはじめ、十年ほど掛けて、いろんなところに書き綴った文章をまとめたもののようです。
私は、本業の漫画の方はもちろん読んでいましたけれど、水木さんの文章をキチンと味わうのはこれがはじめてでした。 どれも皆短編で読みやすいうえ、水木さんらしい飄々とした文章が愉しいのです。

全体は<妖怪病>、<天国病>、<締切病>の三章から成っていて、扱うテーマもいろいろですけれど、どの一編を読んでも、根っこの部分は皆同じだなと想いました。 信条がぶれることなく一貫としているんですね。

・幼い頃から身近に感じていた妖怪たち。 この世とあの世のこと。
・戦時中連れて行かれた南方で現地の人の暮らしぶりを垣間見、これぞ楽園と想ったこと。 しかし、かつてはこの世の天国とさえ想った南方の世界も、近頃は近代化の波が押し寄せて来ている模様。 時の流れは、現地の旧友たちさえ変えてゆきます。
・戦後、漫画家のスタートとして始めた紙芝居。 次いで貸本漫画家(今NHKでやっている連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」が丁度この時期ですね)となり、そして週刊漫画誌の連載を抱える売れっ子漫画家となった今も、常に水木さんを脅かすのが「締め切り」というヤツ。

エコとか自然との共存とか人間らしい生き方とか、安直に口に出そうものならコソバユくなりそうなテーマに言及しながら、俗世間の価値観に少しも拘泥しない水木さんの語りは違いますね。 超俗にしてユーモラス、そこがイイ。
 
 

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