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May 14, 2010

激突!

 
 
激突!
Duel
 
 
   監督:スティーヴン・スピルバーグ
   出演:デニス・ウィーヴァー
 
 
      1971年  米国
 
 
言わずと知れた、スティーヴン・スピルバーグ監督の出世作です。 この度やっとこさ(!)、遅れ馳せながら鑑賞することが出来ました。

舞台はアメリカの荒野。 草木もまばらな乾いた大地。 それを真一文字に貫くハイウェイ上です。
主人公(倦怠気味の平凡なビジネスマン)の駆る赤いセダンが、先行するトレーラーをちょっと強引に追い抜いたのを切っ掛けに、その相手から妙に絡まれ出すことになります。
後ろから無茶に煽ってきたりして、最初は単なる嫌がらせくらいに思えたのが、やがて度を越した悪ふざけとなり、そしてついには明白な殺意を剥き出しに・・・・

この後スピルバーグ監督が次々にものした娯楽超大作映画とは異なり、この「激突!」は見えない相手、読めない殺意、その一点を以って構築した、実にシンプルな造りのドラマです。
荒野を疾駆する赤いセダンとそれに付きまとう大型トレーラー。 このまったくもって単純な構図の中にあって、巧みなカット割り、(演出の)緩急の手綱さばきが、緊迫感をグングンと盛り上げてゆきます。

主人公の駆る赤いセダン。 この映画では、このクルマの色がウマく効いていると想います。 殺風景な荒野の中にあって、挑発的というか、まるで暴力を誘発するかのような「赤」なのです。
対する相手の車両。 薄気味の悪い色(汚し)を施した、大型でパワフルなトレーラーは、見るからに獰猛な悪役そのもの。 各々の役どころが視覚的にも明快なのです。

舞台設定がシンプルなら、登場人物の方もごくわずか。
ほとんどが、主人公の視点から描かれます。 なので、ドラマを見ている側が感情移入のできる相手は唯ひとり、主人公のみ。
孤独です。
いきおい、鑑賞しているこちらまで主人公の内向的な気分を共有することに。 もとより相手のトレーラー(を操るドライバー)は、人間(人格)として描かれてはいないですしね。
そのお陰で、そもそも平凡で退屈な筈のドライブが悪夢へとなり果てる、その過程を辿る主人公の動揺が、痛いくらいこちらに伝わってきます。

痛快な娯楽映画を期待したりすると肩透かしを喰らうかもしれませんけれど、若き鬼才、やる気満々な映画青年の撮ったデビュー作として見れば、これはハードにして上質のサスペンス。 成程、名作也と納得させられた一本でした。
 
 

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Comments

私もこの映画を初めて見た時には驚きました。
制作費がこんなにちょぴっとでも、こんなスペクタクル映画がつくれるんだ、と。お金をかければいいという物ではないのですよね。若きスピルバーグの才能にひれ伏す思いです。

Posted by: 猫柳 | May 14, 2010 at 10:19 PM

寝ている間に疲れた筋肉の痛みを和らげ

翌朝は足がすっかり軽くなりました。
 
マッサージに行かずとも手軽に痛みが取れる

湿布、 優れものです。

http://www.geocities.jp/hk_tiger_balm

Posted by: Hasegawa Etsuko | May 15, 2010 at 05:57 AM

>猫さん

舞台は大部分が路上。 主演のデニス・ウィーヴァー以外の俳優は、ほんのチョイ役のみですからねぇ。 同じ監督が後に撮った、大仕掛けの娯楽超大作などからみたら、もう超シンプルでストイックな作品ですよね。

それでも、見ていて飽かず惹きつけられるのはひとえに監督の力量!
なんだか、若さ故に脇目も振らず撮ったって印象を受けます。
若書きの魅力ですね。

Posted by: もとよし | May 15, 2010 at 08:36 AM

私もこの映画テレビで2回観ました。
確かに大型トレーラーは悪役の人格を持っていましたね。スピルバーグのデビュー作としては地味ですがサスペンスとして充分な見応えでした。

デニス・ウィーバーというお金のかからない?俳優を起用というのも監督として腕試しという感じがしましたね。

Posted by: おキヨ | May 16, 2010 at 12:22 PM

>おキヨさん

おキヨさんもご覧になってましたか。(^ァ^)

デニス・ウィーバーと言えば、あの口ひげが印象的ですね。
子供の頃、テレビで彼の主演していた連続刑事ドラマをやっていて、私はそれが大好きでした。

あの口ひげが、屈強な刑事役の時は力強さ。 一方「激突!」のドライバー役では逆に小心さ(をカバーする意味で)を象徴しているように見えて、役作りが巧みなもんだとつくづく感心しました。

Posted by: もとよし | May 16, 2010 at 06:17 PM

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