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March 30, 2010

習志野シティフィル第49回定期

  
 
習志野シティフィルハーモニック 第49回定期演奏会
 
 
  2010年3月28日 (日曜日)
    習志野文化ホール
      14:00開演
 
    指揮:小室昌広
    演奏:習志野シティフィルハーモニック
 
 
  ワーグナー       :
     歌劇「タンホイザー」序曲
 
  ヨハン・シュトラウスⅡ世:
     「春の声」
     「アンネン・ポルカ」
     「雷鳴と電光」
 
  ブラームス       :
     交響曲第二番 ニ長調 op.73
     ハンガリー舞曲第6番  (アンコール)
 
 
 
 
習志野シティフィル、その第49回目の定期演奏会です。
今回私は諸般の事情から舞台には上がらず。 客席でじっくりと鑑賞させて貰いました。
このオケは対抗配置ですから、折角なので客席の真ん中辺りに陣取ることにします。
 
 
         ▽▲▽▲▽▲ 
 
 
ワーグナーの「タンホイザー」序曲(1845年)。
名曲アルバムなんぞにも度々登場するポピュラー名曲の定番なれど、幾重にも幾重にも重ねられた響き、その綾が重層的に絡み合って生み出す味わいは複雑にして濃厚。
ねっとりとして、私など時と場合によっては煩わしく感ずることさえあるのですけれど、このタンホイザーは殊の他スッキリとしていて好かったです。
十九世紀半ばの曲にして、意外なくらい両翼配置が上手く効いていて、その分余計面白く聴くことが出来ました。
 
 
 
ヨハン・シュトラウスⅡ世のワルツとポルカ。
こういった小品を、シリアス一辺倒に偏らず粋に奏してみせることこそ至難の業。
先のワーグナーと比べて、楽曲自体余程メロディ主体に出来あがっているのだと、今更ながら強く認識しました。
聴き応えという意味では、ワーグナーと比ぶべくもないという気がするのですけれど、しかしワルツ王の作ならでは、他では得られないワクワク感がありますね。 ダンス音楽なのですから、これで好し。
 
 
 
ブラームスの交響曲第二番。
春風駘蕩・・・・とかいった感じで来るものと想っていたら、そればかりではなしに、局面に応じてもっと激しく迫ってやろうという、そんな意欲の見て取れるブラ二でありました。
このシンフォニー。 あの剛毅な第一シンフォニーとはまるで対照的な、伸びやかで柔和な旋律の数々もさることながら、それら一つ一つを繋ぐ「途中の部分」こそなにより肝心と想うようになりました。 あくまで今の時点の感想ですけれど。
 
 
アンコールはハンガリー舞曲第6番。
想い切りの好い鳴らしっぷりは、先程聴いたワルツやポルカに通じるものがありますね。 このオケの得意とする領分です。
 
 
 
 
 習志野シティフィル第42回定期演奏会
 
 習志野シティフィル第45回定期演奏会
 
 習志野シティフィル第46回定期演奏会
 
 習志野シティフィル第47回定期演奏会
 
 習志野シティフィル第48回定期演奏会
   
 

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March 22, 2010

ぐるりのこと。

 
 
 ぐるりのこと。
 All Around Us
 
 
   監督:橋口亮輔
   出演:木村多江
       リリー・フランキー
 
          2008年  日本
 
 
20世紀お終いの10年間を、とある夫婦の暮らしを通して描いた映画です。

もう若くはないというのに一向腰が落ち着かず、(今風に言えば)自由で、飄々とした夫が始めた仕事は裁判所の法廷画家。 日々、世相的な犯罪や猟奇的な事件、更にはカルト教団絡みの裁判などを傍聴し、絵筆を走らせます。
映画ですからいずれもフィクションです。 けれど1990年~2000年の当時起こった、それら事件のモデルとなった一々には、同時代を生きてきた日本人として思い当たるものがあり、ついつい想いを馳せてしまいます。

一方、出版社に勤務する生真面目で神経質な妻は、仕事や身辺のトラブルの一々と真正面から向き合ううち、次第に心が壊れてゆきます。

         ▽▲▽▲▽▲

こうして夫の仕事を通して世情の変遷が映し出され、それと平行して妻の苦悩の深まりが描かれる構成ですけれど、互い違いに描かれるエピソードを追い駆けて(見続けて)いるうちに疲れ果てちゃいました。(上映時間は140分)

夫役に自然体のリリー・フランキーさん、妻役に体当たり演技の木村多江さん。 主役の二人は共に好かった。
でも、この映画の演出はと言うと、私には総じて好きになれないのですよ。 過度に現実的なタッチとでもいうのか、人間の描き方があんまり殺伐としすぎてね。
詰まらない悪意やら嫌味な口喧嘩なんか、わざわざドラマの中で見たくもないって。
まぁ、そういったものに一々拒否反応の出るのは、私の悪いクセかもしれませんけれど。

         ▽▲▽▲▽▲

ところで、序盤から中盤にかけひたすら現実的に、というかネガティブな描き方を通してきたドラマが、終盤(お寺に天井画を描きに通い始めた辺り)に至って突如前向きな姿勢へと転じるのは何故なのでしょう?
ドラマ中盤で妻の下した<ある選択>。 アレって、もうイイの? 楽観的に過ぎません?? そもそも、そのまま時が解決してくれるような、ヤワな問題ではないワケで。
終盤の前向きさと、そこ至るまでのシビアさとのギャップには、違和感がありまくりの私です。
ですから、仕上がった天井画を眺める夫の感想、賞賛の言葉にも共感することが出来ませんでした。

それなりに(!)シアワセな夫婦の生活を描いた序盤から、ひとたびどん底を見た中盤。
(そこまでは、まぁイイとして)終盤では、そこからハッピーエンドに持って行こうという強引さばかり感じられて、私にはどうにも納得のいかない映画でありました。
 
 

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<映画インデックス>

 
 
 <<映画、テレビ、その他 インデックス>>
 
 
 
<あ行>
アイアンマン (2008年)
アイアンマン2 (2010年)
赤目四十八瀧心中未遂 (2003年)
赤穂浪士 天の巻 地の巻 (1956年)
あしたのジョー (2011年)
篤姫 (NHK大河)
篤姫 最終回 (NHK大河)
アドレナリン (2006年)
あの戦争は何だったのか ~日米開戦と東条英機~ (テレビ)
網走番外地 (1965年)
アバター (2009年)
アポロ13 (1995年)

イージー・ライダー (1969年)
異人たちとの夏 (1988年)
頭文字D THE MOVIE (2005年)
インクレディブル・ハルク (2008年)

ウォーターボーイズ
うた魂♪
宇宙兄弟 (2012年)
宇宙戦争 (2005年)
UDON (2006年)
ウホッホ探検隊 (1986年)
右門捕物帖 紅蜥蜴 (1962年)

ULTRASEVEN X (テレビ)

永遠の0 (2013年)
エヴァンゲリオン (テレビ)
エヴァンゲリオン DEATH(TRUE)2
エヴァンゲリオン Air/まごころを君に
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 (2007年)
ヱヴァ序、ふたたび (2007年)
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 (2009年)
ヱヴァ破、ふたたび (2009年)
X-メン (2000年)
X-MEN2 (2003年)
NHK特集 シルクロード 第1部 <絲綢之路>
NHK特集 シルクロード 第2部 <ローマへの道>
えびボクサー (2002年)

オープンウォーター
ALWAYS 三丁目の夕日 (2005年)
ALWAYS 続・三丁目の夕日 (2007年)
男たちの大和
男はつらいよ
 ・男はつらいよ (1969年)
 ・続男はつらいよ (1969年)
 ・男はつらいよ フーテンの寅 (1970年)
 ・新・男はつらいよ (1970年)
 ・男はつらいよ 望郷篇 (1970年)
 ・男はつらいよ 純情篇 (1971年)
 ・男はつらいよ 奮闘篇 (1971年)
 ・男はつらいよ 寅次郎恋歌 (1971年)
オペレッタ狸御殿
音楽  
 
<か行>
カーズ
カメラを止めるな! (2017年)
かもめ食堂 (2006年)
川の底からこんにちは
歓喜の歌  

菊次郎の夏 (1999年)
喜劇 駅前旅館
北国の帝王 (1973年)
機動戦士ガンダム00 (テレビ)
逆境ナイン (2005年)
キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー (2011年)

グインサーガ アニメ版 (テレビ)
苦役列車 (2012年)
グラン・トリノ (2008年)
ぐるりのこと。 (2008年)

激突! (1971年)
ゲゲゲの女房 (テレビ)
ゲゲゲの女房 (貸本漫画家時代) (テレビ)
ゲゲゲの女房 (連続テレビ小説人生初完走) (テレビ)

ゴーストバスターズ (1984年版)
皇帝ペンギン (2005年)
功名が辻 (NHK大河)
コーラス (2004年)

ゴジラ・シリーズ
 ・ゴジラ (1954年版)
 ・ゴジラの逆襲 (1955年)
 ・キングコング対ゴジラ (1962年)
 ・モスラ対ゴジラ (1964年)
 ・三大怪獣 地球最大の決戦 (1964年)
 ・怪獣大戦争 (1965年)
 ・ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘 (1966年)
 ・怪獣島の決戦 ゴジラの息子 (1967年)
 ・怪獣総進撃 (1968年)
 ・ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃 (1969年)

 ・シン・ゴジラ (2016年)
 ・ゴジラ キング・オブ・モンスターズ (2019年)

<さ行>
SR サイタマノラッパー (2008年)
SR サイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム (2010年)
沈黙 ~ サイレンス ~
坂の上の雲 (テレビ)
座頭市
 ・座頭市物語 (1962年)
 ・続・座頭市物語 (1962年)
 ・新・座頭市物語 (1963年)
 ・座頭市兇状旅 (1963年)
3月のライオン(前編) (2017年)
3月のライオン(後編) (2017年)

ジェリーフィッシュ(2007年 イスラエル)
潮騒
時代屋の女房
シムソンズ
少年メリケンサック (2009年)
ジョーズ
次郎長三国志(1963年・東映・マキノ雅弘)
仁義なき戦い  (1973年)
仁義なき戦い 広島死闘篇  (1973年)
シン・ゴジラ
新・三銃士 (テレビ)
新選組! (NHK大河)

スウィングガールズ
スーパーマン
スーパーマンⅡ 冒険篇
スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望 (1977年)
スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲 (1980年)
スパイダーマン (2002年)
スパイダーマン2 (2004年)
素晴らしきヒコーキ野郎
スピード・レーサー

世界最速のインディアン
世界の中心で、愛をさけぶ
世界ふれあい街歩き (テレビ)
セプテンバー11
007
 ・007/ドクター・ノオ (1962年)
 ・007/ロシアより愛をこめて (1963年)
 ・007/ゴールドフィンガー (1964年)
 ・007/サンダーボール作戦 (1965年)
 ・007は二度死ぬ (1967年)
009-1 (テレビ)
戦国自衛隊1549 (2005年)

曽根崎心中
空の大怪獣 ラドン (1956年)
 
<た行>
ダーティハリー
タイガー&ドラゴン (テレビ)
大怪獣ガメラ (1965年)
大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン (1966年)
ダ・ヴィンチ・コード
滝を見にいく (2014年)
たそがれ清兵衛
タモリ倶楽部 玉川上水
丹下左膳 (阪東妻三郎、1952年)

中国の鳥人 (1998年)
超高速!参勤交代 (2014年)

ツィゴイネルワイゼン (1980年)

テッド (2012年)
テッド2 (2015年)
天使にラブ・ソングを・・・ (1992年)
天地人 (NHK大河)
天地人 最終回 (NHK大河)
天地明察 (2012年)

東京オリンピック (1964年大会)
遠すぎた橋 (1977年)
時をかける少女 (アニメ版)
ドクター・ドリトル
ドクター・ドリトル2
トップガン (1986年)
 
<な行>
南極料理人

にあんちゃん
にっぽん昆虫記
日本万国博
ニッポン無責任時代
日本のいちばん長い日(1967年版)

寝ずの番 (2006年)
眠狂四郎殺法帖
眠狂四郎 勝負

のだめカンタービレ (テレビ)
のだめカンタービレ 新春SP欧州 (テレビ)
のぼうの城  
 
<は行>
パシフィック・リム
バタリアン
バックダンサーズ!
バック・トゥー・ザ・フューチャー (1985年)
バックドラフト
ハッピーフライト
春の雪
ハルク
ハンサム★スーツ

必殺! THE HISSATSU
HINOKIO
ピンポン THE ANIMATION  

ファインディング・ニモ (2003年)
ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]
風林火山 (映画 1969年)
風林火山 「両雄死す」 (NHK大河)
風林火山 最終回 (NHK大河)
豚と軍艦
舟を編む
譜めくりの女
ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない
プリンセス トヨトミ

兵隊やくざ
 ・兵隊やくざ
 ・続兵隊やくざ
 ・新・兵隊やくざ
ベストキッド (1984年)
 
<ま行>
マイティ・ソー
マッドマックス
マッハ!!!!!!!!
魔笛
マトリックス
真夏のオリオン
まほろ駅前多田便利軒
まほろ駅前番外地 (テレビ)
まぼろしの邪馬台国
間宮兄弟

ミクロの決死圏
ミリオンダラー・ベイビー

メン・イン・ブラック
 ・メン・イン・ブラック
 ・メン・イン・ブラック2
 ・メン・イン・ブラック3

モーガン警部と謎の男
 
<や行>
ヤマカシ

善き人のためのソナタ  
 
<ら行>
ラフマニノフ ある愛の調べ

リンダリンダリンダ
龍馬伝 第一部 (NHK大河)
龍馬伝 第二部 (NHK大河)  

レザボア・ドッグス
レスラー (2008年)

ローレライ
ローン・レンジャー
ロボコップ
 ・ロボコップ (1987年版)
 ・ロボコップ2 (1990年)
 ・ロボコップ3 (1993年)
ロボジー
 
<わ行>
ワイルド7
笑の大学  
 
 
 
<テレビ>
篤姫 (NHK大河)
篤姫 最終回 (NHK大河)
あの戦争は何だったのか ~日米開戦と東条英機~
ULTRASEVEN X
エヴァンゲリオン
機動戦士ガンダム00
グインサーガ アニメ版
功名が辻 (NHK大河)
坂の上の雲
新・三銃士 (NHK 連続人形活劇)
新選組! (NHK大河)
世界ふれあい街歩き
009-1
天地人 (NHK大河)
天地人 最終回 (NHK大河)
タモリ倶楽部 玉川上水
のだめカンタービレ
のだめカンタービレ 新春SP欧州
ピンポン THE ANIMATION
風林火山「両雄死す」 (NHK大河)
風林火山 最終回 (NHK大河) 
 
 
 
<NHK大河>
新選組! 2004年
功名が辻 2006年
風林火山「両雄死す」 2007年
風林火山 最終回 2007年
篤姫 2008年
篤姫 最終回 2008年
天地人 2009年
天地人 最終回 2009年
龍馬伝 第一部 2010年
龍馬伝 第二部 2010年  
 
 
<その他>
おちおち死んでられまへん (本)
ゼロゼロナインワン オリジナルサウンドトラック (CD)
トトに! (怪獣バトン)
ラン・ラン・ピアノ・リサイタル (FM)  
 

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March 20, 2010

パソコンでラジオ

 
 
ネットを利用して、パソコン上でラジオを聴くことの出来るサービス、radiko.jp が始まっていますね。 私も早速活用させて貰ってます。

放送の内容と時間はラジオのそれとまったく同じ。
ですから、手元のラジオを聴いても構わないんですけれど、ただ、ネット経由だと受信時の障害やノイズが絶無ですからね。 とりわけAMなど、TVやFM並みの高音質で聴くことが出来ます。
(久米さんの声なんか、ニュースステーション(懐かし!)の時みたいにクリアーで)
音楽はもとより、人の喋る声がストレス無くごく普通に聴こえて来るというのは実に快適なもの。 ちょっとリッチな気分になります。

今のところ、地域と期間限定のサービスのようですけれど、聴いていて実に快適なので、是非ともずっと続けて貰いたいところです。
あと、NHKが聴ければ言うことないんですけれどねぇ。


<関東>
配信地域:東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県
TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送、ラジオNIKKEI、InterFM、TOKYO FM、J-WAVE

<関西>
配信地域:大阪府、京都府、兵庫県、奈良県
朝日放送、毎日放送、ラジオ大阪、FM COCOLO、FM802、FM OSAKA

  期間:2010年3月15日~8月末
 
 

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March 16, 2010

譜めくりの女

 
 
 譜めくりの女
 LA TOURNEUSE DE PAGES
 
 
   監督:ドゥニ・デルクール
   出演:デボラ・フランソワ (譜めくり)
       カトリーヌ・フロ (ピアニスト)
  
          2006年  フランス
 
 
今回は譜めくりストのお話しです。
そう、主役たるピアニストの脇に控え、演奏中の奏者に代わって楽譜の頁をめくってゆく、「譜めくり」の人が主人公。 音楽家を主役に据えたドラマは少なくないですけれど、譜めくりという着眼点は斬新です。

         ▽▲▽▲▽▲

世に「執着」という言葉がありますね。
(あえてネガティブに言うならば)ひとつものごとに拘ってしまい、それを容易に思い切ることが出来ないこと。 ゆき過ぎれば、時に自ずから閉塞した状況へと陥ってしまうことも。
そういうことならば多かれ少なかれ誰にでも・・・・とも想いますけれど、この映画ではその想いが異常なまでに突き詰めた姿で(愛憎混めて)提示されます。

主人公は早くにピアニストへの道を諦めたうら若い女性。
主人公の執着は、その挫折の原因となった小さな(傍から見れば)事件を経て、その切っ掛けとなった高名な女流ピアニストへと向けられます。
そして女流ピアニストにとっては、譜めくりの存在がいつしか執着となり果て・・・・

         ▽▲▽▲▽▲

派手なところがいささかもない、一貫して控えめな描写はフランス映画ならでは。 その静謐さは、例えばハリウッド作品よりもむしろ一部の日本映画に近いものがあると想います。
演出も台詞も控えめで、うんと薄味のドラマ造り。
余白をして語らしめる。

映画の主題とはまた別に、演奏シーンの自然さが(これまでに見たどの映画よりも)とりわけ印象的です。
そしてピアノ三重奏団の人間関係や、本番のプレッシャーに押し潰される想いのピアニストの心理描写など。
監督が音楽家(ヴィオリスト)だからなのでしょうか。 生活の中にある音楽(の演奏)の描き方、その呼吸が実に巧みと想いました。

         ▽▲▽▲▽▲

さて、主人公のうら若きフメクリストをして突き動かしたもの・・・・私には、単なる意趣返しとは言い切れない気がしています。
我々は一般に、映画の登場人物の行動一々に明快な整合性、社会的な倫理性など求めてしまいがちですけれど、ここでは拘らずに見たほうがイイみたい。 映画と対峙する時、ついつい捉われてしまうんですよね。
これがむしろ文学、小説ならばもっとすんなり受け止めることが出来るのかもしれませんけれど。

         ▽▲▽▲▽▲

<余談>

ピアノの鍵盤の蓋と、チェロのエンドピン。 それらの、ある使い道について。
どちらも、その道の関係者であれば、誰しもがココロに留めていることではありますが。

ホントにやっちゃうとは・・・・

そんなこと、あの少女の執着に比べれば、どれほどのモンでもないってコトなのですね。
この演出、音楽を知らない人がやったなら許せない気がします。 けれど監督さんはヴィオリストなので、ならば無理ないかと。 ヘンに納得してしまう私です。
スウィングガールズ」(こちらは何度見ても愉しい!)で楽器をオモチャにしたシーンの、あのちょっとヤな感じ、あれとはまた別種の感覚を味わいました。
 
 

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March 08, 2010

ブラームス:ピアノ五重奏曲

   
   
ブラームス:ピアノ五重奏曲 ヘ短調 作品34
Johannes Brahms:Klavierquintett f-moll Opus 34
 
 
 演奏:マウリツィオ・ポリーニ (Pf)
     イタリア弦楽四重奏団
 
    録音:1979年  独グラモフォン
 
 
オールイタリアンキャストによる、ブラームスのピアノ五重奏曲です。
ポリーニの室内楽録音は珍しいのではないかと想います。
 
品好くオーソドックス。 諸事中庸をゆく好演。
あえて例えるならば、伊太利製の生地で誂えた上等の背広など、嫌味なく綺麗に着こなしてみせる隙のなさ。
どこにも奇を衒ったようなところが見当たらないですね。

これ以上、なにかご不満でも?・・・・ってな感じの正統ぶりですけれど。
でも気が付けば、「だってピアニストがあのポリーニなんだぜ」と、知らず気負いまくって聴いている自分がいました。
無意識のうちにシャープでバッサバッサ斬り進むような快演を期待してたのかもしれません。 まったく、なにやっているんだか。
ここでのブラームスは(私なんぞが言うのもアレですけれど)素晴らしい完成度の高さ。 お見事な演奏ぶりには、何不足ございませんです。 ハイ。・・・・イイ意味で肩透かしを喰らった格好ですよ。
 
安定感と適度な重量感。
イタリア人同士による競演と言う要素が上手い方向に、気負い無く音楽と対峙する姿勢へと作用したのでしょうか。
知と情、草食・肉食どちらかに偏らぬバランスの好さは、はサスガ練達の音楽家たちと感服させられました。
 
家に居て机に向かう折りなど、ここんところ流しっぱなしのCDなのです。
 
 

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March 02, 2010

バンクーバー冬季五輪

連日メディアを賑わして来たバンクーバー冬季五輪、とうとう終わっちゃいましたね。
個人的に、盛り上がりはいまひとつ(おい)ではあったんですけれど。
でもテレビは(諸事ありまして、ながらにならざるを得ないんですけれど)チェックしてましたよ。

         ▽▲▽▲▽▲

私が一番熱心になったのがスケートのショートトラックでした。
鍔迫り合いと言う言葉の相応しい、激しい抜きつ抜かれつは見ごたえ十分。
爆発的な加速力と、おっそろしく精緻でスリリングなコーナリングの連続(かつて凝っていたバイクのそれを想い出しました)は、モータースポーツで言うところのテール・トゥー・ノーズの状態。 そのカッコ好さには、見ていてホレボレとさせられましたよ。
最後尾から一気にトップまで躍り出る、ものすごい追い上げや、極限まで身体を倒し込んだコーナリングには、観戦しているこちらまで熱くなります。

それにしても同じアジア圏にあって中国、韓国勢の大躍進に、ハッキリ置いてゆかれつつある日本って構図が目立ちました(それはこの競技に限らず、ですね)。 虚心坦懐! 捲土重来!!

         ▽▲▽▲▽▲

それからフィギュアスケート女子。
決勝まで、想いっきり盛り上げてくれましたね。
なにしろ事前にメディアが総力を挙げて煽ってきた浅田真央VSキム・ヨナというライバル構図が、そのままクライマックスでメダル争いを演じるという、スポ根漫画になりそうな王道展開。
(スポ根少女マンガって切り口で、竹熊健太郎さんが取り上げてます 決勝前、そして 決勝後
どちらのプログラムも、素人目には甲乙つけ難かったです。

浅田選手の選曲、ラフマニノフの前奏曲「鐘」にハチャトゥリアンの「仮面舞踏会」という華麗にして重厚な楽曲は、この数日ですっかり耳についてしまいました。 でも、まだまだ聴き飽きてませんよ。 けだし名曲なり。

ただ、前回トリノ冬季五輪での荒川静香選手のような千両役者が、今回は現れませんでしたね。
繰言になってしまいますけれど、荒川選手の「トゥーランドット」・・・・
さっき、想い立ってネットで見返してみましたけれど、イナバウアーのところでやはりジンとなる。

ところで私は個人的に、日本選手の中では鈴木明子選手に特に注目しました。
なんか人柄が好いやねえ。 いつも笑顔がこぼれて。
真央&ヨナらのようにずっとトップを走り続けてきたイメージとはまた違った、親しみやすさを漂わせています。

         ▽▲▽▲▽▲

スキーではなんといってもスーパー大回転!
これは偶々兄宅で見ていて、そのクレージー(!)な突っ込みぶりのひとつひとつに、兄弟して突っ込みを入れておりました。 

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