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January 15, 2010

グインサーガ (アニメ版)

   
  
グインサーガ (アニメ版)
 
   原作:栗本薫
   監督:若林厚史
 
     NHK総合
     (全二十六回)
 
 
私の父は、随分と年季の入ったSF小説ファンでありました。
その昔、世間一般の大人がSFなどてんで相手にしなかったような頃から、熱心にSF小説を読み漁り、「SFマガジン」もずっと購読していたものです。 これには純然たるSFばかりではなしにファンタジーものも掲載されていたのを覚えています。
そんな父の本棚には、早川書房や創元推理文庫のSF/ファンタジーものがどっさりとありまして、これは私の読書暦のスタート地点でもあります。

その蔵書の内の一つが栗本薫さんの「グイン・サーガ」。 これも早川書房の文庫本でした。
第一巻の刊行が1979年で、以来ごく最近まで続いた長大なシリーズ。 上記のアニメ版「グイン・サーガ」の原作です。
中世ヨーロッパに似た架空の世界を舞台にしたヒロイック・ファンタジー(剣と魔法の物語)であり、完結までに全100巻を目指した壮大なる挑戦。 空前の規模を誇る大河小説であります。

100巻と言えば途方もない数ですけれど、栗本さんはその公約の通り、長いながい「グイン・サーガ」を連綿と書き綴ってゆきました。 ある時期は途切れ途切れに、またある時期は矢継ぎ早に一巻、また一巻と。

何十巻か進んだ頃でしょうか、私が父を亡くした折り、胸中に湧き上がった様々な感懐の内の一つが「これで、父はもうグイン・サーガをお終いまで読むことはないんだ・・・・」というものでありました。
私も父を真似、かなり遅れて読み始めましたけれど、やがていつからか読まなくなってしまい、現在に至ります。

現在、グイン・サーガは当初予定していた100巻を疾うに超えています。 (結局100巻では終わらず、更にその先が書き続けられたのです)
そして昨年、著者の栗本薫さんがお亡くなりに。(合掌)
膨大な数の登場人物とプロット、複雑な因果関係・・・・
物語を収束させないまま、130巻を絶筆としてのご逝去でした。

         ▽▲▽▲▽▲

さて、そのグイン・サーガのアニメ版ですけれど、今NHK総合テレビで深夜にやってますね。(金曜の午前0:45~) 元々はBSで放送していたもののようです。
これまであるようでなかったグインのアニメ化ですけれど、第一巻の刊行から三十年の歳月を経てついに実現したわけですね。 かつて愛読した小説のアニメ化ということで、私も見てみることにしました。

その世界観、背景やアクションの描き込みは、CGの活用も相まって素晴らしいものです。
一方、(主人公グイン以外の)キャラクターデザインや声優さんは、私にはまるでダメでした。
絵にしろ声にしろ、私にとっては軽すぎ、明るすぎ。(瞳の大っきなキャラや、如何にものアニメ声で)
私はグインの世界について、もっとずっと重厚なイメージを抱いていたのだと、今頃になって気が付きました。 でも、栗本さんが描いてきたグイン・ワールドって、本来こうした風のもんかとも想います。

今回のアニメ化は、長い物語の始めのあたりのみに限られるようですね。 なにしろ途方もなく壮大な「グイン・サーガ」ですから、それも致し方なし。 むべなるかな。

未完の原作に対しては様々な感情が去来し、またアニメの出来そのものが(自分から見て)十全でないこともあり、私にとってはやや痛し痒しの今回のアニメ化です。
とまれ、古くからのファンにとって感無量の一作なのは間違いないでしょうね。
やっぱり、親父と見たかった。
 
 

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Comments

>私の父は、随分と年季の入ったSF小説ファンでありました。
>その昔、世間一般の大人がSFなどてんで相手にしなかったような頃から、熱心にSF小説を読み漁り、
>「SFマガジン」もずっと購読していたものです
良いお父さんでしたね。
私も是非、お話したかったです。
ご存命ならブログもやっていたかもしれません。

>父の本棚には、早川書房や創元推理文庫がどっさりとありまして、
>これは私の読書暦のスタート地点でもあります。
素晴らしいですね。
親子で話が合うのは最高でしょう。
ウチは全然ダメなんですよ・・・

>やっぱり、親父と見たかった。
ジンとくる1行です。
もとよしさんの気持ちが伝わってきました。

Posted by: 晴薫 | January 18, 2010 at 12:28 AM

>晴薫さん

ありがとうございます。

>ご存命ならブログもやっていたかもしれません。

父は私の知る限り、同好の士と交友を持ったりはしなかったようです。 でも、今の世ならば、ネットをあれこれ活用したのではないかと想います。
そう考えると、なんとも口惜しい気分になりますね。
ネット時代が始まった頃に亡くなくなっていますので。

子供の頃は、まずは家の本棚に並ぶ本を手にとってみるものですよね。 私の場合は、そうしたワケで小学生の頃から海外のSFを読んだりしてました。(^^ゞ
ただ、思春期に入ってからは父と語ることが激減してしまい、その後大人になってからも、こと読書関係についてはあまり話した記憶がありません。
今ならば、もっと・・・・と、これも口惜しく想われます。

Posted by: もとよし | January 18, 2010 at 09:22 PM

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