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July 30, 2009

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

 
 
 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破
 Evangelion: 2.0 You Can (Not) Advance
 
 
    総監督:庵野秀明
    出演 :緒方恵美  (碇シンジ)
        林原めぐみ (綾波レイ)
        宮村優子  (式波・アスカ・ラングレー)
        石田彰   (渚カヲル)
        坂本真綾  (真希波・マリ・イラストリアス)
        三石琴乃  (葛城ミサト)
        山口由里子 (赤木リツコ)
        山寺宏一  (加持リョウジ)
        立木文彦  (碇ゲンドウ)
 
            2009年 日本
 
 
 
公開中の映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」を観て来ました。

オリジナルのテレビアニメ、新世紀エヴァンゲリオン(全26話)の放映されたのが1995年~1996年のこと。
その後、新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2(1997年)、新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを君に(1997年)と続き、これらは未だ評価の高い超人気コンテンツです。

そして、新たな再構築の始まりとして前作 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 の公開されたのが2007年の夏。 掛け値なしの傑作でした。(私は二度劇場に脚を運びましたっけ) あれから2年経ったんですね。

今回も素晴らしい出来ですよ。 待ち続けた甲斐は、十分にありました。
オリジナルのテレビ版や前作映画のテイストを残していた序の段(再構築、リビルド版として新たに始まった物語の「序」として、それは実に正しい方向付けなのですけれど)とは異なり、今回は物語の造り諸々をこれまでとは異なるカタチに改めています。 まさに破の段。

映画館の巨大なスクリーンをフルに生かした画面構成。 ド派手なアクション・シーンや精緻な描写により、堂々たる娯楽作品として誰にでも(コアなファン限定ではなく)愉しめる映画に仕上がっています。
ヱヴァンゲリヲンと言えば、今ではアニメ界のみならず邦画の大看板。 見込める市場が大きく、注目度も高い作品ですから。 興行的にも、絶対に失敗できないでしょうしね。

従来、エヴァの魅力の大きな部分を占めていたある種の難解さ、物語としての収集のつかなさ(?!)、無節操なまでの衒学趣味など、それらは幾分矯められてきている(今のところは、ですけれど)と言って良いのではないかと想います。
だからといって、エヴァならではの魅力は尽きないのですけれど。
 
 
さて、ここから先の内容はネタバレになります。
映画を未見の方はご注意下さい。
 
 
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前作(テレビ版~映画)に時折差し挟まれた大胆な、いっそ前衛的ともいえる心象風景的シーンは、今回は少ないのですけれど、そんな中で、黄昏の中をガタンゴトンと往く電車は健在です。 このコダワリ。 あるいは、庵野総監督の原体験なのでしょうか?。
BGMや劇中歌に「翼をください」やら「三百六十五歩のマーチ」を使う(それも、凄惨な戦闘シーンの中で!)など、また、往年の特撮怪獣映画へのリスペクトなど、作者の世代を感じさせられ、個人的にハゲシク共感するのです。
 
 
 ・渚カヲル君、今回もイイ場面で登場
そういえば、序の段でもイイトコで登場していましたね。 今回も未だまだ謎を引っ張り続けますよ。
その台詞から、この世界(新劇場版)がテレビ版+前作映画の内容をまた繰り返している、リピート/ループの中にあることをそれとなく暗示。
そう、新劇場版はリメイクではなく、また2(続編)というのでもなく、再構築、リビルドということなのだと想います。
 
 
 ・碇シンジ君、強し!
初号機の鬼気迫る闘いぶり、リミッターの振り切れたラフ・ファイトは、シンジ役・緒方恵美さん入魂の熱演も相まって、シリーズ中でも最高レベルに達しています。

これまで、闘うことに意義を見出せず悩んできたシンジ君。
その彼が<ただ綾波のため>に渾身の力を振り絞って闘い抜きます。
そして綾波レイの名台詞「私が死んでも替りはいるもの」に対して、今回はあの(!)シンジ君がダメを出すのです。
不肖はこの瞬間こそ未来への希望、破の段のクライマックスと確信致しました、はい。
 
 
 ・綾波レイのキャラ、ややチェンジ
嬰児のように無垢で、未だ情というものを知らずにいる少女、綾波レイ。
その彼女の、前作(テレビ版)では終盤にまで及んだ情緒の覚醒が、今回は早くから始まります。

打ち解けられない碇父子の仲を取り持とうと(不器用ながらも微笑ましく)画策さえする綾波。 あるいは、母性の目覚めさえ始まっていたかもしれません。
前作(テレビ版)でも、シンジ君らとの交流により人間らしい情緒や自我を獲得しかけて、でも、あとわずかというところで、闘いの中に果てたのでしたね。 それが綾波レイ、薄幸の少女。

破の段での綾波からは、そんな前作よりも幾分、悲劇の色合いが薄らいでいるような印象を受けます。
綾波レイと言えばオリジナル(テレビ)版の放映以来、数多のスピンアウト作品に描かれてきたアニメ回屈指の人気キャラですけれど、しかしそこでは、落ち着いて佇む姿、あるいは和やかに微笑む姿などが多く、必ずしも悲劇のヒロインとしては描かれていませんでしたからね。
なにしろ年季の入ったファンの多いエヴァです。 取り分け好きなキャラには、情も移ろうというもの。
今回の変節は、あるいはそんなファンの想いが通じてのこと、ということもあるのではないでしょうか。
 
 
 ・アスカもまた
今回、ホントに思い切ったことをしてきたもので、エヴァ人気の一翼を担ってきた人気キャラ。 アスカの扱いを換えてきました。
それ故にでしょうか、姓も「惣流」から「式波」へと換わっています。 おそらくは前作(テレビ版)で描かれた彼女の出自/トラウマなども、なかったことにされるんじゃないでしょうか(と私は見ています)。

前作(テレビ版)の後半から終盤に掛けてあった彼女の疑心暗鬼~自我崩壊の顛末はもはや、ストーリーから外されたようですね。(ある意味エヴァで一番クラく、また現実的なテーマと言えますし)
こちらも綾波と同様、十数年を経てのキャラ変節といえるでしょうか。

綾波とアスカ、両ヒロインがやがて迎える結末は、案外と明るいものになるのかもしれない(破のラストでは、二人とも大変なことになっているんですけれど)、そう予感させられます。
ところで彼女、今回はいささか出番が少ないんですよね。 そこのところが残念至極。
 
 
 ・真希波・マリ・イラストリアス
今回初登場の新パイロットはシンジ君らとは違い、謎の多いネルフやゼーレの内情あれこれを知っている模様。 カヲル君と同様、謎のチルドレンです。
そして、戦うことについて一点の疑いも持たぬ、根っからの戦士タイプ・・・・というか命知らずで、しかもアスカとは違い、メンタル面もタフで隙のない様子。
でも、そこはヱヴァの登場人物ですからね、そう単純なキャラではない筈と想うのですけれど・・・・
 
 
 
さてもヱヴァンゲリヲン新劇場版:破の段、ファンがこれまでに体験してきたヱヴァの世界を大胆に掻き回してくれました。
この先、例えば人類保管計画なんて一体どんな形でケリをつけるんでしょう。
とまれ、残すは「Q」(「急」ではなかった!)と、そして「?」。
この続きが、とても愉しみです。
いくらだって待ちますよ。
 
 

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Comments

お忙しい中やっと劇場に足を運ぶことができたようでなによりです。
たっぷり新ヱヴァを楽しんできたみたいですね。
ワタシの方はいつ三回目を見に行こうか画策中ですが、とりあえずは最近購入したサントラをクルマの中で聞きまくっています。

Posted by: ともやん | July 30, 2009 at 09:24 PM

ご覧になりましたか!
オモシロかったでしょ。

>私は二度劇場に脚を運びましたっけ
凄、知らなかった。
俺は1回だったよ・・・
前回二回なら今回は3回かな(笑
俺は先日二回目行きました。
とりあえず今回はコレでイイや(笑
でも二回目も面白かった。

>難解さ、物語としての収集のつかなさ、無節操なまでの衒学趣味など、それらは幾分矯められてきている
なるほど。
そう言われてみればそうですね。
だから話が早いんだ・・・

>必ずしも悲劇のヒロインとしては描かれていませんでしたからね。
なるほど・・・でも俺はあくまでも可哀想な綾波が好きなんだよな・・・どうしましょう(笑


>おそらくで彼女のトラウマなども、なかったことにされるんじゃないでしょうか(と私は見ています)。
あ、なるほど!
もとよしさん、鋭いわ!
この指摘は鋭い。

>いくらだって待ちますよ。
この点だけは反対です(笑
来年の夏と再来年で決着付けて欲しい。
その後、また新規でテレビ版やれば良いんだよ!(笑

もとよしさん、やっぱり鋭いですね。
ご指摘かなり当たっていると思う。

Posted by: 晴薫 | July 30, 2009 at 09:27 PM

>ともやんさん

お陰さまで、ようやっと観ることが出来ました。(^ァ^)
本懐を遂げた気分(大げさ!)であります。
そして、肝心の映画の方も、期待を上回る出来で大満足です。

もう二回目を観てこられたんですか!
私も、上映期間中に、もう一度スクリーンで見ておきたいんですよ。(どうせ後から、DVDで見直すんですけれどネ。(^^ゞ) でも、行けるかなぁ。(^^ゞ(^^ゞ(^^ゞ

Posted by: もとよし | July 31, 2009 at 10:31 PM

>晴薫さん

期待を上回るオモシロさでした。(^ァ^)
晴薫さんも二回目、観に行かれたんですね。(笑)
私も、出来れば上映期間中にもう一回、映画館のスクリーンで見ておきたいところですけれど、間に合うかどうか・・・・(^^ゞ


>だから話が早いんだ・・・

そうでしたね。 サクサクと話が進んで。
昔からのファンには小気味良く感じられ、新劇場版から観る人にも判りやすい、と。
二年も掛けただけあってかどうか(^^ゞ、こういう練りに練った構成の巧みさは流石と想います。


>でも俺はあくまでも可哀想な綾波が好きなんだよな・・・どうしましょう(笑

なるほど、悲劇のヒロインの変節にはジレンマが伴うものなんですね。(^^ゞ
ともあれ、綾波もアスカも、「破」では前向きな姿勢が、これまでとは違いますね。
もちろん、ラストに至って、二人には過酷な運命が待っていたわけですけれど。(/_;)

でも、綾波主催のお食事会が実現していたら、ご相伴に預かりたかったですよねぇ。(笑)


>来年の夏と再来年で決着付けて欲しい。

確かに!(笑)
次回予告でちらっと見せた、アスカの眼帯が気になって、気になって。(^^ゞ
やっぱり、そうは待てませんぜ!

Posted by: もとよし | July 31, 2009 at 10:32 PM

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