« キッコーマン 野田工場 | Main | 千葉城 »

July 08, 2009

いけちゃんとぼく

 
 
  いけちゃんとぼく
 
     西原理恵子 著

       2006年 角川書店
 
 
西原理恵子さんの絵本「いけちゃんとぼく」を読みました。
それは偶々、病院の待合室に備えてあったもの。
診察を待つ間の時間つぶしには、丁度お誂え向きのボリュームでしたからね。

著者の西原理恵子さんと言えば、毎日新聞の日曜版に連載中の私小説風マンガ、「毎日かあさん」の お母さん その人ですよね。
男女二児の母親が、家族に寄せる愛情、毒気の効いたユーモアもさることながら、男の子の世界と女の子の世界それぞれを、地に足の着いたクレバーな観察眼で捉えていることに感心させられます。

で本書、「いけちゃんとぼく」の主人公 ぼく もまた男の子。 やはり、「毎日かあさん」の おにいちゃん を連想させられるのです。 そういえば いけちゃん のデザインは、おにいちゃん の描いたマンガ(?)を元にしているのだそうな。
一応、絵本のカテゴリーに入れられていますけれど、その内容は西原さんの描く漫画とさして変わるところがありません。

物語は主人公の小学生、ぼく とその ぼく だけに見える不思議な生きもの、いけちゃん との対話で綴られてゆきます。
ここで特筆すべきは西原さんの示す、男の子の世界への深い受容力です。
それは、世間一般的意味合いの母親視点から、男の子はこうあれかし、というのとはいささか異なる、西原さんならではの人生観から来るもの。(だからこそ、「毎日かあさん」とは違う世界観ながら、共通の視点/語り口を感じさせられるのだと想います)

子供時代・・・・それは、誰にとっても懐かしい、キラキラと輝いていた日々。
手がつけられないくらいにデリケートな、少年の心の移ろいを、純朴な絵とシンプルな台詞で綴ってゆきます。
この絵本に関して私は、作品全体を満たす静謐な空気感に反応しちまって、深く読み込むよりも先に、さっさと大満足レベルに達してしまったことを、ここに白状しておきます。 ハイ。

絵本だけに、とても短いのですけれど、これは一読して、すぐさまもう一度始めから読み直さずにはいられない佳品です。
 
 

|

« キッコーマン 野田工場 | Main | 千葉城 »

Comments

おはようございます!
 西原理恵子さんて好きな作家です。漫画は読んだことはないのですが、テレビで拝見してちょっとユニークなこの人の人柄に惹かれました。
「いけちゃんとぼく」今度書店で立ち読みしてきますね^^。

Posted by: みい | July 11, 2009 at 09:59 AM

>みいさん

リアル西原さん、私もテレビで拝見したことがあります。
人生の修羅場を潜ってきた人ならではのインパクトがありますよね。(笑)

作品の方にも、経歴の中で培った人生観が生きていると想います。
「毎日かあさん」で描いている自分像も容赦ありませんし。(^^ゞ

「いけちゃんとぼく」、立ち読みして来て下さい。 短いので、あっという間です。(^ァ^)

Posted by: もとよし | July 11, 2009 at 01:26 PM

この前、西原理恵子さんの半生を描いた
イメージドラマを見て、
彼女の波乱万丈な人生に驚きましたimpact

奥が深そうな映画ですねshine

Posted by: サマー | July 11, 2009 at 08:59 PM

>サマーさん

ホント、波乱万丈なお方ですね!
そして、その経験が現在の西原さんの人生観につながり、西原マンガのバックボーンとなっているようで。
その作風として、かなり主観/独断的なところもあって、でもそんなところもまた、西原さんらしいと言う気がしています。
人生無駄な経験なんてない・・・・なんて言いますけれど、ホントその見本みたいに感じられますねえ。(笑)

追)そういえば、映画化されたんですよね。 あの空気感・・・・是非とも実写で見てみたいです。(^ァ^)

Posted by: もとよし | July 11, 2009 at 11:00 PM

もとよしさん、こんにちは☆
金曜日に、映画版を見て来ました^^
原作本は立ち読みでぱらぱらっとしか見たことがなかったので、詳しい内容は知らなかったのですが、いけちゃんが、すごく・・なんというか・・好きでした。
蒼井優ちゃんが声を担当していて、CGも違和感なかったです。
筋的には、イジメのシーンが多くて、ちょっと辛かったですが・・。

>そういえば いけちゃん のデザインは、おにいちゃん の描いたマンガ(?)を元にしているのだそうな
 それは初めて知りました。
原作も近い内かならず読んでみます♪

Posted by: latifa | July 19, 2009 at 08:32 AM

>latifaさん

実写いけちゃん、ご覧になりましたかぁ。(^ァ^)
あの、これ以上ありえないくらい超単純デザインのいけちゃんが、一体どんな風に動き出すのか・・・・興味シンシンです。(笑)

いじめのシーン、やっぱりあるんですね。
原作でも、子供たちの世界の、そういう負の部分をも描いていてました。
そういうところが、また西原さんらしいですよね。

Posted by: もとよし | July 19, 2009 at 10:06 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/61645/45576816

Listed below are links to weblogs that reference いけちゃんとぼく:

« キッコーマン 野田工場 | Main | 千葉城 »