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September 29, 2008

フィビヒの詩曲

 
 
先日、とある音楽系オフの席で思いがけず知るところとなった、東欧はチェコの作曲家ズデニェク・フィビヒ(フィビフとも)。
その生涯は19世紀の丁度後半にあたる。 無論、同時代のチェコを代表する作曲家ドヴォザークのような音楽史上のビッグネームではないけれど、その哀愁溢れる地方/民族色を横溢させた旋律は、聴く者を惹きつけてやまない。
それにしても、このようにして見聞を広めることの出来る、オフとはまことに愉しくも在り難いものであります。

さてその後、自宅のPCで試みに動画サイトで「Fibich」を検索に掛けてみたら、思いもかけず沢山の動画がヒットした。 それも、プロの映像/録音などよりもむしろ、海外のアマチュア音楽家が自らの演奏を録画、投稿したものが多いことに驚かされる。
なかでも、「Poem」(詩曲)と呼ばれる小品がとりわけ親しまれているようである。 この曲、海外では初心者向けピアノピースの定番なのかもしれない。(本邦においてはどうなのか、私は知らない)

「Poem」(詩曲)とは、調べてみると、ピアノ独奏曲「気分・印象 そして追憶」(Op.41)中の一曲「ジョフィーン島の夕べ」(Op.41-139)のことで、管弦楽のための牧歌「黄昏」(Op.39) でも同じ旋律を聴くことができる(これにはピアノ独奏、連弾版もある)とのこと。 また、後に独奏ヴァイオリンなどにも編曲されたらしい。
その、ほろ苦くも切ない旋律からは、如何にも東欧的な雰囲気(って好く判らずに言っているのだけれど)が伝わって来、彼の地への憧憬をいやがうえにもかき立てさせられる。

やさしいメロディーに、ゆっくりのテンポ。 なにより演奏の比較的平易なのがアマチュア演奏者に広く愛されている決め手であろう。
こういった、アマチュアが自宅でアップライトピアノやまたは電子ピアノに向かう姿や、あるいは音楽教室の発表会風景など、このレベルの(あえて言えば、まだまだツタナイ)演奏を、ネットで広く公開する・・・・そのことについては、いろいろと意見もあるだろうけれど、とまれ私はアマ音楽家の演奏を偏愛する者である。
未だペダルに脚の届かない幼い子がピアノに向かうあどけない姿や、あるいは発展途上ながら同じアマチュアとして共感させられる演奏など、色々と見て廻り愉しませてもらった。

動画中に時折の映るアマチュア音楽家諸氏の様子から察するに、どうやらお子さま~初心の若い人に弾かれることが多いのかもしれないけれど、この俯き加減でセンチメンタルな佳品を弾く姿としては、むしろずっと年配の、それも男性。 例えて言えば、嫁にやった娘の残したピアノを手すさびに弾く熟年のお父さん・・・・その胸に去来するは、懐かしくも儚い過ぎし日の想い出か・・・・といったようなシチュエーションが相応しい気がする。
 
 

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September 18, 2008

エレキギター体験レッスン


またしてもご無沙汰しています。

ちょいとばかり前のことになりますけれど、私、とある楽器屋さんが主催する「初心者のためのエレキギター体験レッスン」というものを受講して参りました。
それにしても、なんでまたもとよしがエレキなんぞを、などとお思いでしょうが、これにはいろいろとワケがあったです。

ま、その辺はさておき・・・・・
私、このエレクトリックギターという楽器についちゃあ全くのド素人なんであります。
そもそもギターの経験はと言えば、昔々のその昔、兄愛用のアコースティックギター・・・・その当時はフォークギターなんて呼ばれていました・・・・に、持ち主には無断でこっそり触ったことがある程度。

思えばこれまでの人生で、ロック系の音楽とはほとんど縁が無かったのだよなあ。
それに、私が過去受けた音楽のレッスンはといえば、手ほどきレベルのなんちゃってレッスンまでを含めると声楽、ピアノ、フルート、チェロなどが上げられますけれど、お察しの通り、これらはいずれもクラシック系なのであります。

それが今頃になって、いきなりエレキギターですよ。
かくして某楽器屋さん付属の音楽教室を訪れ、お洒落で本格的なスタジオでエレキギター科の先生とマンツーマンの三十分間を過ごしたのでした。

        ▽▲▽▲▽▲

レッスン用に用意されていた楽器はストラトキャスターと言う、エレキギターと言えば誰でも最初に連想する、まずは一番よく見掛けるタイプです。
やはり最初は楽器の構え方からです。 椅子に座り(エレキギターは立奏が基本なのかもしれませんが)、肩をストラップに通して楽器を構えると、ボディが木のカタマリだけに、ずしりとした重みが身体に掛かって来ます。

さて、ギターアンプの電源をオン。 シールド(ギターとアンプをつなぐコード)を楽器につなぐと、ノイズが意外に多く聴こえます。 え、普通こんなもんですか?
ピックは親指と人差し指で挟むこと。 あんまり力は要らない。
初めて触る楽器って、なんかワウワクして来ちゃいますね。

開放弦をちょっと弾いて、それからすぐにパワーコードというものを弾いてみます。(最初に音階とかやらないんですね)
これは5弦と6弦、低い方の二本のみを速目のリズムに合わせてストロークするもの。
5弦はレ、6弦はソを押さえ、残りの4本の弦は右手の甲をあてて消音し、ピックを小刻みに動かしてザッザッザッザッ・・・・ 
結構気持ちイイですよ。
あ、これ、第三音(この場合はソ・シ・レのシ)が無いんですね。 だから、ちょっと無機質で、クールな響きがするんだ。
如何にもロックっぽい感覚がしますね。 ザッザッザッザッ・・・・

弾いていて、先生からは随分スジが好いと褒められちゃいました。
リズムの掴み方が音楽的なんだって。 いえ、他の楽器とかやって、年季だけはたっぷりはいってますから。
やがて、私が慣れて来たとみて、私の弾くG、Dのパワーコードをバックに先生がアドリブ風の旋律を加え始めます。 うおお、カッコイイ! 今、ロックやってる!!

当たり前のことだけれど、ギターのネック(棹)にはフレットが刻んであります。 だから、ヴァイオリン属のように左手は音程を取りに行く必要がないわけで、その分ピッチで悩むこともない、楽ちんなのかと思っていたら、弦をあまり強く押さえるとピッチがずれてしまうのに驚きました。 エレキの弦は柔らかいので、過度に押さえ込むとピッチが狂ってしまうらしいのですよ。

        ▽▲▽▲▽▲

さて、ここいらで、私がエレキギターについて昔から抱き続けてきた疑問。
あの、「ギャオ~ン」と言うエレキギター特有のノイジーな響きは、いったいどんな仕掛けで出しているのか、それを知る段階がやって参りました。

実はエレキの「ギャオ~ン」は、あれはギターアンプの電気回路中で意図的に音を歪ませて出しているのでした。
この日のレッスンで使用したギターアンプの場合、電気回路が2系統用意してありました。
一方は普通にクリアーな響きを、そしてもう一方はわざと歪ませたノイジーな響きと、プレイヤーのお好みで自由に使い分けることが出来るようになっているのです。

後者の方は、歪みの度合いをコントロールすることも出来て、軽く「ギャン」くらいからぐっとヘビーに「グガゴヮオオオオオオ~~~~~~ン」まで、自在であります。

エレキの音というのはエレキギターだけで成り立っているわけではなく、ギターアンプ(アンプ以外にもいろんな音響機材があるらしいけれど)と組んで造るものなんですね。
こういう、ロック少年ならば自明であろうことを、今頃になって知った私です。


人生初エレキ。 見るもの聴くもののどれもが興味深く、とっても愉しくて、三十分の体験レッスンはあっという間に終わったのでした。

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