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April 19, 2008

間宮兄弟

 
 間宮兄弟
 
   江國香織
 
     2004年
 
 
齢30代にして独身を貫き、恋愛だの浮いた話しとは、およそ縁無く過ごす兄と弟。 間宮兄弟の共同生活を恬淡と描いた小説。
ネットを見渡せば、兄弟の無邪気さ、純粋さに癒されると言った内容の書評も見られるけれど、私はそうは想わない。
 
同じ著者の「東京タワー」と同様、主たる読者は女性であろうか。 しかし、登場する男性に関しては、「東京タワー」で不倫の相手を務めた大学生二人とは逆張りの、女性読者からは間違いなく「そういう人だけはご勘弁」と断定されそうなタイプに設定されている。
 
そんな、「ありえない」兄弟。 主人公とはいえ、どうにも共感し難いものがある。
むしろ、女流作家(と、主たる読者層)の視角から感じるのは、この(常識を超えて)邪気のない、世にも奇特な兄弟への、「好い人ね」と言いつつ斜め上から見下ろす、不躾で冷ややかな好奇の視線である。
私としては、読んでいて、そんな著者と読者の思惑、興味の拠りどころばかりが気になってしまった。
 
それにしても、兄弟の無邪気な女性観には泣けてくる。
間宮兄弟。 まだアタックを掛ける気があるんなら、相手はもっと選んだほうが好いよ。
 

   「東京タワー」  江國香織
 

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Comments

もとよしさん、こんにちは!
これ、小説⇒映画の順で見ました。
>「好い人ね」と言いつつ斜め上から見下ろす、不躾で冷ややかな好奇の視線である。
 うん、、解ります・・・。そういうのは、イヤだな・・・って思います・・。私は、母の目線で読んでました。

Posted by: latifa | April 20, 2008 at 09:36 AM

原作を読まれたんですね。
私は江國香織は読んだことありません。

確かに
>(常識を超えて)邪気のない、世にも奇特な兄弟への、「好い人ね」と言いつつ斜め上から見下ろす、不躾で冷ややかな好奇の視線である。

こういのがあるとすれば侮辱ですよね。
現実にも。勘違い女の人でこういう目線の人いますもんね。


Posted by: 晴薫 | April 20, 2008 at 09:23 PM

>latifaさん

間宮兄弟の行く末。 母親目線だと、心配になっちゃうでしょうか。(^^ゞ
実は私、この兄弟については、あんまり心配していないんです。 なるようになるっしょ、って感じで。(笑)

小説にも兄弟のお母さんが出て来ましたね。 なんだかスケールの大きな女性という感じで、でも、兄弟に寄せる母の目線というものが、描ききれていなかったように想います。

Posted by: もとよし | April 20, 2008 at 11:07 PM

>晴薫さん

「間宮兄弟」って映画化されているんですね。
私は未見なんですけれど、チラシ写真を見る限りでは、ほのぼの系の楽しい映画って感じがしました。 原作から考えると、そんな筈はないんですけれど。(笑)
実際は、どうなんでしょう? これは、見てみるしかないですね。


>現実にも。勘違い女の人でこういう目線の人いますもんね。

勘違い女を客観的な視点で描くのならば、それはそれで読み応えがある小説になるかもしれませんけれど、「間宮兄弟」の場合、そうじゃあないですからね。(^^ゞ
Women's onlyの小説を読んじゃったのかも、です。

Posted by: もとよし | April 20, 2008 at 11:10 PM

>斜め上から見下ろす不躾な・・・・

そうですね。そうかもしれません。

この方の本は、若い女性の感覚、感じ方を独特の言葉で表現したところが、女性に読まれる一因でしょう。
わたしも、この本は未読ですが、映画はテレビでやってたの後半だけ見た記憶があります。
愛すべき兄弟の姿でした。でも終わり方がなんだか切なく感じました。わたしだけ?

Posted by: みい | April 22, 2008 at 02:27 PM

>みいさん

をっ! 映画版をテレビでやっていましたか。
私も、その内にビデオでも借りて、この愛すべき兄弟の顛末を見てみようかと想います。(^ァ^)


>この方の本は、若い女性の感覚、感じ方を独特の言葉で
>表現したところが、女性に読まれる一因でしょう。

なるほどぉ・・・・
江國作品は、あくまで女性の感覚を駆使して、女性読者向けに書かれた小説であって、その他の読者(ってつまりは、男性読者ですけれど)はオフリミットって想定なのかもしれないですね。
そんなところへ、客観的な視点の不在を突いたのは、お門違いだったかも、でした。(^^ゞ

Posted by: もとよし | April 22, 2008 at 08:37 PM

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